5.《ネタバレ》 三部作最後は女性と言うことで、此れまでの暴力ではない精神的な恐ろしさが出ていた。イ・ヨンエのきつく無い顔立ちは日本人にも好まれると思う。前半の紹介を含めた時間軸の使い方、暴力シーンを含めた演出は、流石パク・チャヌク監督である。結構呆気なく復讐を果たしてしまうのかと思ったら、終盤まさか展開。やはり此れが問題である。本来、最後の家族会議だけで1本別の映画が創れてしまうぐらい、難しくて重い。先ず果たして親切なクムジャさんに本当にその権利があるのだろうか。親切なクムジャさんが庇ったお陰で殺人鬼が野放しだった訳である、知らなかったでは済まされない。次に、被害者家族に十字架を背負わせた事への罪。一生そのおぞましい記憶は残るし、自殺者が出るかもしれない。親切なクムジャさんに全く葛藤とか後悔が見えないのも現実離れしている。すべてにおいて悪いのは警察だが。 【まさサイトー】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-01-07 01:13:06) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 自分は復讐そのものを否定する気はありません。人間が持つ、至極当然の感情だと思います。しかし“復讐しても死んだ人間は生き返らない”“虚しいだけだ”という声もあります。この意見も正しいと思う。いずれにしても“人間だから”どうすべきか悩むのです。本作の重要ポイントは、主人公が遺族を復讐に巻き込んだこと。いや正確にいうなら、遺族を巻き込む際に、主人公が“悩まなかった”ことです。普通は悩むはず。遺族にとって良いことなのか?知らずにいた方が幸せではないか?そういうことを考えるのが人間です。しかし彼女がそのことで、悩んだようには見えません。これはどういうことか。彼女は、自分の指を切って詫びるほど、他人の痛みを感じることが出来る人間です。遺族を巻き込むことに、ためらいが無いはずがない。彼女が“悩まない”のは、“人間であることを止めたから”だと思いました。遺族にしてもそう。いつもと変わらぬ(ように見える)振る舞い、事務的に制裁を加える姿が、とても恐ろしいと感じました。一線を越えたのだと思います。人間であることを放棄しなければ復讐は出来ない。一方、復讐をするのは人間であるがゆえ。哀しい矛盾がそこにあります。復讐の先にあったのは、“やすらぎ”か“苦しみ”か。いずれにしても、残された者はこれからも生きて行かなくてはなりません。本作のスタンスはニュートラルです。復讐を肯定しているとも、否定しているともとれます。この姿勢は良いと感じました。惜しむらくは、展開がやや平坦であったこと。物語的な面白さに欠けたことです。こと作品の求心力という点においては、前作『オールドボーイ』に及ばないと感じました。 【目隠シスト】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2006-12-11 18:24:02) (良:1票) |
3.ジャケットのクムジャしぃは中島みゆきさんですよね(違う。笑)。 一生かかっても罪や汚れを白紙(ホワイト)になんて戻せない母親、ブラックやねー。 私だったら、たとえ娘が誰の子であろうとまず通報しますが、、それでは映画になりません(笑)。「女」のずっこくていやらしくて恥ずかしい心理をよくぞ見せてくれたなあ、という感じです。先月5/8(6/19再)スタジオパーク生出演のイ・ヨンエしぃは35歳うそーー!と信じられないほどの可愛らしさ(瞳がキラキラまん丸)。世の中不公平すぎ(女は損や。笑)。受け答えもわかりやすく優しく感じ良く、自分が男だったら萌え死ぬところでした(女でよかった。笑)。ヨンエしぃは「俳優にはイメージだけでなくてチャレンジが必要。チャングムの私だけではなくて、チャレンジしたクムジャを見てほしい」とおっしゃってました。私も冷酷で哀しいクムジャの方がずっと好き。春の日>クムジャ>ラストプレ>(よう知らないけどTVのメロドラマ)>(チャングム)>JSA(←これ他の人でも充分ちゃいますか。笑)という順です。そしてそしてヨンエしぃ以上に素晴らしきは、敵役のチェ・ミンシク。何を演じてもいっつも言うことナシ、と思いませーん?「うまいけどいつも同んなじで飽きる」感じを受けてしまう邦画の男優さんたち(名前出してすんません。K市さんやS田さんY所さん)とは何が違うのか、、誰か教えて(^_^)v。
【かーすけ】さん [DVD(字幕)] 6点(2006-06-19 16:48:30) (笑:1票) |
2.《ネタバレ》 「オールド・ボーイ」をカンヌで絶賛したタランティーノ監督に対し、パク・チャヌク監督が「キル・ビル」の返歌として送ったような映画。白と黒と赤で作られた世界の中で、天使のような優しさと悪魔的な残忍さを十二分に見せ付けるクムジャさん、様々なシーンで見せる彼女の複雑に感情の入り混じった涙と表情がスゴイです。コミカルさやブラックな笑いを練りこみ、法の裁きか?己の法か?クムジャさんが先生となりぺク先生を生徒の親たちにによって教室で裁くなんてのは最高にブラック。ただ今までの二作品に比べ胸につかえた澱がとれるような爽快感はない。多くの人間によって罪人を裁く事が一人の罪が薄くなる訳でもなく、復讐を成し遂げたところで彼女は他の親と違い、生きている子供の存在が母として罪に苦悩させ、魂の浄化を求めさせる。韓流、チャングム効果でしょうか、中年女性が大勢観にきていたが、皆一様に沈鬱な表情をしていた。母であろう彼女達にはこの映画は私以上に重いことでしょう。 【亜流派 十五郎】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-12-02 11:36:55) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 「復讐者に憐れみを」「オールドボーイ」両作ともに凄まじいパワーを感じ、この監督はかなりの切れモノだと思っていた。したがって、復讐モノ三部作の完結になると言われている本作にも期待せずにはいられなかった。 しかし、深く考える人の中には入りこめる人もいるだろうが、個人的には、全く入りこめない、全く面白くないの二言に尽きる。 イヨンエという女優は全く知らないのだが、役柄上からだろうか、あまり内面の苦しみや怒りなどが伝わらず、彼女の感情を上手く把握できなかった。復讐という血なまぐさいテーマにはあまりあっていない女優のようにも感じる。 ストーリーについては、大して深く描かれていない人脈を武器にさくさくと復讐に向けた動きが進むだけで、ほとんど捻りがなく、復讐に向けた抵抗勢力が二人組の男くらいだけで山が極めて少なく低いのが問題。 また、復讐をするか否かという葛藤もなさそうなので同情や共感もしずらい。子どもがいるのに「復讐=人生を再度棒に振る=子どもとはもう会えない」という発想がないのもちょっとおかしい。クムジャの頭の中には「復讐>娘」という関係があるように思われるので共感しにくい(復讐が終わってようやく娘と向き合えるというのも分かるが)。老いた警官も葛藤を与える役柄にしても良かっただろうに。 女性復讐者であることの最大限の利得である母性もこれまた上手く感じることができなかったのが残念だ。韓国語が分からない女の子という設定が、「通訳」を効果的に演出できるというメリットはあるものの、コミュニケーションが上手く取れないという欠点にも繋がったように感じる。なぜか彼女の「I’m sorry」や白いケーキが胸に響かなかった。 そもそも、子どもを殺された家族の苦しみと(子どもとともに過ごす)時間を失ったに過ぎないクムジャを同列に描くことはちょっと違うのではないか。犯人は子どもを嫌いと言いながらクムジャの娘を解放しているのにもやや矛盾を感じる。どうせならクムジャの娘は双子という設定にして片方が誘拐され殺されたとしたならばまだ分かるのだが。 【六本木ソルジャー】さん [映画館(字幕)] 3点(2005-11-13 23:08:36) (良:1票) |