8.《ネタバレ》 <原作・オリジナル版未見。今作のみの評価>
こりゃヒドい。内容はまさに「ドラゴンヘッド」+「アルマゲドン」。オリジナル未見なので先入観を持たずに見たつもりだが、それ以前の問題。とにかく人間描写から演出全般、登場人物のエピソード、セリフ回しに至るまで、全てが陳腐でセンスが無い。「ヒナを助けようとしてあなたまで落ちちゃって」とか、「命より大事なものがあるの。人を好きだっていう気持ち」とか、「オモチャを取り上げられた子供みたいね」とか、「溶岩でもんじゃを焼いて食っちまえばいいんだよ」とか、「君に会えて良かった」とか、どうしようもないセリフのオンパレード。
感動演出も露骨で押し付けがましい。自分の弱さを吐露する玲子の口をキスで塞いだり(このシーンはマジで寒気が走った)、死ぬ決意を持って別れたのに、ヘリに乗り込むところでまた玲子と会わせてダラダラと抱擁シーンを見せつけたりと、今どき少女漫画でもやらないような寒々しい三文メロドラマにウンザリ。クドくなってるだけだって、何で分かんないの?監督さん。「草彅と柴咲のラブシーンを増やしましょうよ!」っていう芸能事務所からの圧力?感動させたいなら、ヘリのシーンは間に合っちゃダメだし、間に合わせたいなら前日のテントでのシーンは不必要。
まあ、無関係な美咲を助けて自分の着ていたジャケットをかけてあげるという押し付けがましく記号的な偽善的導入シーンから、その後、惹かれ合う理由も無いのに恋愛ドラマが展開されるシーンに至るまで、だいたい予想はついたが、ここまで演出全般にセンスが無いとは思わなかった。
草彅剛を始め、メイン登場人物の演技もヒドいけど、これに監督の演技指導やセリフの陳腐さが拍車を掛けている(豊川悦司がパソコンのモニターを「ふざけんな~!」と殴るシーンには大爆笑)。
おまけに日本は沈没しないというオチ。リメイクに当たって解釈を変えるのは良いとしても、コレはどう見ても、製作サイドの「アルマゲドンみたいにしたらウケるよね。大作っぽいし」というアホで自己満足的変更に過ぎないだろう。
本当は0点だけど、CGや特撮担当のガンバリに敬意を表して、せめて1点献上。 【FSS】さん [DVD(邦画)] 1点(2007-05-30 23:38:10) (良:1票) |
7.まぁ・・つよぽんや柴咲コウ辺りが出ている時点で 期待する方が無理なのであろうが、これは何とも酷い作品だ。 時系列的にも理解出来ないしディザスター的な観点から見ても 到底ありえないような描写の連続に怪獣映画並みのリアリティしか感じられない。。 【日本沈没】というタイトル自体にも既にオチがあるのだが 実写映画としてのリアリティを全面に打ち出すのであれば ある程度の科学考証的な描写も面白いのだが 後半のN2爆薬の辺りから些か荒唐無稽過ぎた。。 要は大人の鑑賞には到底堪えられない作品である事に 激しい憤りを感じつつSF小説の金字塔的原作を嬲り者にする この映画スタッフには正直嫌気がさした・・・。 ・・という訳で最大に頑張って3点献上。 【sting★IGGY】さん [DVD(字幕)] 3点(2007-04-28 22:39:02) (良:1票) |
6. 大災害が日本を襲い、多くの人が巻き込まれていく。大雪山、阿蘇山の噴火、大地震の襲来、日本は引き裂かれ、沈没していく。その天変地異の様-崩壊する建物や人間に牙をむく自然の恐怖が映像の中に見事に描かれている。それなのに、ああそれなのに、この緊張感の無さは一体何だ~!!というやるせなさが、鑑賞中津波のように何度も襲ってきた。そこで憤ってもしょうがないので、原因を考えてみたい。まず、監督が描きたいと思うモチーフに対しての踏み込みの甘さである。災害で多くの命が失われているというのに、函館の観光客、避難地で酒盛りをする人たちの描写、お約束とはいえ取って付けたような主人公とヒロインのシーン、そして掘削船や自衛隊のメカ登場や活躍など。一体、樋口監督は何をメインテーマに据え、観客に訴えたいのか?エンターテイメント作品とはいえそこがはっきりしないので、見ていてスッキリしない。恐らくこれは、主軸となるべきキャラクターを乱立させすぎてしまったためだろう。これに比べ前回鑑賞した73年版は、CG映像ではなく特撮主体のため、映像は稚拙であったかも知れないが、人間関係や緊張感、逃げようのない運命に対して人はどう対峙するか、国土が無くなっても日本人としていられるのか、といった哲学観のようなものが良く現れており(今回の作品にも同様の思想-多分小松左京氏の-がわずかに登場するが、インパクトは弱い)、筋が通っていたと感じた。 1973年から2006年の33年間に沈没したのは日本列島ではなく、壮大なテーマを前にして監督や製作者が抱いた思考と、表現力ではないかと感じた135分である。石坂浩二や大地真央など、ベテラン俳優の良い演技がせめてもの救いであった。 【ジンギスカンマン】さん [DVD(邦画)] 2点(2007-02-19 23:10:09) (良:1票) |
5.オリジナルが公開された当時と大きく世界が変貌を遂げた現在、刻々と加速する社会情勢に我々は否応なく向き合わなければならない今だからこそ、この再映画化の意義はあると思う。物語の骨格は基本的に同じだが、主人公の男女のラブロマンスを中心に据え物語を肉付けしていく事で、ドラマに一段と厚みと膨らみをもたらせている。その事は作品世界の描出力に実感が乏しく、所詮ホラ話の域から脱していなかった前作と大きく違う点で、テーマが自然な形でより鮮明に浮かび上がる密度の濃い脚本はリメイク最大の成果だと言える。前作では到底表現できなかった視覚効果もCG技術の進歩で大部分が可能となり、その出来映えはハリウッド大作と遜色ないほどだ。特徴的なのは、絵葉書等で見慣れている日本の代表的な景観が次々とその姿を変貌させていくショットだろう。その効果はミニチュアの建造物が崩壊していく事以上にインパクトがあり、実感を齎せている。未曾有の大災害という意味でハリウッドが9.11ならば、我国では1.17を作品に色濃く投影させているのは至極当然であるが、破壊スペクタクルとしての映像表現が抑え気味なのは、一説によると震災被害者に配慮したものらしいが、むしろそれが映画全体のバランスを保つ事となり、結果的には功を奏したのだと言える。自己犠牲という地球規模の解決方法を採用する事で、パターン化されたハリウッド大作の名残のような味わいのする作品だが、そこに至るまでの伏線の張り方や主人公たちの様々な想いが納得する形で描かれている為、決して唐突で場当たり的な印象はしない。パターンを踏襲する以上は、そのあたりをきっちりとわきまえると言う事が基本姿勢にあるからなのだろう。ラブロマンスがベタベタとしたものにならないのも主人公二人のキャラがそうさせているのだろう。中でも柴咲コウはこういった活動的で男勝りの役柄が似合う女優で、男たちの世界で一段と光彩を放つという、まさに適役であり、どこまでも冷静なイメージの草彅クンとのコンビネーションは快調そのものだ。夕暮れ時、二階の物干し場で語合う二人の姿に、私などは名作「世界大戦争」での市井の人々の終末観を思わずダブらせてしまったが、平穏な日々が戻ってきた事を、ツバメの巣で象徴的に表現するなど、本作はハリウッドのスタイルに拘りを見せながらも、どこまでも純粋な日本映画なのである。 【ドラえもん】さん [映画館(邦画)] 8点(2006-10-15 18:00:29) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 沈没してないじゃん… 【栗頭豆蔵】さん [映画館(字幕)] 2点(2006-09-11 19:13:47) (笑:1票) |
3.「日本の超大作映画」というだけで、「駄作」とほとんど決めつけても決して行き過ぎではない「確率」というものは確かにある。が、しかし!この映画は、多くのそういう映画とは一線を画す見事なスペクタクル映画だったと思う。 オリジナル作品も数年前に観ていたが、明らかにそれを超える出来栄えだった。リメイク作品としては非常に珍しい。 この映画は迫力のVFXが最大の売りである少し古風な言い方をすれば「特撮映画」である。実際ストーリーなど二の次でも構わない(いや別にストーリーも悪くはなかったが)。 崩壊していく日本列島を描き出した「特撮」に確固たる感情の揺れを覚え、涙が溢れた。それだけで、この映画の価値は高い。 日本映画の「特撮」はようやく「感動」を紡ぎ出せるレベルに達した。いや“戻った”と言うべきか。 【鉄腕麗人】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-08-01 22:29:47) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 大して面白くもないのにSM○Pの稲○が「MI:3」よりも面白いなどと公共の電波で宣っていたので観に行ってしまいましたよ。いくら身内びいきでもそりゃないでしょう。しかし、何ですかね、この不謹慎なタイトルは。ハリウッド映画なら、どんなに荒唐無稽なストーリーでもエンタテインメント作品に仕上げてしまうのに、この映画は単に荒唐無稽なだけで、全然楽しくないんですけど。主演の二人の演技もなんだかなあって感じなので1点でお願いします。 某国でも公開され、大人気だとか。ついでに「日本崩壊」や「日本滅亡」もつくって荒稼ぎしようとかいう魂胆はないでしょうね? 【稲葉】さん [映画館(邦画)] 1点(2006-07-18 22:44:39) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 残念ながら一言で言うと迫力がないんです。もちろん特撮なんかは前作とは比較にならないくらい素晴らしい出来なんですが、見ていてまったく怖さを感じられない。描写される場面の多くが、「地震が起きたその後」あるいは「避難した後の人気のない廃墟」ばかりで、何気ない日常生活が突然根底から覆されるという地震の持つ恐ろしさをまったく描いていないからではないかと。この辺りは「今更被災シーンを描写しても仕方ない」ということで意図的にそうしたらしいですが、狙いすぎてかえってコケてしまった感じ。廃墟となったビルが倒壊しても、津波を遠景で見せても、リアリティがないというか、怖さを感じない。むしろ、小さな地震なんだが居酒屋で手元のコップがカタカタ揺れ始めるシーンの方が恐ろしさを感じます。キャスティングでは、大地真央にあの役をやらせたのは如何なものかと。女がでしゃばり過ぎなんて言ったらいけませんが、いかんせん重みがなさすぎ。あとは延々と避難民が逃げていくのと、主演二人のラブシーンをダラダラ見せられて後半すっかりだらけてしまいました。前作で感じられた「沈んでいく日本への哀悼」というものが殆ど感じられず、個人レベルの描写に終始していたのも、監督コメントによると狙ってそうしたらしいんですが、その割に登場人物に感情移入できないもんだからすっかりはずしている印象。そんな中、唯一、山本首相の「何もせんほうがいい」にはほろりと来ましたよ。あと、説明のテロップ出しすぎ。これも狙って・・・以下同文。 【ひかり109号】さん [映画館(邦画)] 4点(2006-07-15 16:18:33) (良:1票) |