《改行表示》 10.《ネタバレ》 とことん不器用で呑気でいいやつなサラリーマン宮田くんの周囲で、“実は”巻き起こっていたある一夜の騒動を巧みな構成で描く“タイム・スパイラル・コメディ”。 むむむ、巧い!ずばり、見事! と、絡み合ったストーリーのパズルが次々に解かれていく様を目の当たりにして、自らの感情を口走ってしまった。こういう「巧い映画」を観ると、よくそういう風になる。 時間軸を巧みにずらして、効果的にストーリーの全貌を見せていくというアイデアを礎にした映画は、「パルプ・フィクション」以降各国で作られているが、ついに日本でも本家に勝るとも劣らない(とは言い過ぎかもしれないが)傑作が誕生した。と、思う。 ストーリーの軸に「大金」が存在するというのは、このタイプの映画の“定石”とも言える要素で、今作においてもその要素は存在するのだが、この映画が素晴らしいのは、最終的に登場人物たちが得るものが「金」ではないということだ。 そして、主人公は、端から終わりまで「大金」の存在すら知らないままであるということ。 それはすなわち、この映画の描く主題が、他国の娯楽映画のように“一獲千金”的なことではなく、呑気な主人公を軸とする“人と人との繋がり”であり、詰まるところ“人の感情”ということを意味する。 そのことが、この手のアイデアによる他の映画とは一線を画すような、今作ならではの“なんだか温かい”余韻を生み出していると思う。 娯楽性と同時に、人の感情を“さりげなく”描き出す素晴らしい映画だと思う。 【鉄腕麗人】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-09-15 16:22:11) (良:4票) |
9.《ネタバレ》 これはとてもセンスの良い作品です。時系列の切り取り方も巧い。前知識がなければ少し引っ掛かりや違和感、疑問に感じさせる部分を、細かい伏線として時間ごとに氷解させていってラストに向けて全容を把握できるすっきり感。セットも設定自体も移動も少ないし小物や色合いも特徴づけているのであまり深く考えなくてもすぐ作品の基本構成や時系列が頭に入る。冒頭の捨てシーンかなと思った部屋貸しシーンもオーラスでの時間の表現に使っていてうなった。善意と同情に満ちた感情移入できる主人公3人、せつなさコミカルさ満載のやくざ、全部巻き上げられてしまった女詐欺師。こっちもすっきり感。ありもしない札束に中村靖日以外全員が右往左往。当の主人公中村本人は大金には蚊帳の外で恋愛問題にかかりっきり。優秀なコントシナリオだなあ。うーん、感心した。脚本に力量を感じた。伏線含めてもう一回見直したくなるのはメメント並み。レストランでの探偵の恋愛説教にはズシーンと身にしみた。中村靖日の普通ぽさ、は素晴らしいの一言。中村靖日相手のヒロイン役に役名桑田真紀っていう元巨人桑田真澄氏の嫁の名前を使ったことの確信犯ぶりにニヤリ。これは秀作。 【タッチッチ】さん [DVD(邦画)] 9点(2016-09-01 16:38:46) (良:2票) |
《改行表示》 8.《ネタバレ》 面白い!最近のベストワン。絶対にもう一度観たくなる。脚本が素晴らしい上に、全ての役者がぴたりとはまっている。特に宮田役の中村なくしてこの傑作は無かったかもしれない。霧島れいかのせつない感も好きだし、浅井組長がまたとてもいい感じを醸し出している。CGだらけの大宣伝映画では、味わえない快感だった。 【ブタノケ2】さん [DVD(邦画)] 9点(2009-03-22 03:05:27) (良:2票) |
7.《ネタバレ》 「アフタースクール」を観て、監督の内田けんじを知り、本作を観ることに..めちゃめちゃ面白かったです!! いや~ “ツボ” でしたね~ 後半は、至る所でクスクスと..笑いをこらえるのが大変..(色んな独り言もつぶやいてました..汗) はっきり言って98分ではもの足りなかったです~ もっと、もっと、続きを観ていたかった~..こんな脚本が書けるなんて、内田けんじ!ただ者じゃ~ない!すばらしい!ほんと、才能を感じます~ 評価としては、限りなく10点に近い 9点です!(ほぼ完璧!) ちょっとキビシイけど、最後、宮田と神田がゆっくり朝飯を食ってるシーン..そこまでに至る“説得力”のある説明シーンが無かった..それがあれば 10点満点 です! う~ん惜しい... 【コナンが一番】さん [DVD(邦画)] 9点(2008-12-24 12:52:03) (良:2票) |
《改行表示》 6.《ネタバレ》 最初はこの手の邦画によくある、ひとりよがりの暗いグダグダ・ウジウジ映画かと思っていたら・・・ 中盤から急展開。素晴らしいです。 皆さんが書いてるように脚本と演出の勝利。 もう一つ付け加えるとすると、登場人物がみんな憎めないやつばかり。 私は特にヤクザの組長のキャラにはまりました。 組長役の山下規介さん。おそろしいくらいの演技力です。 もっともっと注目されてもいい人だと思います。 人に見ろ~~!と薦めたくなる映画!邦画もまだまだ捨てたもんじゃない。 【うさぎ】さん [DVD(邦画)] 9点(2008-06-13 10:56:27) (良:2票) |
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5.《ネタバレ》 宮田クンと真紀ちゃんの馴れ初めシーンがございます。 宮田クン「 家はどちらなんですか 」 真紀ちゃん『 家は‥‥ ないんです 』 ‥‥‥ 真紀ちゃん『 私に興味は ないんでしょうか 』 宮田クン「 興味は‥ あります よ。」 って宮田クン。 ここんところが大好きなんです。まるでチグハグなこの会話が微妙に成り立ってるんですが、このシーン大好きなんです。正直、タイムスパイラルがどうのこうのというよりも 恋愛妄想擬似体験感覚に陥ってしまうんです このシーン。淋しげで鬱な表情の霧島れいかにちょっと胸キュンでした。そのことカミングアウトいたします。 【3737】さん [DVD(邦画)] 9点(2010-01-01 23:33:56) (良:1票) |
《改行表示》 4.《ネタバレ》 多人数主役のストーリーが巧みに絡みまくるオムニバス的なラブクライムコメディムービー。特に有名なキャストもいない新鋭の監督作品ですが、すべてのキャストに文句のつけようもない味があり、テンポやたら良くて、脚本も良い。あっという間に終わりすぎて、しかも完結してないので、終わってしまうのが惜しいと感じました。いいセリフ、場面もあるし、笑えるところも多いのでまた見たくなる、心に残る一本。『電話番号をなめんなよ』、これにつきます。 追記(09/02/10):しょうがないのかもしれないんだけど、2回目見たら、案外興奮できませんでした。10点つけるのは何度見ても夢中になってしまう映画だけとしてるので、断腸の思いで-1点。 【すべから】さん [DVD(邦画)] 9点(2008-01-23 14:58:53) (良:1票) |
《改行表示》 3.携帯電話では相手がどこから掛けているのかわからない、というのがこの話の原点となる発想だったらしい。アイデアを最大限に活用した傑作ですね。 前作も面白かったですし、こういった才能ある人がうかばれないと悲しくて仕方ありません。くだらない商業映画に取り込まれて潰されてしまうパターンもよくあるので用心してもらいたいです。 【カラバ侯爵】さん [DVD(邦画)] 9点(2007-02-26 13:09:31) (良:1票) |
2.もうほんとに痛快でした。日本映画も捨てたもんじゃないぞ!こういう脚本・監督がでてくるんだからまだまだやれるんじゃないでしょうか? 最近ではむしろメジャーな映画にがっかりさせられることの方が多いような気がする。。。端役のキャラクターなど隅々まで気持ちが行き届いた作品。ラストがよくって久々に観てよかった~と心から思いました。監督・スタッフ・出演者の方々、すべてに感謝! 【はちかつぎひめ】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2006-08-28 16:28:04) (良:1票) |
1.上手いね、おもろいわ~。脚本勝負の映画が好きだからハマちゃいます。男って人には神田のようにズバッと言えるんだろうけど、実は宮田くんのように引きずっちゃうんだよね。マキちゃんの事何も知らないくせに好きになっちゃう、でもってマキちゃんが宮田くんにいうセリフも効くんだよなあ。この映画の肝となる宮田くんのマクラの振り方が抜群なので、ラストのサゲが決まってますね。本当は巻き戻しが無い方がバシッと決まって好きだけど、それじゃ宮田くんがあんまりだしなあ。マキちゃんはホントは運命の人なのか?やっぱり運命の人じゃないのか?それを知りたいような知りたくないような実に尾を引きます。さあ、今から2回目観ようっと! 【亜流派 十五郎】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-01-29 21:08:49) (良:1票) |