《改行表示》 5.《ネタバレ》 クリーチャーの造型や特撮頼みが主流となり、懐かしのゾンビまでが復権したこけおどし全盛のホラー映画界にあって、非常に真面目に作られた作品で好感度は高い。 今や善と悪との戦いも『コンスタンティン』の様にスペクタクルじゃなきゃ映画じゃない! とばかりにドタバタと描いてみせるハリウッド流において、むしろこっちの方が強く深く印象に残るのは皮肉なモンだな。 もっとも、これはホラーと言うよりは、オカルト映画であり、法廷劇なんだが……。ホント、派手なSFXなどは一切無し。オドロオドロシイ姿の悪魔も一切出てこない。 映画は、エミリーの死を裁く法廷の進行を中心に事件が振り返られていく。 「彼女は単なる精神病であり、薬の投与で治せたんじゃないのか? それを止めて実効の無い悪魔祓いなどという儀式で結局死に至らしめた神父は殺人ではないのか?」 この糾弾に立ち向かうヤリ手女性弁護士。当初全く悪魔など信じていなかった彼女の身辺にも、次々と不可思議なことが起こり始める。この辺りの演出も非常にオーソドックスだが上手い。 でも、この映画のテーマはそんなホラー描写には無い。最後に明かされるエミリー自身の選択。信仰とは何か? 生と死とは? 結局、映画自体は結論を出さない。ただ、神父が事実上無罪になったという事態を画くだけ。あとの判断は観客に委ねられる事となる。 同様のテーマを持った『エクソシスト』とは対極のスタンスで作られている。『エクソシスト』は、原作から科学的、医学的アプローチを試みる部分をばっさりカットして、オカルトホラーに徹して見せた。こっちは、現代という時代を踏まえて論理的解釈を推し進めながら、オカルティックな部分も否定しない。 まあ、どう転んでもデート映画には向かないが、ホラーファンなら観て損は無い。それも一人でじっくりと。 【TERRA】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-04-09 18:35:46) (良:3票) |
《改行表示》 4.《ネタバレ》 怖いよー。ドアがバーンって開くより、ドアはそーっと開くほうが怖い。何かがおきそーで、何も起こらない。でもその何かおきそうな雰囲気が怖い。午前3時で止まる時計が怖い。とゆーわけで、雰囲気だけでひたすら怖いっていう、技ありホラー。いや、むしろこれこそが正統派ホラーなのでしょうか。 でもこの映画の本質は、むしろ法廷劇。 若くしてこの世を去ったエミリー・ローズ。その死因は、精神薬の服用によるものか。それともその服用を中止させたムーア神父の業務上過失致死なのか。 訴えられているのはムーア神父。弁護人は本作の主人公エリン。敏腕弁護士。対するは、やり手検事のトマス。審判、じゃなかった裁判官は、ブリュースター判事。厳格かつ公明正大。3人が3人ともプロフェッショナルなので、荒唐無稽になりがちなテーマも、大変見応えのある裁判となります。 そもそも『悪魔憑き』なんか証明できるわけありません。検察側は遠慮なく医学的証拠と証人を喚問しまくって、裁判は一方的な展開に。そこに現れたカートライト医師。有力な証言と、証拠となる『悪魔祓いを録音したテープ』を所有する人物。これで逆転裁判となるのかと思いきや、まさかの展開。 正直言うと、カートライト医師に何かが起きるのは、もう雰囲気でわかっちゃうわけですが、それをふまえても見応えのある法廷劇。内容はオカルトなのに、それを理路整然と証明しようとするのが面白い。もちろん、この作品より面白い法廷ものはいくらでもあります。ただ、これはこれで、オカルトチックなテーマならではの裁判劇を堪能することができます。 悪魔祓いには父や彼氏も同席していたのに、何故神父だけが裁かれるのか。服用の中止を求めたのはエミリー本人なのに、なぜ神父が強要したことになっているのか。ふに落ちない部分はありつつも、クライマックスの陪審員と判事の出した結論に、なんだかすっきりしちゃいました。 【たきたて】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2018-05-27 03:37:49) (良:1票) |
3.怖がらせようと思って作ったのではなくて、まじめに作ってしっかり演じられた佳作だと思います。…しかし、私にはこの映画、恐ろしく怖かった。なんで怖いのかわからないくらい、とにかく怖い。この怖さに、プラス2点。 【みんな嫌い】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-09-17 00:46:12) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 TVCMを見て、ただのオカルト・ホラーのつもりでレンタルしたが、こんなに素晴らしい映画とは思わなかった。実話に基づいた見事な法廷ドラマである。悪魔を信じるか信じないかの議論ではなく、悪魔で苦しんでいる人(エミリー)とそれを救いたい人(神父)の間で起きた出来事を法廷でどう裁くか?なにが正義なのか?陪審員の判断は賢明であったと思う。無罪にすると超常現象=悪魔の存在を認めることになってしまう、あくまで科学的根拠というよりは良識・常識に基づけば有罪なのであろう。ただし、神父は良心の固まりであり、これまで苦しみ続けたことを検察以外の誰もが認めていた。「刑期は今日まで」。女性裁判官が同意し実質無罪になった瞬間は感動してしまった。日本でこの結論は考えられないであろう、さすがアメリカである。個人的には、ホラー的な描写を一切取っ払っても、良い映画になったのではないかと思う。 【ぼぎー】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-08-29 00:04:55) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 悪魔祓いで不幸にも死んでしまった女性、エミリー・ローズ。アメリカの裁判は証言台に立つ時、聖書に手を置いて宣誓するのに、悪魔は存在するのか争います。この映画はホラーというより法廷劇ですね。でもビビリます。エミリー・ローズ役のジェニファー・カーペンターがもう怖いんです。そしてあの陪審員の提案と判決にはこれが本当に実話だったのかとびっくりしました。 【まに】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-03-13 06:43:34) (笑:1票) |