11.《ネタバレ》 過去に名を馳せた主人公が返り咲く『許されざる者』を宇宙を舞台に描いてみた。タイトルにはそんな意味もあるのだろうか。それとも「時代遅れ」の象徴として「カウボーイ」を使っているだけなのか。とにもかくにも老いた者は若い者に取って代わってゆく、その流れの中で老優イーストウッドをいかに葬るか、『グラン・トリノ』で見事に成しえたそれを『許されざる者』以降ずっと考えていたに違いない。それほどに『許されざる者』『スペース・カウボーイ』『グラン・トリノ』は本筋で同じなのだと思う。だとするならばこの場合、トミー・リー・ジョーンズもイーストウッドの化身といえる。『グラン・トリノ』の予行演習をトミー・リーでやってみたのだ。まあ、あとの二人もイーストウッドなんだけど。ジェームズ・ガーナーの登場シーンなんて『サンダーボルト』で牧師をしているイーストウッドの元に昔の仲間が訪ねてくるシーンそのまんまだし、やたらと裸になるドナルド・サザーランドなんてのもまさに俳優イーストウッドの特徴を表してる。要するにチーム・ダイダロスは4人のイーストウッドなのだ。そしてやはり死に様を模索し4人のうちの一人は見事に死に花を咲かせる。やはりこの映画、『グラン・トリノ』への布石と捉えていいように思う。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-02-25 15:41:11) (良:2票) |
10.《ネタバレ》 イーストウッドが20世紀の最後に撮ったのは、この肩の凝らないジジイたちの“ライプ・スタッフ”です。“ライプ・スタッフ”とは劇中のワイドショーでジェイ・レノが使ったダジャレですが(もちろん元ネタは『ライト・スタッフ』)、アメリカのキャスターはさすが上手いこと言うもんだと感心しました。この後世紀が変わってからは、『ジャージー・ボーイズ』まで彼のフィルモグラフィは重いテーマの映画ばかりでした。 まさに老人版『ライト・スタッフ』という内容ですけど、その力量がピークに達しようとしていた時期ですから、力を抜いた撮り方ながら随所にイーストウッドらしい遊び心も感じられます。なんといっても“チーム・ダイダロス”の面々の顔ぶれが渋すぎます。4人がNASAに乗り込むところなんて、もう『ワイルド・バンチ』のあのシーンを思い出さずにはいられません。思えばイーストウッドがそれまで主演したウェスタンでは常に孤独なアウトローばかりでしたから、ほんとはこういう仲間と戦うウェスタンもやりたかったんじゃないでしょうか。トミー・リー・ジョーンズとの腐れ縁的な友情が、男の眼からも羨ましく見えるぐらいでしたね。またトミー・リーの最期も、並みの監督なら悲愴感たっぷりにしてしまうところを、シナトラとカウント・ベイシー楽団の“Fly Me to The Moon”で閉めるなんて、これぞ粋ってもんじゃないですか。 後半の宇宙のシークエンスは、前半よりもちょっとちょっと脚本が雑で、普通のスペース・アクション映画という印象になってしまったのはちょっと残念でした。VFX自体はILMの仕事ですから手堅くまとめていて、ロシアの衛星“アイコン”の描写はまるでスペースオペラの悪玉メカの様な禍々しさが強烈です。でもいつも思うんですけど、宇宙空間のシーンで音響を入れるのは何とかしてほしいものです。まあその方が観る者に理解させやすいというのは判るんですけども… 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-01-02 22:51:56) (良:1票) |
9.《ネタバレ》 前半部分はかなり面白く、マジメなドラマばかりのイーストウッドが軽いコメディを撮って、狙い通りに笑わせている器用さには感心しました。しかし、宇宙に飛び出して以降は話のテンションが一気に落ちてしまいます。これについては脚本と演出の両方に難があって、通信衛星アイコンが実は核ミサイルの発射ポッドだったとが判明し、当初計画していた修理が難しいということになるのですが、何がどう難しいのか、修理を失敗するとどんな危険があるのかの説明が不足しており、このために劇中の登場人物達は「大変だ、大変だ」と騒いでいるものの、観客にはその温度感がイマイチ伝わらないという現象が発生しています。後半は万事こんな調子、一体何が問題で、それはどう危険で、対策は何なのかという説明がすべてにおいて不足しています。このため、ラストの自己犠牲もまったく活きてきません。そもそも、事態を致命的に悪化させた原因が功を焦った若造による勝手な行動だったという設定が良くないのでは?地上では対立していたおじいちゃんチームと若者チームが一致団結してこそ、直面している事態の深刻さが観客にも伝わってくるというもの。若造のうちのひとりは事態を悪化させ、もうひとりは気絶して寝ているだけ、おじいちゃんチームのうちサザーランドとガーナーは事態を眺めて「こりゃ大変だ」とコメントしているだけ、危機と戦っているのが実質的にイーストウッドとジョーンズだけでは、せっかく揃えたチームがムダになっています。危機に対して各自が特技を発揮し、その中で若造チームがおじいちゃんチームの腕前を認める場面があり、それでも処理しきれない危機については「後先短い俺達が何とかする」とおじいちゃんチームが自己犠牲を買って出るという展開でよかったのではないかと思います。なお、ILMによるVFXは非常に秀逸で、宇宙映画においてここまで描写の充実した作品は、2010年現在に至るまで他に存在していません。NASA全面監修はダテじゃなく、トラブルの際に宇宙空間に散らばる塵や破片の表現や、宇宙から見た地球や月の描写の美しさや正確さには驚かされます。巨大ロボットの如くガシャンガシャンと変形する通信衛星アイコンもかっこよく、こちらでもイーストウッドの意外な器用さを楽しむことができます。 【ザ・チャンバラ】さん [映画館(字幕)] 6点(2010-09-05 00:39:03) (良:1票) |
8.やれば出来る。 【ジダン】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2007-10-28 14:56:18) (笑:1票) |
7.マジなのか、お笑いなのか判らず見ていたらやっぱりマジなんだ、ビックリ!しょーもナ。お笑い路線でいくべきだよ、宇宙行ったらみんな心臓麻痺で死んじゃってるオチを期待してたのに・・・ホンマ、しょーもナ。 【亜流派 十五郎】さん 3点(2004-06-04 23:27:35) (笑:1票) |
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6.《ネタバレ》 モタと観る。宇宙行くまで長い。シリアスなものを期待してたら、途中からあほな展開になっていくし。。こんなアルマゲドンみたいなものは観たくなかった。。 【おれおれ41】さん 4点(2004-03-31 05:54:27) (笑:1票) |
5.《ネタバレ》 なんか感動しきれなかった。なんでかはよくわからないが、多分、演出だろう、終盤のトミーが月にいくってとこで他の大多数の監督ならもっと派手に感動を誘うような演出をするし、それに慣れている自分にとって、「ここ泣くとこ?」って感じで、分からなかった。さらに、みんなが全然悲しまないし。特に引きとめもしない。どうなんだろ、あれがクリントイーストウッドのスタイルか?うーん、あのシーンはもっと引っ張ってもいいような気がした。あるいはそういう設定をなくしてみんなで苦難を乗り越え帰還ってのでも良かったと思う。宇宙に行くまではいい感じだったので。 【ブチャラティ】さん 7点(2003-12-10 15:42:08) (良:1票) |
4.老後は、ただ老けていくだけでなく、こうありたいなあと思います。 どうありたいかって? もちろんトミーリージョーンズのように若い娘をGetしたり、老いても衰えないドナルドサザーランドのDickとかです。 【tantan】さん 6点(2003-11-29 09:08:40) (笑:1票) |
3.心不全で倒れて死んでもおかしくは無いな。 【花守湖】さん 3点(2003-10-15 03:39:21) (笑:1票) |
2.往年・現役の名優達が同窓会で楽しそうに大がかりな余興を見せてくれた、と言う感じ。ユーモアあり、ちょっぴり涙ありと映画に必要な要素を盛り込んで、あえて難しい宇宙ものを作ったイーストウッドはえらい。 【キリコ】さん 6点(2003-05-25 21:26:10) (良:1票) |
1.確かにアルマゲドンの話の中の石油採掘工を爺さんに、巨大隕石をロシアの衛星に替えただけと言えばそうかもしれない。しかし、何十年も映画をつくり続けてるイーストウッドがこのような話を撮ることのデメリットを勘案しないわけないよね。たぶんこれはアルマゲドンのようなつまらん映画のプロットを敢えて借りつつも「若者よ、映画ってのはこう撮るモンなんだぜ」という宣誓的なものであり、果たしてできた映画は年取っても頑張る爺さんたちの爽快な話という、紛うことないイーストウッド印の映画となっている。また、これはワンパターンとかの批判を受ける類のものではなくハリウッドの第一線で真摯な活動を続けてきた大ベテランゆえに持てる説得力及び表現である思う。ただし、イーストウッド近作の中でもベストとまでに至らなかったのは、らしくないと思えたファイヤーフォックス同様、SFとはイマイチ相性が良くないのか・・・ 【ダイ】さん 8点(2001-07-08 02:20:26) (良:1票) |