8.チャールズ・チャップリンの映画を初めて観た。 と言うと、映画ファンとしての見識を我ながら疑ってしまうが、事実なので致し方ない。 自分自身、何らかの作品は観ていた“つもり”になっていた。 が、どうやらその曖昧な記憶は、数々の映画において“引用”されるチャップリンの映像によって刷り込まれていたものらしい。 言い換えれば、それくらいチャールズ・チャップリンという映画人は、世界中の映画ファンの記憶の中に最初から埋め込まれているような存在なのだと思う。
そうなると、初めて観るチャップリン映画を何にすれば良いのか?ということを悩まざるを得なかったが、何となく感覚的にこの「モダン・タイムス」を選んだ。 常に揺れ動く社会において、「仕事」とは何なのか?「働く」とは何なのか?ということをひたすらに描いた今作は、今まさに「仕事」に対して思い悩む日々を過ごす自分にとって相応しく、運命じみたものを感じた。
資本主義社会の中で、文字通り機械的に働き続ける男の姿を発端として、世知辛い世の中を風刺した今作。 働けども働けども光明が差してこない厳しさを、チャールズ・チャップリンによって笑い飛ばすこの映画は、きっと公開以来現在に至るまで世界中の“働く人々”に様々な影響を与えてきたことだろう。
素晴らしいと思うのは、人間味が薄れた厳しい社会情勢を下敷きに物語を展開させつつも、この映画は決してそのすべてを否定しようとはしてないことだ。 主人公の言動が終始一貫表しているように、たとえ世の中がどんな状況であろうとも、それでも人は働かなければならないし、働けるということに喜びを感じなければならないということを、きちんとこの映画は伝えている。
だからこそ、主人公は常に前を向いていられるし、ヒロインが打ちひしがれるラストでも、“スマイル”を促し彼女の手を引いて進み出せるのだ。 辛い世の中だからこそ、すべてを否定するのではなく、肯定すべき部分に目を向けなければならない。 この映画が長きに渡り世界中の人々に愛されているのは、そういった“力強さ”に溢れているからだと思う。 【鉄腕麗人】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2013-02-17 01:48:23) (良:1票) |
7.チャップリン喜劇としては一番好き。 特に、最後に歌声とダンスを披露するシーンが素晴らしい!! 単純にパントマイムと歌をやらせても超一流であることを伺わせる。 明るい希望を持たせるラストシーンもとにかく最高。 チャップリンの天才ぶりと芸の細かさを堪能できる傑作。
P.S.)ヒロインの女性。とても美しくて魅力的。体は大人の色気、だけど顔は可愛らしい。瞳も魅力的。そして何より、ボロのスカートから伸びるふくらはぎが素敵! 【にじばぶ】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2008-12-28 22:04:55) (良:1票) |
6.小学生の息子と一緒に観ました。息子が腹を抱えて笑っていました。子供でも大人でも楽しめて、何回観ても飽きない。やっぱりすごい。 【la_spagna】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-05-04 15:35:13) (良:1票) |
5.チャップリンのよさが全て出た作品だったのではないだろうか。チャップリンの社会を見る洞察力、観察力に脱帽だ。そして、それらをユーモアに変えてしまうセンスも凄い。さすが、名作といわれるだけの作品である。 【思込百遍】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-11-09 12:33:32) (良:1票) |
4.ただのコメディだと思ってみていたら、すごく深かった。チャップリンの映画には映像で見ている以上に心に訴えかける何かがある。何かとハイテクとか近代化とかをもてはやしている人たちも、チャップリンの映画を見て、その「何か」を感じ取ってくれないかなぁ。 【トナカイ】さん 9点(2004-06-24 22:30:47) (良:1票) |
3.チャップリンの映画を観るのは初めて。様々な映画を観てきたが、レンタル屋では何故か避けてしまっていた。最近の映画はとても難しい。状況を理解するのに時間が必要で最初の30分はよく分からない状態で観ていることが多い(というかそうならざるを得ない映画が多い)。徐々にストーリーが分かってきて、最後に最初を振り返って「なるほど」という感じか。しかし、この作品はそのような難しさがない。シンプルで暖かい。最初からストーリーに入っていけてなおかつ単純に楽しい。なんて素晴らしい映画だろう。最近では創ることが不可能に近い映画なんでしょうね。娯楽映画の本質がここにあるような気がするのだけど。 【epitaph】さん 9点(2004-03-02 13:56:06) (良:1票) |
2.初めてチャップリンの作品を観ました。最高ですね!もっと早くレンタルしてれば良かった・・・。あまり映画を観ても笑う方ではないのですが、とにかく笑わせてもらいました。工場での作業や歯車のシーン全てが脳裏に焼きついちゃいました。私が中でも一番印象に残ったシーンはデパートの警備員をいう立場を利用して彼女を招き入れ二人で楽しでいた中でローラースケートを履いて目隠しをしチャップリンが踊り続けるシーンです。なぜか『雨に唄えば』の有名な雨の中のミュージカルシーンとかぶって観えてしまったのですが、感動しました!!正直、『雨に唄えば』より感動しましたが比較するのがおかしいですね。(笑) また彼の作品を借りてみたいと思います。 【MINI1000】さん 9点(2004-01-25 14:12:40) (良:1票) |
1. トーキーへの移行に対するチャップリンのサイレントへの拘りをぶつけた問題作。唯一「ティティナ」で歌声を聞かせる以外はパントマイムに徹して痛快。その「ティティナ」も「音が聞こえるなんて、こんな風に意味のないモノだ」と言わんばかりの歌詞の意味不明さ・無国籍ぶりは勿論確信犯。工場シーンでルネ・クレールの「自由を我等に」からの影響アリアリなのが、天才の彼にしてはチト意外なので若干マイナス。何度でも言うが、彼は単なる喜劇俳優じゃあナイからね!不世出の天才映画作家であることをキッチリ踏まえて鑑賞して欲しい。 【へちょちょ】さん 9点(2003-01-01 12:31:06) (良:1票) |