1.キッドがクリスチャンの家でみせるカードトリック、圧迫感ある空間がカード一つで開放されたこのシーン。なにげないシーンのように見えますが、ここはカードが時にはギャンブルの緊迫感を生み出し時にはゲームの愉悦感を生み出すデバイスとなることが示され、この世はまさにカードの裏表、その両義性から逃れられないことを語っているように感じるのです。それはクリスチャンが『女だけの都』のあらすじを語るように<男と女>であり、キッドとランシーの対比による<若と老>であり、ギャンブルそのものが含有する<勝と敗>であり、キッドとシューターの<純と雑>であったりするのです。勝負への純然たる執着を見せるラストシーンは、キッドとランシーこそが最高のワンペアーであることが語られているようで、そのカードを手にした観客はただひたすらコールし続けるだけなのであります。 【彦馬】さん 7点(2005-02-11 23:40:18) |