《改行表示》 8.皆さん、ごめんなさい。アランドロンの美しさばかり観てしまい、ストーリーほとんど 覚えてません。ここでおさらいしました。ほんと、美しすぎる。 【ぶり】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2004-08-14 02:22:25) (笑:2票) |
7.5歳ぐらいの時に初めて観た映画が実はこれ。その頃は当然のことながらストーリや字幕なんて理解できるはずがなかったのだが、子供心にも伝わるものは伝わってきた。現代の二転三転ばかりのサスペンス映画に慣れ親しんでいる人たちには、本作の結末は物足りないのかもしれないが実際の犯罪も得てしてああいう些細なミスで襤褸が出るものではないのだろうか。日本のサスペンスがつまらない理由は、トリックばかりに固執するあまり犯罪に手を染めるに至った人間の悲しさをきちんと描いていないからだと思う(「金田一少年の事件簿」がいい例)。貧しさ、卑しさから抜け出そうとするが結局は失敗する人間の悲しさ、切なさを描いた名作。 |
6.《ネタバレ》 音楽と映画って切り離せない存在である。ニーノ・ロータのあまりにも有名なテーマ曲を聴くたびに、あの美しい海の青と空の青、何も知らずに電話の呼び出しに応じるアラン・ドロンの、孤独な、なのに満ち足りた表情を思い出して涙してしまう。ただでさえ青と黄の強いこの頃のカラー映像は、最近の映画では滅多にお目にかかれないほど、この暗い個性の俳優の目と、海や空の色をどこまでも青く映し出してしまう。まるでその瞳の奥に隠された富への狂おしいほどの憧れを映し出すかのように。友を殺し、女を欺いてまで彼が欲しいと願ったものは、決して友の持つ財産だけではなかった。彼が心の底から望んでいたのは、たまたま運命のいたずらから太陽の当たる場所に生まれて来た友人の存在そのもの。アメリカから渡って来た貧しい青年は、ヨーロッパで豪勢な毎日を送る友人になり代わることを願ったのだ。羨望から殺人を犯す若者の卑屈な個性に、飢えた目をしたアラン・ドロンが見事にはまった。原作のトム・リプリーは、卑屈というよりはむしろ大胆不敵さが売り物の稀代の天才詐欺師だが、映画はその彼のキャラクターをどこまでも暗く、陰鬱なものに変えて人々の心に永遠の哀愁を刻み、パトリシア・ハイスミスの名声を確固たるものにした。それにしてもあの音楽がなかったら、この映画はこれほどまでの傑作になり得たのだろうか。 【anemone】さん 10点(2003-12-10 22:07:27) (良:2票) |
《改行表示》 5.《ネタバレ》 “Plein soleil”『炎天下』。いやもう『太陽がいっぱい』って素晴らしい邦題じゃないですか。'60年にこの邦題付けるセンス。酒場の女店主に「リプレーさん、電話ですよ」と呼ばれ、笑顔で向かうところで終わるのも、その先どうなるか私たちは解っているのも、素晴らしい。 中学生くらいの頃、親戚のおじさんが「Kちゃんは映画が好きなのか!おじさんのオススメは太陽がいっぱいかな!」って言われた作品。聞いたことはあるけど、古い映画だし観る機会がなくて… でリメイク作から先に観ました。しかもこの映画のリメイクと知らずに。その後本作を観て「・・・あれ?これリプリーに似てない?」って。 そのお陰か、リプレーがフィリップに近づいた過程が理解しやすかったし、改めてフィリップへの思い・感情を深読みしてしまいました。フィリップの服を着て鏡にキスするいところって、そうだったのか?って。 私の中でリメイク作はそんなに評価高くなかった(当時)んですが、オリジナルのアラン・ドロンはとても魅力的でした。OHPに移したサインをなぞるシーンがすごく格好良かった。甘いマスクと運の良さであのポジションを手にしたのではなく、人知れず努力をしているのが伝わってくる名シーン。 ニーノ・ロータの音楽と地中海の景色は映画だからこそ。短時間の観光ツアーでは味わえないであろう、時間が止まっているような感覚を体験できました。そして最後の衝撃。絡まったワイヤーを観て「あああっっ!!」って声が出てしまった。いや映画って素晴らしい。 【K&K】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2023-04-16 16:14:17) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 何遍観ても色褪せることのないサスペンスの名画である。主人公の不遇の生い立ちと、内に秘めたギラギラした野望は、まさにアラン・ドロンの実人生が投影されているかのようである。理不尽な社会の格差に抗い、おのれを解放する意味でもあった殺人劇。富と美女を手に入れ、完全犯罪を成し遂げて美酒に酔う主人公を待ち受ける大どんでん返し。とにかく、欲深さと繊細さが入り混じって、いろんな意味で危険度いっぱいのドロンの魅力あっての作品であり、男でもドロンの虜になること請け合いである。 【あやかしもどき】さん [DVD(字幕)] 10点(2021-01-24 19:41:25) (良:1票) |
《改行表示》 3.『太陽がいっぱい』のアラン・ドロンを見て、こんなに美しい人間が本当にいるのかと思いました。暗さのある美しさなんですよね。ギラギラ輝く太陽と対照的で。空、太陽、海。全てのシーンが文句のつけようもないくらい美しいです。 この映画のリメイクである『リプリー』は、この映画とは全く別ものと思ったほうがいいかと思います。私は断然『太陽がいっぱい』派ですが。 市場のシーンや、サインの練習をする姿、鏡の前でフィリップの服を着る姿…印象的な場面を挙げるときりがないくらい。そして、はかない幸せがなんともいえない余韻を残します。 【きむねぇ】さん [DVD(字幕)] 10点(2008-06-27 00:06:44) (良:1票) |
2.アラン・ドロンは、下層階級の出身だという。不遇な少年時代を送った彼には何処か卑しさが漂う。そんな彼に本作のトム・リプリー役はまさに適役だった。作家の塩野七生さんも指摘されていたが、作中で彼が食事をする場面は、いくら上品に振舞ってもどこか不釣合いな感があるのだ。卑しさから抜け出そうとする男の悲しさをこの映画はよく描いている。今更言うまでも無くフランス映画の傑作だが、でも分からない人にはいくらその良さを説明しても分からないんだよね。 |
1.曲もストーリーも設定も素晴らしい。すべてが手に入った瞬間にすべてを失う。 【pacini】さん 10点(2001-07-09 18:17:36) (良:1票) |