《改行表示》 6.「命の大切さ」をテーマに掲げているように感じたが、一切心に訴えてくるものがなく、全くと言っていいほど共感を得ることはできなかった。今の時代に必要なテーマで、本作を観る子ども達にも考えてもらいたいものだけに残念だ。 ジブリの映画は好きな作品も、嫌いな作品もあるけど、これまでは独特の世界観、スケールの大きさなどにはどの作品にも驚嘆せざるを得なかった。 しかし、本作のスケールの小ささにはただただ呆れるばかりだ。4~5人程度の何を考えているか分からないキャラクター同士が、何か小さくてつまらないことに悩んだり、ただの私怨で争っているようにしかみえない。 この映画を観て、後からどんなストーリーだったっけ?と思い出そうとしても、思い出せないような映画では致命的な欠陥だ。こんな映画を世に出すようでは、「世界がおかしくなっている」のではなく、「ジブリの均衡がおかしくなっている」のではないか。 あまりこの監督さんのことはよく分からないので批判すべきではないけど、世に多くの才能豊かなクリエイターがいるにも関わらず、偉大な父親の息子だからという理由だけで映画作りが任されてよいはずがない。とにかく本作をみて映画の内容よりも話題性だけで集客しようとするジブリの方針に対して不信感を抱いた。「大切なものは何か」というようなセリフもあったかと思うが、映画にとって「大切なもの」を本気で考えて欲しい。この映画は、本作の失敗だけではなく偉大な父の過去の作品やジブリ自体までも本当に殺してしまう作品だ。宮崎監督が息子の起用に反対したのもなんとなく分かる気がする。 映画のストーリーもさることながら、アニメ作品の肝心の「絵」の粗さも目立つ。水しぶきを浴びても水が感じられない絵、たまに動いているけど雲も基本的に動くことなくただそこにあるだけ、あらゆるところでスピード感も何も感じられない。そして喜怒哀楽の4種類くらいの単調な表情。 最初は観客が気にもしないディテールにこだわる昨今のアニメ作りに対する反抗かと思ったけど、最後には度を越えた手抜き作品としかみえなかった。 手嶌葵も歌こそは良かったが、基本的に棒読みで聞くに耐えない。作品の傷口に一層塩を塗りこむ起用で不可解としかいいようがない。 【六本木ソルジャー】さん [映画館(邦画)] 2点(2006-07-29 22:21:03) (良:4票) |
5.《ネタバレ》 日本が世界に誇るジブリアニメのブランド、あの素晴らしい世界観も、宮崎駿のマスターベーションだから成りえた世界なのかもしれない。映画という商業主義の世界でも、彼の徹底したこだわりが完成させた芸術の世界、それが世代を超え、日本をはじめ世界中の共感を呼んだ。「田植え休み」なんて言葉も知らない私たちの世代が、「トトロ」の世界に共感する。ジブリ作品の特徴は、その世界観を表現する「ここまでやるか」と見る手を唸どに創り込まれた映像の圧倒的なクオリティと、その根底に流れる真摯で強烈なメッセージにあった。芸術とは、作家のマスターベーション=自己満足の世界に尽きると思う。……「ハウル」で急速に失速したジブリのブランド復興なるかと、僅かな期待を抱いて見に行ったが、予想以上の失望に終わった。「ハウル」以上にチグハグで尻切れトンボな筋書き、アニメのクオリティ以前に物語自体が盛り上がりも目的も起承転結もなく陳腐この上ない。息子はなぜ父親を手にかけなければならなかったのか、主人公が怯えていた「影」の姿は一体何だったのか、少女はなぜ竜に成り得たのか、かつて人とひとつであった「竜」が物語の中で何を意味していたのか。すべてがぼんやりと中途半端なままで、更に素人棒読みの台詞の中では、何の共感も感動も覚えることができなかった。……「千と千尋」までの、あの愚直なまでにこだわった作家の圧倒的な世界観はもはや見当たらず、公開前のあからさまな広告戦略に象徴される商業主義。マスターベーションの抜けきった商業映画は、もはや娯楽芸術ですらない。作者が息子であれ、ジブリブランドという極めて特殊なフィルターでお客は見に来る。これは筆舌に尽くしがたい大変な重圧であると思うが、たとえ何年もの時間はかかっても、それに恥じない作品を発表してもらいたい。……「もののけ姫」時代の、まるで油彩と見まがうばかりの素晴らしい画力に比べ、あまりに陳腐で粗雑な背景の作画は誠に残念だ。ラストの悪役はまるで二昔前のテレビアニメ並み、これを日本代表の芸術として海外で公開するのはいかがなものか。……この映画を最後に、ジブリアニメはもう映画館に観に行くことはないだろう。日本の誇るジャパニメーションの頂点も、遂にここまで失墜した。宮崎駿氏の世界は、やはり彼にしか創りえないものだったのだ。 【six-coin】さん [映画館(邦画)] 2点(2006-08-14 21:45:49) (良:2票) |
《改行表示》 4.登場人物たちのキャラに魅力がない、何者なのか、何をしたいのかよくわからない。 故に彼らが送るメッセージも薄っぺらで、押しつけがましく感じてしまう。 ストーリーもだらだらでテンポが悪く、ラストはご都合主義と褒めるところがない。 絵だけは観やすかったかな。ヒロインの声はひどい・・・。 【MAHITO】さん [地上波(邦画)] 2点(2011-11-09 04:29:01) (良:1票) |
《改行表示》 3.《ネタバレ》 結局何が言いたかったのかが分りませんでした。 制作側は、キャラクターの関係や深い想いなどを理解出来ているかもしれませんが、 見ている側は、魔法使い達の過去、主人公の生い立ちに加え、関係性が分りにくい為、置いてきぼりをくらっている部分が多々ありました。 特に、主人公の父を殺した事を考えると、その前の主人公の問題と、後の事をしっかりと描かなければ命について考えるも何も...と思ってしまう。 言わなければいけない、描かなければならない部分が抜けている、珍しい映画だと思います。 【sirou92】さん [地上波(邦画)] 2点(2011-07-20 15:25:08) (良:1票) |
《改行表示》 2.《ネタバレ》 「○○っぽさ」ばかり。 例えば冒頭海のシーン、船員の格好がいかにもナウシカとか、宮崎ファンタジーに出てくる衣装。でもあれってそもそも山岳地域など内陸や砂漠だから必要な格好なんだと思う。なのに何故海の船員が厚ぼったい服着てるんだろう。マント羽織ったり顔にフードかぶるの、船員に必要?そういった細かい設定の掘り下げが甘いので冒頭時点で「ああ、隅々まで思い入れのない作品なんだな」と感じてしまう。こういう格好させれば宮崎アニメっぽいよね?こういう動きが宮崎アニメでしょ?とにかく動かすんだよ上にいったり下にいったり、キャラが走るところ見せればとりあえず感動するはず!でも自分の入れたい部分はしっかり入れるんだ。砂漠の船とか、綺麗な風景とか歪んだ顔とか、青少年にありがちなナイーブな心情とか!最近のアニメはこういう内面探求が重要なんだよね、僕こういうの好きなんだ。そのうえ宮崎アニメらしさもクリアしてる、プロデューサーやスポンサーさんの意向もばっちりです、これ以上いうことないよね? …なんていう監督の想いが伝わってきました。ある意味良い子で優等生な『作品』なんでしょうね。だから箸にも棒にもならない仕上がりになったのではないでしょうか。 【どぶん子】さん [地上波(邦画)] 2点(2008-07-13 16:11:56) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 監督が伝えたかった事をなんとかアニメで表現しようともがいているのがよくわかる。しかしその重要なシーンの間を埋める繋ぎを描くことができていない。まだ描く術を知らないだけだが。観客は父殺しやアレン・テルーの心の歩み寄り、竜の登場など映画の核となるシーンをなんの伏線も無く唐突に見せられるため置いてけぼりを食らう。説明臭くしたくなかったのではあろうがこの辺りがさりげなく、そして面白おかしく助け舟を出すことのできる叩き上げアニメーターの父との明らかなスキルの差。結局吾朗監督がやりたかった部分以外は父が描いたものの焼き直しでしかない。吾朗監督に才能が無いかどうかを計るには早すぎるが、この作品に関しては明らかにアニメーターとしての引き出しの少なさが映画を単調でつまらないものにしている。ここまでは映画の内容の話であって、初監督で原作のある長編映画を世に送り出した手腕と努力は評価されるべきではある。 【遠州】さん [DVD(邦画)] 2点(2008-01-31 17:13:48) (良:1票) |