4.《ネタバレ》 自分にはその気はないのですが、ゲイが絡む映画には心を揺さぶられる傑作が多いから困っちゃいます。引退したホモの映画監督ホエール、若いムキムキだけど頭はカラッポの庭師、ホエールに15年仕えているが彼の性癖は嫌悪している信心深い老家政婦、この三人でほとんど物語は進行してゆくので舞台劇を観ているみたいな感覚です。リアル・ホモのイアン・マッケランは複雑な人格のホエールを繊細に演じきっていて見事です。「神」と「怪物」は『フランケンシュタインの花嫁』からの引用なのですが、実はどちらもホエールの内面を表すキーワードなのでした。つまり“ゴッド=モンスター”というわけなのですが、戦争で心に傷を負った過去の回想も交えて、観ていてほんと切ない気持になる素晴らしい脚本だと思います。そして家政婦を演じるリン・レッドグレーブの演技も実にいい。彼女は昨年亡くなりましたが、父マイケル・レッドグレーブもホモだったそうで、「父は罪深い人だった」とインタビューに答えています。まあ実人生のリアルな経験が映画の役柄に直結していたわけで、彼女の生涯最高の名演に役立つとは何とも皮肉なもんですね。タイトル・バックはフランケンシュタインの怪物の影絵の様なアニメーションですが、ラストにこの怪物の正体が判って「なるほど!」と唸らされました。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2011-02-11 20:30:27) |
3.タイトルの「ゴッドアンドモンスター」は人間の二面性を表しているんでしょうか?とにかく映像が良かったです。ラストシーンの映像美には感涙しました。おススメはしにくいですが、ヨーロッパ系の映画が好きな人には好いかもしれません。ついでに「フランケンシュタイン」を見てみたのですが、とても哲学的で面白かったです。こちらも併せておススメします。 |
2.じっくり見ると最高です!ただえさえ切ない作品なのに、音楽がさらになんとも言えない切なさを際だてます。ホモの件については、ただ庭師を挑発するためのタネだと思った方がいいと思います(ストーリーにはあまり関わらない)。ラストシーンで解釈によっては泣けますよ。 【だいすけ】さん 10点(2003-06-20 21:36:20) |
1.イアン・マッケランがすっっっばらしー!演技がどうとかってあんまりわからない私でさえもスゴさが良くわかる。老いていく孤独な老人の心の中を悲しく綴った物語で、彼の思いが痛いほど伝わってくる。ラストでクレイが“老人の願うモンスターになれなかった自分”や老人の事をやさしく思い出して、雨の中をモンスターの真似ごとをしてふざけるシーンが全体の暗さをやわらかくしていてホッとする。何度見てもあきさせない映画だ。 【チョリリ】さん 10点(2002-10-20 02:51:33) |