14.マイケル・マンの映画は、文字通り「男(マン)」を描いたものだと、よく言われる。が、実はそれ以上に「プロフェッショナル」たちの姿、ただそれだけを描こうとしたものなのだと思う。刑事であろうと犯罪者であろうと、彼らは、自らの成すべき「仕事」をただ果たそうとする。「仕事」のためなら、彼らは臆することなく死地へと向かう。プロである彼らにとって「よく生きる」ことは、「よく死ぬ」ことと同義なのだ(唐突だが、武士もまた「仕える者(=プロ)」であるなら、『葉隠』の「武士道とは死ぬことと見附たり」とは、何とマイケル・マン的な定義であることだろう!)。
映画は、そんなプロたちが「プロ」たるゆえんを凝視する。銃や武器の鮮やかな扱い方、車の転がし方、あるいは敵地へと潜入する時の物腰、表情・・・。そして主人公たちが一撃(ワンショット)で相手をしとめるように、マンの映像(ショット)は、そのひとつひとつの〈所作〉を、恐ろしいほど的確(クール!)に捉えていく。それ自体がプロフェッショナルな〈所作(=演出)〉によって、マンは、“巨大麻薬組織に挑む潜入捜査官たち”という「物語」とは別の次元で「映画」を成立させるのである。すなわち、プロたちが自分たちの「仕事」を遂行する姿、その〈所作〉だけによって。
一方でマイケル・マンの映画が男と女ののっぴきならない“関係”を描くのは、彼らもまた一介の男であり女であることを示すためだろう。その時この、「プロ」であることと「人間(マン)」であることの葛藤もまた、いかにもマイケル・マン的な主題であるだろう。が、しかしあくまでも主人公たちにとって、「仕事」を完遂することが最優先される。“情”は、常に「その次」なのだ(・・・ただ、たぶんこの『マイアミ・バイス』に唯一“瑕疵”があるとしたら、コリン・ファレルとコン・リーの刹那的な恋愛部分がいささか端折られ過ぎている、ということだろう。たぶん、再編集の段階によるカットで?)。
確かに、トニー・スコットやマイケル・ベイあたりの映画のように新奇(珍奇?)なスペクタクルもなく、「劇(ドラマ)」的な面白味に配慮のない無愛想(!)な映画かもしれない。けれど〈所作〉の英語訳が「アクション」なら、この映画は、言葉の真の意味において完全無欠の「アクション」映画に違いない。COOL! 【やましんの巻】さん [映画館(字幕)] 10点(2006-09-08 20:07:03) (良:2票) |
13.やたら暗くてじめじめしていて、潜入捜査官ならではの緊迫感や行動力というものがほとんど感じられませんでした。主人公の2人が、なりゆきのままに動いているだけの存在になってしまっています。 【Olias】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2011-01-07 04:14:46) (良:1票) |
12.マイケル・ランらしい男臭さが溢れてないし男と男の対決が・・全然ないじゃないか!!TVシリーズは全くの未見なので元がどんな話なのかは全く知らんけど全体的に暗いしマイアミって結構いい場所なのに「バッドボーイズ」みたいにマイアミらしさが全然感じられず普通の刑事アクションドラマという感じがしてたまんなかったので盛り上がろうとしてもなかなか。。。無駄にベッドシーンも多いのでそれもいらないですね。 【M・R・サイケデリコン】さん [地上波(吹替)] 4点(2009-02-15 11:01:08) (良:1票) |
11.どこか全体的に残念な気がしてならない。 中国人女性との海のシーンがものすごく長く感じたし、コリン・ファレルにはマイケル・マン作品に出るような渋みが全く感じられない 【STEVE-O】さん [DVD(字幕)] 4点(2008-05-12 04:05:30) (良:1票) |
10.確実にみんなが観たかったマイアミバイスではないと断言できます。主演の二人ともうっとぉしいのに加えてカッコつけだし話も複雑すぎて良く分からん。コンリーもあまり美人とは言えない。バイスって青空の下でカーチィェイスやら水着美女やらでマグナムぶっ放す話じゃなきゃ駄目でしょ。ヒットしなかった理由がわかるな。 【たかちゃん】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-10-01 12:53:12) (良:1票) |
9.マイケル・マンらしい重厚な男のドラマであり、演出も見応えがあるが、イマイチ観た後に心に残らないというか、後半の盛り上がりに期待した割にはアッサリで残念な面がありました。それでも出演者は皆好演してるし、特にジェイミー・フォックスとコン・リーは非常に上手かった。ただ終盤の銃撃戦、画面が暗くて(夜の戦いだから仕方ないとしても)撃たれたのが敵か味方かよく分からない感じに少し戸惑いました。そしてベッドシーンはあそこまで何回もは要りません。 【まさかずきゅーぶりっく】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-09-26 00:45:20) (良:1票) |
8.「モヒート中毒なんだ」という台詞が言いたくて、最近ウォッカ・モヒートを呑んでいる。 【フライボーイ】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-09-24 17:16:20) (良:1票) |
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7.「硬派」なの?と言われれば確かにそうかも。でも退屈。横目で環境映像のつもりで観れば、少しは楽しめるかも。 【かねたたき】さん [DVD(字幕)] 3点(2007-06-23 16:41:46) (良:1票) |
6.正直、厳しい出来ですね。潜入捜査官ならではの緊迫感がまるでありませんし(「インファナル・アフェア」などに比べると雲泥の差です)、ストーリーは起伏に乏しくて見所という見所がありません。最後の銃撃戦にもまるでカタルシスを得ることができませんでした。ドラマ版は掛け値なしの名作でしたが、映画版は思いきり泥を塗りたくってしまった感があります。80年代TVドラマでは「私立探偵マグナム」の映画化も進んでいるそうですが、この「マイアミバイス」の轍を踏まない作りを心がけてほしいものです。 【K】さん [DVD(吹替)] 5点(2007-03-13 23:22:35) (良:1票) |
5.マイケル・マンは【やましんの巻】さんがおっしゃるように「プロフェッショナル」な男たちを描いてきた。その道のプロたる佇まい、視線、挙動を見せてきた。だからその道というのがどんな道であろうと男たちはいつもかっこいいのだ。この作品ではそこに女が加わる。しかし、麻薬組織のボスの愛人であり、取引の際の一部決定権まで握る位置にある女を、影があり凄みがある女を、コン・リーがかっこよく示してくれたのは前半だけで、後半の恋する女はただの恋する女に変わってしまった。ラストに見せる表情なんて『活きる』のコン・リーそのものじゃないですか。だからせつないのだと言われればそれはそうかもしれないが、プロフェッショナルな女が恋をし裏切られるほうがもっとせつないにきまってる。もちろん女はプロではなかったということだったわけですが、女捜査官の死に瀕したシーンの「女らしい」挙動を見ても、マイケル・マンの中では「しょせん女はプロにはなれん」的な概念があるんじゃなかろうか。女がもっとかっこよかったらこの映画、かなり良かったと思うのですが。 【R&A】さん [映画館(字幕)] 6点(2007-02-09 15:36:27) (良:1票) |
4.なんか敵役が小物でイマイチなのと、刑事物にありがちな黒人白人コンビもしっくりこないというか、似たような同じキャラで2人のやり取りは別に面白くもないし、2人が追い詰められる事も無いので緊迫感にも欠けるし、米ユニバーサルスタジオでボートアクションやってたな。ぐらいの感想しかないかな。 【東京50km圏道路地図】さん [DVD(吹替)] 4点(2007-01-29 17:19:26) (良:1票) |
3.マイケル・マン作品と言えば何と言っても〝闘う男〟が魅力的であり、甲斐性なしの情けない男である私はマンが描く男世界にいつもいつも惚れ惚れし憧れを抱くのです。今回も当然、闘う男がテーマなのですが…、う~ん、今までと違って主演の二人が魅力的には見えません。冒頭の登場シーンや音楽のセンスは相変わらず良いですけどねぇ。例えば「ヒート」の敵対関係にありながらも共鳴し合う二人、「アリ」の人生と勝負し続けるアリ、「インサイダー」や「コラテラル」でも男たちの生き様が、弱者だろうと不器用だろうと男の持つ美学をもって鮮明に描かれていました。ところが本作は重々しくなり過ぎないよう意図的に排除したのかもしれませんが囮捜査の苦悩など皆無に近く、二人に〝俺とお前でなきゃ〟というようなコンビの必然性もあまり感じられず男の世界観にドップリ浸ることが出来ないのです。ジェイミー・フォックスもクールな捜査官より冴えないタクシーの運転手の方がよっぽど格好良かったですよ。以前にもこんな事あったなぁと考えてみたら、それは「ラスト・オブ・モヒカン」を観た時で、二作品の共通項は言わずもがな男女の恋愛が主体にあることです。もちろん「ヒート」や「アリ」にもラブストーリーが描かれている訳であり女人禁制などと極端な物言いはしませんが、あくまで恋愛は二次的な要素であり、マンには〝闘う男の姿〟を〝美学〟を徹底的に追求し描いて欲しいのです。というわけでマン作品としては少々期待外れでした。 【ミスター・グレイ】さん [映画館(字幕)] 6点(2007-01-23 17:42:48) (良:1票) |
2.無駄に人が死んだり無駄なベッドシーンがあったりと何の足しにもならないハリウッドガンアクション映画の典型。これだけのガンアクションの名優使って、またヒートと同じ失敗犯しますかこの監督は。スコセッシやタランティーノの真似事したってその部分の才能は無いんですよ彼には。世紀の珍続編M:I-2を更に安くしたような代物。 【Arufu】さん [DVD(字幕)] 3点(2007-01-18 18:02:43) (良:1票) |
1.制作費だけは大作以上だけれども、大作というジャンルに括っていいのか分からない本作のような映画は、見に行くかどうか悩む人が多いのではないか。総括的にいえば、駄作とコケおろすほど酷い映画ではないけれども、万人受けするとは思えない映画であり、手放しで高評価はできないという印象を受けた。 【お勧めできる人】①銃撃戦が特に好きな人、②熱狂的なマイケルマン監督信者、③面白みよりもリアルな世界を味わいたい人、④船とか飛行機とか乗り物が好きな人。 【お勧めできない人】①ありがちなハリウッド大作映画やハッピィーエンドを観たい人、②巨額な制作費が掛かっているから凄い映像が観れると思っている人、③ストーリーの顛末がはっきりと描かれていないと嫌な人、④中途半端なラブストーリーをだらだら見せられるのが嫌な人。 要するにマニア向けの映画である。ハリケーンの襲来など予想不可能な事情があったにせよ、マニア向け映画に巨額な制作費を投じたのはプロデューサーの読みが悪いとしか言いようがない。 <ネタバレ>銃撃戦は見事だ。容赦ない序盤の銃撃戦、ジーナ?のプロ技術をみせつけられた中盤の銃撃戦、迫力あるリアルで壮絶なラストの銃撃戦という三タイプの異なる銃撃戦を描いている。銃撃戦よりも印象に残るのが、銃撃前にソニーが銃の手入れをするシーンだろう。あのシーンのために、映画が相当引き締まり、気合が入り、緊張感が高まった気がする。こういうところがマイケルマンっぽいリアルさを感じられるところ。 また、「内通者は誰か?」という話はどうしたのかと思ったが、ソニー達にはあまり関係ない話であり、FBIの中に内通者がいるということだけでも分かれば、あとはお任せということなのだろう。大胆な展開であるが、その分ラブストーリーに振り過ぎたのは問題だった。「ラストオブモヒカン」を観ている人ならば、マイケルマンがまれにラブストーリーを中心に組み立てるので驚かないが、やや中途半端な仕上がりとなっているのが残念。ラストに繋げるために二人の関係を執拗に描いたと思うが、感情移入できるほどには至っていない。ソニーの微妙な表情などには見応えはあったのだが…もう少し別の角度からの一押しが欲しかった。相棒のリカルドはあまり輝きを放っていたとは思えない。恋人が瀕死の重傷を負うのも、出番を増やし、より感情移入させるための後ヅケ感がする。 【六本木ソルジャー】さん [映画館(字幕)] 6点(2006-09-05 00:11:40) (良:1票) |