《改行表示》 5.ほんの100年ほど前の、イタリアの寒村での名も無き人々の暮らし。土地を耕し家畜を世話し、子供を育て、祈りながら肩寄せ合って日々を送る。車も電気の恩恵も無縁の時代に生きた人たちを見ていると、歴史というのは大きな事件だけで作られているのではないのだなあとつくづく思う。無数の、彼らのような庶民・農民たちによって育まれた生活を受け継いで今の我々は生きている。 働くだけで一杯の日常だけど、人は恋をするし年に一度は華やかなカーニバルもやってくる。より貧しい恵まれぬ人には祈りと共に施しをし、物売りの行商人との丁々発止の掛け合いは生活者のたくましさも感じる。 先人の生きた足跡をあふれる情操で再現したパルムドール受賞作。全体通してシビアなタッチなので、心楽しくはならないのですが、苦く辛いラストを含め”人間が生きること”に圧倒された180分でありました。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2018-11-15 20:18:10) (良:1票) |
4.いくらなんでも長い。リアリズムを象徴する屠殺シーンの迫力はあったものの、ストーリーの展開に起伏がほとんどないため見ているのがしんどくなる。 【カニばさみ】さん [DVD(字幕)] 5点(2016-02-11 03:03:27) (良:1票) |
《改行表示》 3.貧しさの中、生きることの厳しさを描いた作品。厳しい、ホントに厳しい。 ドキュメントタッチで、農民たちの日常生活の姿を淡々と描きながらも、 バッハの音楽が厳かな雰囲気を醸し出し、映像演出は秀逸な出来映え。 出演者たちは実際にロケ地に住んでいる人らしく、素人さんを使ってこんな映画を作るなんて、 驚きのひと言。難をあげれば、四家族に焦点を当てているため、誰がどの家族の人なのか、 ちょっとわかりづらかった。「木靴の樹」のエピソードはそのままオチへと繋がるのだが、 そのラストシーンは強烈なインパクトとして印象に残っている。名作というよりは、 やはり秀作という言葉がぴったりの逸品。 【MAHITO】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2011-09-08 05:37:35) (良:1票) |
2.ゴッホやミレーの絵でしか見たことのない、過ぎ去りし時代の貧しき農民の生活。蝋燭の光だけで撮られた夜の小屋のうちに、素朴に日々の暮らしを営む人々の姿がほのかに浮かび上がる。二つのベッドを括り付け設えられた新婚の新床。贅沢なものは何ひとつなくても、土と寄り添う彼らが不幸せとは思えぬのである。履く靴のなかった少年ミネクがことのほか愛らしい。 【レイン】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-02-27 21:44:35) (良:1票) |
1.重厚な純文学を読んでいるような映画。小作人の日々の暮らしを実に丁寧に淡々と描いています。一日中やることが山のようにあるのだなぁとつくづく思いますね。その暮らしは貧しくて厳しくて、実際には日々すり減って行くだけの人生かもしれません。けれど一方で、ただ純粋に「生きる」事以外にも理由を見つけなければ生きて行けない、彼らとは対極にある現代社会の悲しみも同時に感じました。 【黒猫クロマティ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-05-24 19:32:04) (良:1票) |