11.最初はよくある白人と黒人との人種差別問題の映画かと思っていたが、とてもそんな単純な物語ではなかった。そこにはメキシコ人やトルコ人、中国人もいる。車を盗む奴もいれば他人を傷つける奴もいる。人を殺す奴もいる。逆に人を助ける奴もいる。いや、誰かを傷つける「時」もあれば助ける「時」もあるというべきか。「人間」という生き物の不可解さを約2時間ほどの間垣間見せてくれる名作だと思います。 【とかげ12号】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-09-02 17:49:34) |
10.アンサンブルドラマは脚本と演出で観客を混乱させる可能性がありますが、この作品はギリギリの部分で素晴らしい作品となっていると思います。ただ柱にある人種差別のテーマは日本人にはちょっと理解しづらい難しいテーマだとも思いました。それに加えてメッセージは観客に委ねる形なので、アメリカ社会を考えさせられる作品ではありますが、直接的に心に響く映画ではありません。それなのに演出の妙で2時間弱飽きさせないのは素晴らしいです。人類みな兄弟みたいな顔して生活してるけど、心の奥底にある偏見が元で直ぐに衝突してしまうのだなと思いました。主役を誰と置かずに展開される作品なので、テーマを意識して観たらもっと感じるものがあったのかなと・・・、それでも凄いパワーのある静かな作品である事に間違いはありません。 |
9.日本ではなかなか考えられないような、アメリカ社会独特の物語展開の連続に圧倒されました。。ほんの些細な歪みや、感情の行き違いで爆発してしまう人間の心情に、これまた複雑に「人種差別」や「社会差別」が絡んでいて本当に深く考えさせられます。これだけ複雑に物語が絡んでいると普通は混乱しやすいのだが、計算されつくした見事な構成で脚本が作られているせいか、途中で飽きる事無く最後までじっくり鑑賞できました。かなりお奨めな作品です。 【はむじん】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-08-27 00:51:26) |
8.人種差別のフルコース.日本人としての教訓:日本人以外には近づくな! 【マー君】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-08-20 15:24:17) |
7.人種差別がテーマでしたが、やはり日本人には本質的にわからないところがありますね。映画や小説でわかった気になってるところはありますが。 様々な登場人物が交錯し、またところどころに複線が張り巡らされていて、集中してみないとだめな映画ですね。工夫の凝らされた感心する脚本でしたが、今時のよくある問題作でもあり、それほど印象に残る映画ではありませんでした。 アカデミー賞はやはりスパイダーマンとかああいったアクション映画もちゃんと評価して、ノミネートすべきかもと思いました。 【りょう】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-07-30 23:29:10) |
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6.まぁまぁの出来かな。登場人物の設定が実に奥深いし、それぞれの人物が絡み合っていく様子もそこそこの出来。しかし何か物足りない。8点出すには何かもの足りない。微妙に消化不良なのかな?山場がどこなのかはっきりしなかったからなのかな?こういった群像劇で必要とされるのは全ての登場人物の心情が同時にピークに達する独特の高揚感だと考える僕にはその辺が少し巧くいってなかったような気がします。とはいうものの、いつまでも続き、終わりの見えない人種問題という社会的な問題を色濃く切り取り、そして個人のレベルにまで引き寄せた脚本は、ポールハギス自身の等身大の目線のような気がして好感が持てた。さらに、最後に降る雪は、すべての人種の人々を優しく包み込み、やがてそこに存在する様々な問題を溶解して欲しいと言うハギスの祈りを感じた。そして涙を流してしまった。 【ジャザガダ~ン】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-07-18 03:27:50) |
5.肌の色や生まれた環境によって大方の人生が決まってしまう。誰が正義の味方でもなく、誰が悪いのでもない。ただ混沌とした社会で揉まれ、ぶつかり、苦悩しながらも生きる人々。緻密な脚本と演出でそれぞれの登場人物が見事にスクリーンの向こうに生きていたと思います。ただ、群像劇とはいえ、人間関係のつながりや構成に作為を感じてしまったのと、視点があまりに俯瞰していて、映画全体を貫く背骨というか、パワーがちょっと弱かったように感じました。 【ロイ・ニアリー】さん [DVD(吹替)] 7点(2006-07-15 17:35:57) |
4.これは差別をテーマにしたエンターテイメントだ。 映像や音楽は洗練されていて、緊迫したシーンも多く 楽しめる。それに、登場人物の複雑な心情も見事に描いている。 だが、面白さを優先したためにメッセージが薄れてしまったような部分 がこの映画には多い。 確かに、バラバラだった人物関係が後半からまとまって いくのだが、表面的なイベントで繋がっていくだけであって テーマとしては繋がっていない部分が多かったような気がする。 個人的には、ハッピーなシーンでイージーにまとめるのではなく、 もっときっちりとまとめて欲しかったかな。 【Ruby】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-05-14 03:46:22) |
3.いいねー、登場人物全員が不機嫌そうで。これがアメリカの本性だ。 【mimi】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-04-26 22:59:40) (良:1票) |
2.非常に良く出来たこの映画の画像と脚本はとても暖かく、やわらかくアメリカを描く。でも、この映画に登場する人物たちは、いろいろ問題を含んだ行動や考え方を持っているのではないだろうか。人種への偏見や、ヒステリーとか、虚栄心とか。けっしてそのまま見過ごしてはいけないことのような気がする。結論としては一つ。この映画は群像劇、それもとてもよく出来た群像劇として完成度が高い。その完成度の高さのおかげで、様々な人間の織り成す世界が美しく見えてくる。でも、それはある意味で神の視点から見たときに初めて生じる美しさだ。それにごまかされてはいけない。確かに人間はたまに愚かで、たまにいとおしい。でもできるだけ愚かさを減らしていくべきだろう。確かに人間が弱い生き物だっつうのは分かる。でもゆずっちゃいかんこともあると思うのだ。この映画が評価されるなら、ただ映画としてのみ評価されてほしい。決して描かれている内実までも肯定してしまわないように。 |
1.私はこの映画を見ながらムーアの「ボウリング・フォー・コロンバイン」を連想してしまいました。人種間の不信感からくる不安、身の危険を守るためにガンを所持する、しかしガンをお互い持つことにより更に不安が増すという負のスパイラル状態、結局、思いやりも優しさも銃声一発で全てがすっ飛んでしまう・・・。銃社会というのは本当に嫌だなぁというのが一番の感想でした。ただ、一緒に観た妻は、「銃の話はメインじゃない、もっとヒューマンな部分、例えばお母さんに食料を運んだのは弟ではないのにお母さんは弟をかわいがり兄にあたる、兄さんの悲しさとか、しっかりそういうところを観なアカン」とのことでした。 【ぴよっち】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-02-26 10:10:25) (良:1票) |