《改行表示》 9.《ネタバレ》 原作を読んだ直後に映画を見てみた。原作と最も違う点は、事故が起きるのが藻奈子が高校生の時点である事。 原作では事故が小学生で起こり、高校生で終盤を迎える。その為、原作では緻密に描かれていた藻奈子の精神的な 変化が映画だと変化したのは父親側のみと捉えられる、その急激な変化を補う為か、若干ギャグテイストが多く 徐々に移り変わる物語の質を体感できなかった。ラストにしても秘密をバラしてしまうと、直子が平介を裏切ったと 感じてしまう、原作のラストのあいまいさはどうなんだろう?と思ったが、映画をみて原作が正解だと気付く。 小説の映画化の場合、小説を超える事は2時間という制限的に無理だと思う。その為、映画は映画として割り切って 原作をモチーフにした別の映画と解釈して作られる方が、原作者としても映画製作者としても幸せなんじゃ ないだろうか?と思った。 【六爺】さん [DVD(字幕)] 5点(2006-12-16 23:24:36) (良:3票) |
《改行表示》 8.《ネタバレ》 入れ替わり系で言うと大林監督の『転校生』が有名ですが、あれよりよっぽど酷なシチュエーションですね。 片方死んじゃってますから。 まず肉体的に妻を失い、時間差で魂まで失ってしまう(妻の苦渋の決断ですが)主人公の悲しみはいかばかりか。 娘は肉体的には生きてますが、その魂はなく、妻と入れ替わりで帰ってはくるものの(これも前述通り妻の苦渋の決断)、それは主人公から旅立つ為であり、ある意味娘と妻の両方をいっぺんに失うような喪失感です。 ホントに残酷な映画ですね。 こう書くと救いのないハナシな気もしますが、夫婦生活のコミカルな部分やちょいと夜の部分(ここの広末さんはキレイでしたね)、なにより家族の再生に向けて泥臭くも真摯に歩んでいこうとする姿が潔くも切なかったです。 【ろにまさ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-04-10 08:58:18) (良:1票) |
7.《ネタバレ》 心の中は他者からは見えず、そこは基本的に秘密の世界です。ティーンの肉体に40歳の心が宿ったことを世間に隠すときも、見えない心を秘密にします。しかし、世間を欺くために共犯だった夫婦にも、見えない心は秘密の領域として疑心の対象となる。直子が旦那にセックスしようと言ったのは、疑心を取り除くための最終手段だったけど、一線は越えられなかった。その時、直子には藻奈美になりきる選択肢しか残されていなかったのだと思う。この追い込み方は東野圭吾らしく良く練られています。原作は、藻奈美の中身は直子のままなのではないかという疑惑を残して終わりますが、本作はそれを認めてしまった。物語の設定自体を「秘密」としてタイトルに重ねた原作は深い余韻を残したので、本作のアレンジには首を傾げます。あれでは直子がスッキリしたかっただけですね。そんな心理劇とは別に、本作は直子が藻奈美として活動領域を拡げて行く一方で、盗聴を企てることしかできない親父の鬱屈が響きました。若者の生活時間の流れに取り残された親父の焦りが、嫉妬として現れていたように思います。それは世界が広がって行く年代が限られていることの証しのようでもあり、中年親父に哀愁を覚えたのでした。 【アンドレ・タカシ】さん [DVD(邦画)] 6点(2011-03-09 22:14:09) (良:1票) |
6.娘・藻奈美の人格が戻ってくる可能性もあるのに、この母親は自分の娘の体を使って一体何をしようとしてるんだ…。藻奈美の人格が戻った後、自分が知らない間に実の父に抱かれていた、なんて知ったらどれほどショックを受けるだろうか? 迷う親父もどうかと思うけど…。他は面白かったり、切なかったりで、だいたい良かったと思うが、前述の点は受け入れられない。 【リーム555】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2011-02-04 23:05:48) (良:1票) |
5.恋愛感情をより明瞭に、恋愛ドラマをより大袈裟に描くために特殊な環境が用意される東野圭吾作品の定番的物語構成をうまく引き継いで語っていると思う。映画を見たのも原作を読んだのもずいぶん前なので両者が頭ん中でこんがらがっちゃってる部分もあるんですが、原作で一番ショックだったのが、娘が年頃になると父親を毛嫌いするのはそれまでの父と娘の関係とは全く関係なく訪れる本能的なものだという部分。私もそのうち娘から理由無く毛嫌いされちゃうのかと思うとなんともせつなくて・・。映画は父の執拗な拘束が鬱陶しいってだけで、そこんとこ、あんまり切り込んでなかったような。より感情の抑揚の部分に重きを置いてわかりやすい展開にしているようです。コミカルさを加味した作りと型どおりの人物描写が良くも悪くも滝田監督らしい。説明的なのもまた然り。最後の岸本加世子の顔はいかんだろ。あそこだけで2点減点。 【R&A】さん [DVD(邦画)] 3点(2010-05-26 14:19:13) (良:1票) |
《改行表示》 4.ものすごく、やるせない気持ちになりました。 もどかしいです、もどかしすぎてこの気持ちをどうしたらいいのかわかりません。 あんなことになったら、私は生きていけないだろうな、辛すぎるんだよね。 ぐっと心を締め付けられちゃいました。 【杉下右京】さん [地上波(邦画)] 7点(2009-03-02 09:54:29) (良:1票) |
《改行表示》 3.《ネタバレ》 小説を読んだ時はえらく衝撃を受けて重苦しさを何日か引きずった記憶がある。その時とまではいかないが映画を見た後もそういう気分になった。平ちゃんの嫉妬心、やりきれなさ。自分を捨てて藻奈美として生きなければならない直子の心情、二人にとって秘密の意味。色々考えるとどうしても手詰まりになり、自分の胸の奥に重い石が生まれてしまう。映像としては入れ替わりというSF要素や、広末の二役といったところに注目がいくが、この話はそれだけではなく、直子の心情を想像する事が最も重要だと自分は考えている。そういう面で言えば想像力をかきたてる小説こそこの話に相応しい。映画は失敗だとは言わないが、映像だけではこの話の本当の姿は見えない。 【オニール大佐】さん [DVD(邦画)] 5点(2009-03-01 18:11:14) (良:1票) |
2.最後の落ちが気も地悪い 【Sleepingビリ-】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2005-07-17 19:57:37) (笑:1票) |
《改行表示》 1.期待はしてなかったけど前から気になってた作品。やっと見ました。おもろいじゃないですか~これ。ジャンル分けが難しいですけどね。ミステリーといえなくもないが、ファンタスティックなコメディとでも言うか。クスクス笑いに持っていったところがいい。原作はどうなのかな? 小林薫のような手練れの役者を起用することによって難なく作品化しているように見せながら、実は演出のおとしどころが難しい作品だったのではないかと思う。よくここまでまとめたという感じ。それと、画面の質感が実にいい。技術的なことはよくわかりませんが、マットな感じなんだけどやりすぎじゃない。細部にも色々とこだわりが感じられるんだけど、それがみんないいあんばい。もー、ほんとに、滝田監督はやっぱりこうじゃなくちゃ。「陰陽師」は合わないよ~。方向性を間違えてるよ~(本気で悲しい)。ところで「広末、ヘタ、ミスキャスト」等と発言している方々、表現キッツイ人多いですなあ。百戦錬磨の小林との比較で見たらそりゃハラハラするレベルだけど、作品の世界の中ではつりあっていたし(かなり小林のフォローも感じたけど)、随分がんばっていたではないですか。おばさんぽい表情やしぐさも、ところどころあったけれどわざとらしくなかったから、私はむしろ「けっこううまいじゃん」と思ったくらいです。演技力があまりにない人がムリをすると、途中でテンションが変わっていたたまれなくなることがあるけど、そういうことも(ほとんど)なかったし。第一、この役にうまい女優(最近の若手でしかも客の呼べるビッグネームでとなると、そんな人思い浮かばないけど)を起用したら、オカルト色が強くなりすぎて、クスッて感じには笑えなくなるのでは? 私も、ラストがちょっと惜しいと感じましたけど、そこまで十分に楽しませてもらったから、7点です。あ、だけど私は竹内まりやの曲を使うのはやめてほしかったな~。TVドラマのようになって格が落ちてしまった感じです。<2003/12/07追記:あのぅお母さん役は大竹しのぶではなく岸本加世子だったんですけど・・。そしてふと、大竹がもし若くて娘の役をやったらどんなだっただろう・・なんて思ったりして。さぞやすごかっただろうと思いますが、でもやっぱそんなオカルトチックな映画は見たくないヤ~と思ってしまいました(^_^;)> 【おばちゃん】さん 7点(2003-11-11 10:31:30) (良:1票) |