6.脚本がとっても面白い!時間軸をずらした巧妙な構成で、最後まで飽きずに楽しめました。でも、その一方で何かこう今ひとつガシッと来るものが無いのも確か。テンポが若干遅いのと伝えたいテーマが散漫なところがアレなのかな。新しい監督さんらしいので、これからが楽しみです。 それにしても、邦画はこういう小規模な映画だと面白いのができるのに、ちょっと大作になるともう手に負えない感じになっちゃうのはなぜなんだろう?製作費の問題なのか監督の技量の問題なのか。小粒でピリッとした映画もいいけど、日本発のパワフルな大作もいつか見てみたいなあ。 【枕流】さん [DVD(邦画)] 7点(2007-10-31 00:23:56) (良:2票) |
5.《ネタバレ》 キャスト・監督含め予備知識ゼロで鑑賞しましたが、同一場面を複数なぞる展開で非常に面白い映画だったと思います。そのときスポットが当たっている人物以外は最初は未知の存在として描かれるのですが、どれも面白くややこしい事情を抱えていて、喜劇として楽しめることに加えて、えてして人間ってこういうものだよなーと納得させられる部分もあったのがよかったです。
ちょっと記憶は遠くておぼろげですが、この内田監督の作品としては鍵泥棒もアフタースクールもここまでいい印象がないので、この作品はキャリアのかなり初期のものなのでしょうけど、ベストに近い作品な気がしました(これをきっかけにほかの作品も観直してみようかなとも思いました)。
低予算だったのだと思いますが、映像の仕上がり具合やキャストの演技レベルなど、まあハンデを負いながら作っているのだろうなと思いましたが、コミカルな映画であればそこはクリアできるんだなとも思いました。
映画の作り方として面白いし、楽しめる部分もありましたが心を動かされる部分はそこまででもないので、7点評価とします。 【たあたん】さん [インターネット(邦画)] 7点(2022-08-21 16:53:48) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 「アフタースクール」がよかったので、いつか見たいと思っていていたのだけれど、やっと見られた。予備知識ゼロ。冒頭の失恋した者どうしのちょっとダルい出会いエピソードから、探偵視点の第2幕に入って途端に転がり始める展開は本当にお見事。まさか、あのオープニングで最後に現代ヤクザの悲哀の物語になるとは思ってもみなかった。この方の映画の凄いなあと思うのは、これみよがしではない絶妙な伏線の張りめぐらせ方。たとえば、宮田くんのガッツポーズ脇を通り過ぎるクラウン。意識するほど見たわけじゃないけど、どこか意識下に残ってて、それで後半のヤグザ視点になった瞬間に急に意識上に現れて、あーっそうだったってなる。別に前半を1シーンも見逃さないぞという意気込みで見る必要は全くない。フツーに物語を楽しんでいても、意識しないうちにどこかで引っかかってる程度の絶妙さ。そんなシーンが2幕から3幕にかけて続けて登場するのが気持ちいい。登場人物に感情移入したり、エモーショナルに盛り上がるタイプの映画ではなく、キャストが弱い分脚本の技巧的な部分ばかりが目立ってしまうのが少し気になるけど(その点では「アフタースクール」のほうが好きかな)、限られた予算とキャストでこれだけやれたら十分。楽しませていただきました。 【ころりさん】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2016-12-26 10:44:06) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 序盤は普通にラブロマンスが展開するのかと思いきや、そうではなく一つの出来事をさまざまな視点から語ることによってその裏には実はとんでもないことが隠されているという展開になっているのは意表をついている。下手をすれば複雑になりがちなストーリーを実にテンポよく快活に描いていて、最後まで飽きさせない脚本の構成力がまず素晴らしいし、それに低予算でネームバリューのある俳優が出ていなくても脚本が面白ければ面白い映画は作れるという見本のような映画になっていることも好感が持てて良く、これが初の劇場公開作という内田けんじ監督の才能の高さをじゅうぶんに感じられる映画だ。主人公を演じる中村靖日は「ウルトラマンギンガS」のゲスト出演で冴えないサラリーマンを演じていたのが印象に残っている程度なのだが、本作でもサラリーマンを演じていて、こういう普通の役どころがハマる俳優なのだろう。そのとぼけた演技も良い。彼がレストランで知り合った女と別れるときに携帯の番号を聞き出そうと走り出すシーンは自分に重なるところがあり、思わず感情移入してしまった。聞き出した番号が偽物だったにもかかわらず、書き間違いだと言って電話をかけ続ける姿がなんだか切なかった。その女が部屋にあったヤクザの金をくすねる展開は意外。じゅうぶん面白い映画なのだが、唯一、ラストがあまりスッキリしていないのはちょっと残念だった。でも、内田監督の映画には今後も期待したい。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 7点(2015-01-29 17:58:44) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 最初の30分は退屈でした。役者も微妙。演技も微妙。ストーリーも微妙。ところが探偵の物語が始まってからは急転直下。退屈な30分は前振りで、その30分の裏で動いてた人々の姿が描かれるので、ああ、あの場面の裏ではこうなっていたのか、と見事な入れ子細工の脚本に感心してしまいました。良い脚本とセンスのある監督なら予算が少なかろうが役者が微妙だろうが良い映画は撮れるんですね。邦画はこういう小粒でピリリとした映画こそが得意分野だと感じられた映画です。 【kirie】さん [DVD(邦画)] 7点(2015-01-24 15:18:08) (良:1票) |
1.カンヌでいくつかの賞を獲ったらしい。カンヌがナンボのもんじゃい!とタカをくくっていたが、これが予想以上に面白い。計算され尽くしたコメディ、とまではいかないがそこに迫る勢いがある。人物がまるでマンガのようにデフォルメされていて、しかも有名な俳優を使っていない分、嫌味が全然なく映画に入り込めるだけでなく、時間軸をゴッチャにするというある意味で使い古された手法も本当にうまく使われている。おそらく脚本段階で相当に練られていたのだろう。いわゆる「まず話ありき」の映画。ちょっと綺麗にまとめ過ぎているからか、何か物足りなさを感じるが主人公の不可思議なガッツポーズは必見(二度目は特に!)だから、オススメの映画と断言したい。「電話番号をなめんなよ!」に身をつまされた・・・ 【Qfwfq】さん [映画館(字幕)] 7点(2005-08-17 21:37:17) (良:1票) |