16.《ネタバレ》 伊丹映画の中では私にとってNo.1の作品。井川比佐志演じる“走る男”が臨終の床にある妻に「かあちゃん、飯だ!飯作れ!」と呼びかける。覚醒した妻はふらつきながら立ちあがり、ネギきざんで鍋ふって炒飯作って、「うまいな!」と皆が食べる姿を見て微笑みながらちゃぶ台にゴトンとぶつかって事切れる。子ども達は泣き出すのだが、「かあちゃんの最後の飯だ!泣くな!食え!」と“走る男”が炒飯を頬張る姿が胸に焼き付いている。そして、何より忘れられないのがラーメンの先生“大友柳太朗”のシーン。生真面目で誠実そうなおじいさん役の人として大好きな役者さんだったが、粋な着流し姿、豪快な立ち回り・独特な台詞まわしでニカッと決める丹下左膳を見た時は惚れなおした。この映画が遺作となってしまうとは…一生涯役者としての人生を全うする為に選んだにしてはあまりに悲しすぎる最期。その存在感は素晴らしいものでした。合掌。 【宝月】さん 8点(2004-02-06 17:15:13) (良:2票) |
15.伊丹監督の、エンタテイメント指向と悪趣味さが爆発した作品で、他の作品と異質な仕上がりになってはいるものの、オムニバス形式という全体の組み立てなど、「見世物」風なテイストが成功して、一般人の拒絶反応を薄めることに成功している。映画監督という高慢なシェフは、ややもすると自分の主張をふりかざし、身勝手なテーマで「究極の料理をどうぞ」と見せたがるものだが、この作品は、さながら二流ホテルで開かれたパーティーのバイキング料理のようにも見える。冒頭で役所広司が、映画館の観客に語りかけるシーンがあるが、この手の語りかけは伊丹映画では鼻につくものだが、ことこの映画に関して言えば、「ご自由に料理をお楽しみください」というさりげない導入として奏功していると思う。だからこそ、何度見ても飽きが来ない。噛めば噛むほど味が出る。最後のシーンは、赤ん坊がおっぱいを飲むシーンで終わるが、人間は「食」というものを、さも高尚なことのごとく、それに対する理解や知識をもまた品格の序列に用いたりてしているが、何を言っても最初は母親のおっぱいを飲むんだよ、というメッセージが伝わってくるかのようだ。この映画は世界でヒットしたらしいが、役所広司、渡辺謙という、世界で評価を受けた俳優も登場する。やはり俳優のオーラも少なからずヒットに貢献しているだろう。 【神谷玄次郎】さん 8点(2004-01-31 20:14:45) (良:3票) |
14.《ネタバレ》 ラーメン西部劇。パロディ精神満載ですごくいい。 唐突に意味もなくハチの巣になる役所広司もいい。 【MASH】さん 8点(2004-01-10 08:37:54) |
13.漫画『美味しんぼ』のヒット等で、これから日本にグルメブームがくるかも...という時代に作られたグルメ娯楽映画の傑作。 この映画については作られた時代背景を知らずに今の感覚で観ると評価を間違える可能性があります。 この映画が作られた頃は今のようにラーメン情報が巷に氾濫しているような時代では決してなく、 まだ荻窪ラーメンあたりが世に知れはじめたばかりで、例えば愛川欽也がテレビ「探検レストラン」でつぶれかけた荻窪のラーメン店を支援してたりしてた頃。 (その番組から誕生して今も残ってるものというと駅弁の「元気甲斐」とキリンビールの「ハートランド」くらいだなぁ、って閑話休題)
その頃のグルメというのは「小金持ちが金にあかせて高いものを食う」みたいなイメージに留まっている時代で、 この映画はそういう「グルメって高けりゃいいんだろう信仰」みたいなものを正統派グルメとして批判した映画。
間違ってもグルメブーム批判映画なんかではなく、「グルメ礼賛おいしいもの万歳」映画なのでそこはお間違えないように。 映画中に出てくる食べ物がこれほどうまそうな映画は他にないのでは? 【あばれて万歳】さん 8点(2004-01-08 15:21:26) (良:1票) |
12.伊丹作品の中では一番すき。本編に関係ないシーンも好き。特に役所広司と情婦のエロっぽいシーンが好き。 【MORI】さん 8点(2003-08-07 14:07:29) |
11.これ、下手くそな映画だよ。つまんないオムニバス風作品って人もいるでしょう、そりゃ。だけど、キュートなんだな。原泉がいい味出してますよ。臨終真際の奥さんに炒飯つくらせるシーンもなかなか印象的ですよ。北京ダックもうまそうだし。こういう映画があってもいいのではないか、と。 |
10.上質のシンデレラストーリーを観た感じです。宮本信子って本当に上手い!想像ですけど踊りもプロ級?なのか所作が流れるようで、観ていて全く無駄な動きが無いと思うのです。最後に店がピカピカになって女主人が光り輝くところ何度観てもワクワクする。伊丹十三さん、返す々も惜しい監督を邦画界は無くしましたね。 【Rei】さん 8点(2003-05-27 22:48:23) |
9.ラーメンに限らず食全般に対するこだわり具合が実に楽しかった。現在のラーメンブームの下地作りをした作品と言っていいと思う。 山崎努、役所広司、桜金造、ノッポさん、ホームレスのみなさん、みんないい味出してます。印象に残ってたせりふ「ツルツルのシコシコでっしゃろ?」(by 桜金造) 【じゃん++】さん 8点(2003-05-21 03:39:14) |
|
8.タンポポのラーメン食べてみたいですね。 【午後のコーヒー】さん 8点(2003-05-04 19:23:44) |
7.僕はこれを見た後、どうしてもラーメンが食べたくて眠れず真夜中にラーメンを食べに出掛けました。 【イサオマン】さん 8点(2003-01-14 22:04:29) |
6.ラーメン屋の話でここまで面白いってのも良い映画ということでしょう。ところどころ本筋と関係ない話も笑えたりして良いです。最後のみんなでスープ飲むシーンとか分かっちゃいるんだけど、ちょっと観てて力入ったりして・・・。 【恥部@研】さん 8点(2003-01-08 19:09:36) |
5.ラーメンがすごい食べたい時に偶然見た。 【ビッケ】さん 8点(2002-08-07 20:42:41) |
4.なかなかのラーメン道でした。やっぱあの卵のトコがいいですね。役所さんいいかんじです。おもしろかったです。 【バカ王子】さん 8点(2002-05-19 18:08:32) |
3.サブキャラクターの役所広司が笑えます。黒田福美との生卵の口移しのシーンは何とも不条理でエロティックでサイコーです。他にもこの作品には本編にはあまり必要がないながらも印象的なシーン満載でなんですが、本編が面白くないというわけではありません。可愛くておかしくて情熱的で山崎努に宮本信子をはじめ愛すべきキャラクタいっぱいで楽しませてくれます。電車で突然シュウマイ売りがくるなんて(しかもそれを食べる人は歯周病)伊丹監督のセンスにはお手上げです。 【さかQ】さん 8点(2002-01-05 03:46:42) |
2.どういうわけか、シーンシーンが記憶に残っている。ラーメン映画の頂点ってことで(笑) 【あろえりーな】さん 8点(2001-10-15 13:34:56) |
1.楽しめて、一般性のあるテーマをもった優れた日本映画である。けっしてラーメンの映画ではない。「食」の映画である。「食」をあらゆる角度からみつめ、人生を描いている。役所浩司の死ぬところ、また、彼が生牡蠣を食べるところ、愛すべき人生のひとこまです。 【阿佐ヶ谷】さん 8点(2000-11-01 00:24:24) |