ある子供の投票された口コミです。

ある子供

[アルコドモ]
The Child
(L' Enfant)
2005年ベルギー上映時間:95分
平均点:6.35 / 10(Review 34人) (点数分布表示)
公開開始日(2005-12-10)
ドラマ犯罪ものロマンス
新規登録(2005-10-15)【rothschild】さん
タイトル情報更新(2009-03-09)【+】さん
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監督ジャン=ピエール・ダルデンヌ
リュック・ダルデンヌ
キャストジェレミー・レニエ(男優)ブリュノ
デボラ・フランソワ(女優)ソニア
ファブリツィオ・ロンジョーネ(男優)若いチンピラ
オリヴィエ・グルメ(男優)私服の刑事
脚本ジャン=ピエール・ダルデンヌ
リュック・ダルデンヌ
撮影アラン・マルクーン
製作ジャン=ピエール・ダルデンヌ
リュック・ダルデンヌ
配給ビターズ・エンド
あらすじ
定職にもつかず、盗品を売ってその日暮らしの生活に明け暮れるニートの青年ブリュノが父親になった。彼はお金に困っていたので軽い気持ちで自分の子供を売ってしまう。妻には「また次の子供をつくればいいさ」と言い訳したが、彼女はショックのあまり倒れてしまう。そのとき初めてブリュノは自分のしたことの重大さに気がつく。親になりきれない幼い若者を描いた社会色の濃いパルムドーム受賞作品。
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【口コミ・感想】

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1
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8.《ネタバレ》 台詞以外に聞こえてくる音といえば車の生々しい排気音のみであり、余計な音楽がまるでなく研ぎ澄まされている。あの突然の幕引き、そして無音のエンドロールをむかえて軽い衝撃を受けたり戸惑いを覚えた人も多いだろうが、あの終わり方だからこそ想像力が刺激されることもある。泣きながら抱き合った夫婦はその後、妻が夫に離婚届の用紙をそっと突き出したのかもしれないし、再びやり直そうと言われたのかもしれない、それは分からないが想像力だけは膨らんでいく。1つの見方としては、男のほうは散々な目にはあっているが、罪の意識や再生の決意は見られないということ。しかし少なくとも監督はこの男の生き方を全面的に否定していないのではないだろうか?やはり最後は男に希望を持たせ再生を促しているように思えてならない。「ある子供」とはブリュノのことだと思うが、子供(ブリュノ)は成長が遅くともいつかは大人になれると信じたい。このブリュノの行動をみて「親失格の駄目人間」というレッテルを貼って、理解できないよと肩をすくめてしまえば、それだけで思考はストップしてしまい、それだったらテレビのワイドショーを眺めるのとなんら変わらない。単純にいい人間と悪い人間に区別できない人間の複雑さがこの映画にはたくさん詰まっている。「子供を売る」というセンセーショナルな話題で観客をひきつけ、「親になりきれない幼い大人」という地味な現実を描く。それが監督の狙いだろう。幼い親の姿を、台詞や音楽や効果音を多用せずに、映像のみで観客に伝えようとしている。まさにそれは映画的手法であり、観る者はそのメッセージをしっかり受けとめ、自分なりの答えを見つけ出そうと必死で想像力を働かせる。「ある子供」は間違いなくダルデンヌ監督の到達点のひとつだと思う。
花守湖さん [映画館(字幕)] 10点(2006-04-22 21:35:28)(良:3票)
7.《ネタバレ》 未成年が親になる。
女なら激痛に耐えて命を分けた子を産んで母になる実感を得るが、
男は父親になる実感が湧かないだろう。
子供に慣れない、あまりに未体験なことばかりで戸惑ってしまう。
特に恵まれない家庭で育った男なら尚更だ。

生きていくためなら金欲しさに平気で子供を人身売買業者にも渡す。
ただ、事の重大さに気付いて、危うく取り返すも妻から絶縁を突き付けられる。

当然の結果である。
世間と上手く渡り合うことばかり顔色を伺い、接し方もぶつかり方も分からなかった。
その想像力の欠如した"子供"が如何にして"父"になるか。

一度は見捨てた仲間の少年のために自首し、妻が面会に来たことから本当のスタートがはじまる。
簡単に道徳心が育つような楽な道のりではないことは確かだが…。

親になることは小さな命を預ける重大な責任を背負うこと。
糾弾することは誰でもできるが、社会が放置したままでは"こども夫婦"が増えるだけだろう。
それがより感じられる映画であった。
Cinecdockeさん [DVD(字幕)] 6点(2017-06-08 19:27:03)(良:1票)
6.《ネタバレ》 物乞いに対してシカトしている人のように私はこういった人に目を背けがちで、ある意味で現実よりリアルなものを見せられた思いだ。ブリュノの自然でかつ軽薄すぎる行動の数々で抱かされた失望感が社会について考えることを要求する。ドキュメンタリーのような映画だ。
最後の無理矢理ねじ込んだ感のあるソニアの許しは貴重で救われた思いになった。これらの出来事を経たことでブリュノが大人になる道に立ったと信じたくなった。また彼らが涙を流しそこで終わるという方法をとったことで、見ている者は想像力をかき立てられ作品を豊かなものにせしめた。
さわきさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-05-29 01:40:06)(良:1票)
5.《ネタバレ》 人は成長過程でどうやって「道徳心」を持つに至るのか?
これは「道徳心の育たなかった人間は、社会で生きていけるのか」という実験的な映画に思える。
ブリュノは金髪で青い目、標準の知能と健康な体を持たされているが、これは偶然じゃないと思う。
「他人と同程度かちょっと上」くらいの条件を与えられていても、「道徳心」が欠如していた場合は人間社会で生きるに困難である、ということのためのあえての条件なのだ。
どういう理由からか、ブリュノには道徳心が育たなかった。
で、ブリュノは「他人の持つ道徳心」があまりよく理解できないので、他人が「怒ったり」「泣いたり」するタイミングが予測できない。だから、彼はしばしば「急に怒る他人」とか「急に泣く他人」とか「急に無視する他人」とかに驚かされてきた。
そして、他人の反応を「学習」して、それに対処しながら生きてきた。「嘘がバレた時は他人は怒る」「自分の物を盗まれた時は他人は怒る」「借りた金を返さなかった時は他人は怒る」とかいう具合にだ。だから、「嘘をついた相手には会わないようにするか、またはさらに嘘をつく」「盗んだ相手からはひたすら逃げる」「金を借りた相手には会わないようにする」とかいう、彼なりの対処をしてきたのだ。
けれど、「子供を取り上げて売ったら怒る」かどうかは、彼のこれまでの経験には無かった。学んでいなかったから、知らなかっただけ。
ブリュノが自首した理由は、「スクーターのガソリンがなくなって」「ごはんが食べられず」「寝るところがなく」「シャバに居れば日曜日ごとに借金取りにオカマを掘られる」のと、ムショ暮らしを天秤にかけたからである。道徳心がないかわりにケチな損得勘定ばかりが発達している彼は、「ムショ」のほうがマシだと判断した。共犯の少年のためならもっと早く自首している。
さて作り手はブリュレをムショに放り込んだところで映画を終わらせる。ブリュレも彼女も泣いている。なぜ?お互いの未熟さが情けなくて?今後はどうなるの?
私の予想はこうだ。ブリュレはひとつ学んだ。「母親から子供を取り上げて売ったら怒る」ということを。次の時は、子供がさらわれたことにしたらどうかな。いや、雑踏に連れて行ったら迷子になったっていうのはどうだろう。彼女を怒らせないために、次はうまくやらなくちゃ。
道徳心が急に育つものなら誰も苦労しないのだ。
パブロン中毒さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-06-20 15:59:59)(良:1票)
4.《ネタバレ》 折々に見せる暇つぶしの仕草、その場しのぎの金の使い方、彼女が憤るのはわかりきっていたはずなのに、いざ反対にあったらすぐに赤ん坊を連れ戻しにいく行動など、まったく先のことに考えが及ばない、子供にしか見えないブリュノ。刑務所に入っただけで更生するなどという話はまずないだろうとは思うが、いつかそうなる可能性は確かにあるはずだ。彼が出頭したのは、回収人から逃れるためかなとも思ったが、考えたらそこまで頭が回る人間じゃない。彼には悪いが(笑)。責任というものの片鱗がそこには見え始めたんじゃないか。格差が与える教育への影響は甚大なものがあるそうだ。日本でも底辺校の生徒の家庭を調べてみると、進学校及び中堅の学校と比べて圧倒的に経済的格差がある。単に学力だけでなく、問題行動を起こすなど適応能力等も実際に劣っている。そうするとその子も子供ができたとき、自分の親と同じような職業に就くしかなく、悪い環境に追いやってしまう。そう、この状況は循環するのだ。これは決して外国の話ではなく、日本の話でもあることをしっかり心に留めないといけないと思った。あの赤ん坊がそうはならないことを願うばかり。頼むよ、ブリュノ。
透き通るBlueさん [DVD(字幕)] 7点(2006-11-18 06:10:13)(良:1票)
3.『イゴールの約束』のイゴールを演じたジェレミー・レニエが立派な大人になってダルデンヌ兄弟の映画に帰ってきた。と思ったらどうしようもない青年。その場しのぎの短絡思考。困ればとりあえず妻のいるアパートへ行く。行ってどうなるわけでもないし、実際妻には会えないのだが何度も行く。要するに子供。根は悪い奴ではない。それは仲間の少年の足を必死でさする姿にも見て取れる。この映画はけして「大人になれない子供」の原因を追究してはいない。しかし孫が出来たというのに喜ばない青年の親から想像させるものは、生きるだけで精一杯の社会の底辺の実情である。ダルデンヌ兄弟は常に社会の底辺を撮る。そしてドキュメンタリー映画以上の現実の露呈を試みる。それが彼らの映画である。
R&Aさん [DVD(字幕)] 8点(2006-11-02 14:19:53)(良:1票)
2.《ネタバレ》 重い。終始、淡々としたテンポで物語が展開されていく。何か心にひっかかりつつも、そのテンポに乗ってこちらも淡々と観賞していた。が、ラスト、主人公が泣き出した所で突然、涙が出た。感情が揺さぶられた。いつのまにか、主人公たちに感情移入させられていたのである。映画の始まり方・終わり方の装飾の無さからして、「誰かの」日常の一コマを切り取ったものを見ている、という感覚を持った。演技・演出共に高レベルでないと、あそこまで自然には見えない。映画を見ている間の、違和感の無さに驚く。無駄な効果音がないため、車の音、足音等の日常に潜む音がリアルで、感情を煽られた。日常とはこうも空虚なものなのかと、一瞬悟った気にもさせられた。全く共感出来そうにもない人物に、いつのまにか感情移入出来てしまっているのは映画ならでは。社会的問題を、自分の身に引き寄せて考える事が出来る、と言う点において、映画は社会的な機能・役割を持っていると言える。そしてこの作品には、そういった役割を担うに値するメッセージが込められていると感じた。
さん [映画館(字幕)] 8点(2006-02-05 04:49:08)(良:1票)
1.《ネタバレ》 去年の「オールド・ボーイ」(近親相姦)に続いて今年は人身売買ですかあ・・・。カンヌで賞取る為には、ストーリーにこういう禁忌的要素がどうしても必要なんですかね?どうもその辺の選考基準に納得出来ない部分があるんだなあ・・・。もっと単純明快な娯楽作品が受賞してもいいと思うんだけど。でもこの作品、賛否両論かとは思うけど巧く出来た問題提起作だと思います。大人の皮をかぶった子供が赤ん坊を生み育てたら、一体どういう結果になるか、極めて客観的、冷徹な視点でこの作者は主人公の行動を克明に追い続けます。たわいない追いかけっこや壁蹴り、棒っきれでの川面遊びに嬉々として興じる彼ら、けれども何故か友情だけには厚い、言動の端々に幼稚性丸出しのキャラクターが良く出てましたね。やってる事はことごとく本当に腹立たしい行為ばかりなんだけど、そのキャラクター設定ゆえに、コイツは「オトナコドモ」なんだから大目にみてやろうっていう変な情状酌量めいた気持ちになってきたから不思議です。ラストも、主人公が心から改心したとはとても僕には思えません、出所したらまた同じような行動を繰り返すはず。子供は親を選べません、彼らに育てられる赤ん坊が本当に可哀想。親の幼児化は日本だけでなく海外でも著しい事がわかって軽いショック。
放浪紳士チャーリーさん [試写会(字幕)] 6点(2005-11-18 16:11:15)(良:1票)
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【点数情報】

Review人数 34人
平均点数 6.35点
000.00%
100.00%
212.94%
325.88%
425.88%
525.88%
6720.59%
71441.18%
8514.71%
900.00%
1012.94%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 6.66点 Review3人
2 ストーリー評価 6.00点 Review3人
3 鑑賞後の後味 3.33点 Review3人
4 音楽評価 2.50点 Review2人
5 感泣評価 5.00点 Review2人

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