7.マックィーンの遺作ともなった本作は、彼の作品歴の中でもあまり語られる事がない。それだけに、まるで彼の遺言のようで余計にいとおしく思える。彼が今まで演じてきたカッコよさよりも、老いに対してのあからさまな描写には驚かされるし、彼の人生そのものを感じざるを得ない。常にカッコいいマックィーンをリアルタイムで観つづけてきた者にとって、厳しい現実というものを突きつけられたようで、なんと辛くて寂しいことか。映画は、彼が死を自覚し、新しい世代に自分の夢を託すかのように、生まれた子供を抱きかかえるシーンで終わる。賞金稼ぎの役で売り出し、そして賞金稼ぎの役で終わった事に感慨深いものを感じる。 【ドラえもん】さん 7点(2000-11-11 16:56:33) (良:4票) |
6.《ネタバレ》 始まって十数分、粉塗れになる乱闘シーンで「あれ?」と思い、そこから更に三十分後の爆発シーンで、ようやくコメディ映画なのだと気が付きました。 かと思えば、クライマックスにおける電車上のアクションは中々の迫力であったりして「一粒で二度おいしい」タイプの作りとなっていますね。 これが遺作であるというスティーヴ・マックィーンが、色んな面を見せてくれたという意味においては、非常に嬉しい内容。
ただ、自分としては正直コメディ部分は退屈だったりもして、残念でした。 その分、終盤のアクションパートでは画面に釘付けになる事が出来たのですが(どうせなら両方を楽しんでみたかったな……)と、切なく感じてしまったのですよね。 好きな俳優さんの作品であるだけに、全面的に肯定出来ない事が、もどかしかったです。
ラストに関しては、ほのぼのとしたハッピーエンドで締められており、驚くと同時に癒されるものがありましたね。 西部劇、刑事ドラマ、脱獄物と、シリアスな作風の品に出演している印象が強いマックィーン。 そんな彼が、何とも優しい手付きで赤ちゃんを抱き上げて、父親として笑ってみせている。 その姿が、最高に似合っていて、最高に決まっているのだから、本当に凄い事だと思います。
映画の内容そのものよりも、最後の出演作までマックィーンは格好良くて、魅力的だったという、そちらの方に感動させられた一品でした。 【ゆき】さん [DVD(吹替)] 6点(2016-06-21 12:56:14) (良:1票) |
5.スティーブ・マックイーン、1930-1980。1980年製作の本作が彼の遺作となりました。
結果的に遺作となった作品ではなく、マックイーンの場合はこの頃には余命半年を宣告され既に病魔に侵されていた状態であり、マックイーン自身が遺作の覚悟で撮影に臨んだのであろう作品です。
アクションは本当に辛かったと思いますが、最後までアクションスターであり続けるという彼の思いが伝わってくる。そんなマックイーンの姿を見ていると何とも言えない思いが込み上げてきて、マックイーンが大好きな僕にとっては見るのが辛い作品でもあるのです。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 6点(2013-05-21 22:29:34) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 映画として考えればかなり雑で粗い造り 展開が唐突でつながりが悪い 何故だか分かんないけど家でいっつもポーカー(?)をしてる人たちは何? 最後のサイコ野郎もいまひとつ だがしかし スティーブ・マックイーンの最後の雄姿を と考えれば… すでにかなり体力的にキツかったはず 走る姿もかなりつらそう そんな自分の死期をわかっていたということを思えば… もし俺だったら絶対カメラの前で演技とかできんな そこには映画製作の責任感だったのか スターとしての最後の姿になるであろう自分の姿を映画という形に残したのか 制作に関わった全てのスタッフも多少ならずともそんな想いはあったのではなかろうかと そんな全ての想いがラストの新しい生命の誕生に象徴される 5点と思ったけど偉大なるハリウッドスター スティーブ・マックイーンに敬意を表して+5点の10点満点デス 【Kaname】さん [DVD(字幕)] 10点(2011-03-09 18:11:13) (良:1票) |
3.これも、私が子供の頃から、だーい好きな映画の1本。改めて観てみても、メッキが剥げるどころか、ますます面白さに引かれてしまう、まさにアバタもエクボとはこのことですね(笑)。車をゴチゴチぶつけて登場する、主人公の賞金稼ぎ。まずは黒人の少年をひっ捕らえ、さらにもう一軒ハシゴ、とばかり次のターゲットの住処を襲撃→室内には列車の模型が走ってる→突然登場するは(模型からは想像もしなかった)大男→大立ち回りの末、見事に捕らえる→先の少年とのバランスが悪く、車が傾いてる。ぶはははは。ああ、面白い。え?何が面白いか、ワカランって?いやあ、このナンセンスさがタマランのです。バクダン兄弟との死闘(?)もサイコー。追いつ追われつの末、畑に描かれる、ミステリーサークルもどき。バカバカしくって面白く、それでいてストーリーは、シリアスさとテンションを増し、興奮を盛り上げていく。立体駐車場のカーチェイス! 追う車と追われる車の関係が、駐車場の「上下」で描写されるなんて、面白すぎるぞ。次第に“命がけ指数”を高めた物語は、ついに、主人公が狙われる立場となる、危険な展開へ。単に賞金稼ぎのエピソードを寄せ集めただけでなく、しっかりと大きなクライマックスへと向かう、脚本の巧みさ(へー、ハイアムズだったのか。自作でこのくらい面白い脚本が書ければ・・・)。なんとなく、あちこちでダーティハリーの二番煎じっぽいところもあるのですが(バスの上ならぬ地下鉄の上に載ったり、サイコ野郎が登場したり)、晩年のマックィーンがユーモラスに演じたこの主人公の魅力は、間違いなく独特のもの。忘れられない映画です。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2008-03-23 15:27:23) (良:1票) |
2.マックイーン最後の雄姿をこの目に焼き付けよう。内容なんてどうでもいい。 【アーリー】さん 7点(2004-01-20 00:43:47) (良:1票) |
1.正真正銘のスーパースターだったマックィーン。遺作となった本作の世間での評価はイマイチでしたが私はこの賞金稼ぎが忘れられません。マックィーンがそれまで演じた役は様々です。チンピラ、加東大介とは似ても似つかないカッコいいガンマン、独房と一人キャッチボールが大好きな陰気な捕虜、彼女に中絶費用をせがまれ汗かきまくりの音楽家、負けず嫌いのギャンンブラー、のんきな水兵、ニヒルな刑事、保険調査員と恋に落ちるお金持ち、肖像権をめぐって日本企業ともめたレーサー、仲間に裏切られ人間不信に陥り散弾銃をブッ放す強盗、ロデオのカウボーイ、何度も脱獄を繰り返し最後はダイバーに助けてもらった蝶の刺青をした囚人、グラスタワーの屋上で最後に水浸しになる消防士...etc...どれもこれも様になってる。ただ一つ殆どのキャラに共通するのは徒党を組まない孤独でクールな一匹狼だったことかな。もちろんこの縦列駐車がヘタクソな賞金稼ぎも例外ではありません。しかし、彼は犯罪者には滅法クールな反面、妻やこれから誕生する我が子に対する愛情が満ち溢れて、暖かさを感じるのです。スーパースターの遺作としては決して最高の出来では無かったが、しかし、マックィーンという一俳優、病魔に冒され極限状況にあったにちがいない一人間の遺作としてはこれほどふさわしいものはない。安らかに眠れたはずです。 【nizam】さん 7点(2003-12-19 18:15:25) (良:1票) |