6.皆さんがどういう視点で映画を見て、評価しているのかは俺には分かりませんが(人それぞれなので)ポール婆宝勉流に娯楽エンターテインメントとして評価してみた場合、現実と幻想と存在意識が入り混じった映像で描かれるストーリーに果たしてついて行けるかどうかが、評価の分かれ目だと思う。ストーリーが理解できたならば、シャーリーズ・セロンがカッコ良く、テーマが奥深いアクション映画として楽しめるだろうけど、理解できないならば理解不能以外の何物でもない。かなり好き嫌いが分かれますね。ちなみに俺は周囲の評判にそぐわず、前者でした。さっきも書いたようにシャーリーズ・セロン演じるイーオンはアクションのキレが良くカッコ良かったし(二挺拳銃も決まってました)何よりテーマの意外な奥深さが印象的でした。「人間の生死の尊厳」とでも言うのかな。確かにストーリーは少しややこしいしパッと見B級に見えますが、そんなの全然気にならなかったし『エターナル・サンシャイン』などの作品について行けた人なら問題は無いと思います。思ったんだけど、こういう感じのアクション映画が不評になりがちなのは、観客の鑑賞前の固定概念みたいな物がかなり作用しているんだと思う。『アンダーワールド』もそうだけど、ヒーロー・アクション映画ってのは大抵が、単純明快な勧善懲悪ストーリーだからたまにこういう、良い言い方をすれば「凝っている」悪い言い方をすれば「ややこしい、ゴチャゴチャしている」ストーリーの映画が現れれば、やはり単純なアクション映画を期待した人の中には肩透かしを食らう観客もいる訳で・・・。でも実はヒーロー&ヒロイン映画でこういったメッセージ性を含んだ映画って、かなり少ないんだよね。これからそういう感じの映画も増えてきて欲しいし(娯楽映画=中身のないスカスカ映画ってイメージは持ってもらいたくない)そういう視点で見てみると俺にとっては年間BEST10になりかねない程、強く印象に残った作品なのであります。 【ポール婆宝勉(わいけー)】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-03-22 15:59:04) (良:1票)(笑:1票) |
5.シャーリーズ・セロンのコスチュームプレイが存分に楽しめます。「モンスター」とは対極的な美しさ。まぁ彼女のファンなら堪らないでしょう。この作品の最大の魅力は、美術、衣装、造形にあるといっても過言ではありません。緻密かつ繊細な色、パリコレなんかに出てきそうな大胆なデザインの衣装の数々。和洋折衷もどきの住居と既存の建造物をうまく利用した世界観は、ベーシックでありながらも実に洗練されている。と他にも色々ありますが、物語よりこういった部分に特化した鑑賞の方がより楽しめました。 自分にとっては間違いなくツボな作品。 【シネマブルク】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-06-22 09:16:16) (良:1票) |
4.かの筋肉馬鹿ヒーローが猪突猛進でがんばる伝説的馬鹿SF「フラッシュ・ゴードン」よりも平均点が下まわってるので、どれくらい駄目な映画なんかな~って思って鑑賞したら、サラッと観れるスタイリッシュなヒーローもので中々おもしろいじゃないですか。近所のイーオンにはよく買出しにいかされますが、それよりイーオンかっこいーし、小道具もおもしろい。高尚なSFを期待するとあれですけど、ポケーッと観るヒーローアクションってぶんには全然退屈じゃなかったです。とゆうかセロン観てるだけでも全然退屈じゃなかったです。セロン派ですんません。一応、永遠の命、死、生きるってことに対する明確な表現もされてるし、不思議な世界観も興味をひきます。頭をふると擬似的な目があらわれて、成分が見えるってのが、目新しくってなかなかよいですねー。口笛で操る玉達もかわいーどすな~。内容はすぐに忘れそーなんで、何回も鑑賞できそーやし。 【なにわ君】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-01-16 00:32:54) (笑:1票) |
3.シャーリーズ・セロン、アンジェリーナ・ジョリー、ミラ・ジョボビッチ。この3人の女優には、その生い立ち以外にも同じ臭いを感じる。セロンとジョリーはオスカー女優であるにもかかわらず、自身の身体をまさに映像の道具として使い、恥じらいがない反面で色気もない。この作品で、この3人が「アクション映画の揃い踏み」をしたことになるが、三者三様で映画としてもおもしろいので何やら複雑な心情である。「モンスター」で醜い女性を演じた(だからこそ、オスカーが取れたのだが・・・)後のこの作品、セロンが「私はこのとおり美しいのよ、スタイルもいいのよ、アクションもできるわ!」と主張している映画なのであろう。ハル・ベリーやセロン、オスカー女優も一昔前とは性質が変わってきたようだ、それだけ競争の激しい世界か・・・。オスカーを取りながらも、こういう系統の映画に出演し、ほとんどスタントなしで演じたセロンの敬意を表したい。 【ぼぎー】さん [DVD(字幕)] 6点(2006-09-27 16:07:47) (良:1票) |
2.みんな悪りぃな。かつてないほどに満点のSFだったぜ。 各シーンの行間に覗く奥行きの深さを「ずさん」の一言で看過するなんて、そりゃ俺には無理だわ。これはマジモンのSFだ。70年代風でちとクタビレてはいるが、この数十年間語られて来た頭でっかちのテーマ主導型特撮作品よりは間違いなく面白い。もちろんクライマックス以後のストーリーはクズなんだが、この映画の価値はそこにはない。 以下にキーワードを挙げておくので、どれかにピピッときた御仁は見てみるのをお勧めしておく(ただ本作は別に大画面で見る必要はないので、DVDでも宜しいかと)。「チャールズ・L・ハーネス/ワイドスクリーン・バロック」「クリス・ボイス/キャッチワールド」「ブルース・スターリング/巣」「T・J・バス/神鯨」「アルフレッド・ベスター/分解された男」「ロバート・ホールドストック/リードワールド」「士郎正宗/ブラックマジック」「ジーン・ウルフ/新しい太陽の書」(追記:おっと大事な作品を忘れてた! 極北の未来SF、K・W・ジーター/「ドクター・アダー」「グラス・ハンマー」)…。 SFというのは論理の間隙を自らの手で埋める事で味わえるジャンルなのだ。『イーオン・フラックス』の様々な小ネタは、無味乾燥な思いつきのガジェット群ではない。すれっからしのSFマニアが味わうべき間隙が、ここには確実に存在する。
…見に行く前は、5点くらいにしてシャリーズ・セロンとメソッド演技の未来について語る予定だったんだがなあ…それは『モンスター』のレビューに譲ります(笑)。 【エスねこ】さん [映画館(字幕)] 10点(2006-03-18 22:32:26) (良:1票) |
1.シャーリーズ・セロンの同じ人類とは思えないあのプロポーションと美貌は反則である。彼女の為のプロモーション映画と言っても過言ではない。彼女の美しさの演出へのこだわりは随所にみえた。‥‥‥しかし、それだけ。あまり映画の設定やシナリオに理屈っぽくケチをつけるのは映画ファンの姿勢に反するので嫌だが、この映画は大きな背景を説明できず言葉で省略しすぎて、かなり空っぽになった感がある。実は悪だった的なベタベタのオチや記憶喪失の超能力がある主人公、フラッシュバックは前世の記憶など使い古された設定は良いとして、映画の中で展開される物語に至るまでの過程やレジスタンスのボスも最後まで善悪がはっきりしないため、組織の目的や発生の意図、目指すものや存在意義も分からない。「倒そうとする組織と狙われる政府」の構図や設定が明確ではないので、末端の工作員の主人公がいくら頑張っても物語にも面白さがない。‥‥‥ただ、映像の随所にみえるジャパナイズは観てて面白かった。背中に背負った忍者刀ならぬガンホルダー、特殊部隊や狙撃隊の忍者ファッションや、畳や壁の雲紋様などのインテリアデザイン、生死をかけた舞台の桜。薬物を使った通信や口笛爆弾など描かれている未来図は意外性があって新しかった。「人間は死ぬもの。だから、生きる意味があるのよ」物語は浅いのに、台詞は深いのが憎い。 【six-coin】さん [映画館(字幕)] 3点(2006-03-12 11:20:08) (良:1票) |