11.《ネタバレ》 ホラー映画を全世界に知らしめた金字塔的作品。考古学者のメリン神父は、イラクで悪魔像や聖コインを発掘。悪魔が復活し、エクソシストとして再びと対決する日が近いのを知る。犬のケンカ、片目の男、突然の馬車の出現、夕日の中での悪魔像との対峙など演出が冴える。カラス神父はボクサーで精神科に学ぶが、神父の道を選んだ。だが今は、信仰の危機を抱えている。ホームレスの声に耳も貸さない。老母はぼろアパートで健康不安を抱え、独り暮らし。ある日倒れて病院に運ばれたが、精神病棟。私立病院に入院させるお金がないのだ。母にののしられ、親子の断絶。続く母の孤独死。神は存在するのか?カラスの心の善と悪の闘いが、映画の大きなモチーフ。リーガンは女優の娘で経済的にも恵まれ、明るい性格。だが父親の不在(離婚)が暗い影を落す。父に取って代わろうとするバーグ(監督)を気にし、父を電話でののしる母の声に心を痛める。母クリスは娘を狂おしいほどに愛しており、娘を何とか助けたいと様々な療法を試みるが、どれも成功しない。精神的に追い詰められてゆく様子が詳細に描かれる。彼女の悩み、苦しみが見るものを感情移入させる。母子の愛情物語でもある。カラス神父はクリスに相談されるが、憑依を信じない。リーガンの口から母の声、ホームレスの声を聞くが、半信半疑。悪魔が聖水に騙されたふりをすると、憑依ではないと結論づける。信仰のゆらぎが判断を鈍らせているのだ。だが、テープの逆回転で悪魔が少女を殺そうとしているのを知り、少女がお腹に水ぶくれの文字で助けてと必死に訴えるのを目にすると、信仰が蘇り、対決を決意。メリル神父登場。悪魔との壮絶な闘いに自信を失うカラス。「あんないい子なのにどうして憑依されるのか?」メリルが答える。「我々を絶望させるためだ。自分が獣のように心が醜く、神の愛に値しないと思わせるため」誰の心にも悪魔が忍びこむ隙がある。この映画の本当の怖さはここにある。再び信仰を取り戻すカラスだが、メリルは持病の心臓発作で死ぬ。カラスは少女を助けるため、唯一できることをする。自分の身を犠牲にするのだ。カラス神父の魂の救済の物語でもある。刑事もいい味を出している。残念なのは、たった二人で儀式を行ったこと。大勢ですれば、もっと盛り上がった。ところで、テープ解析する部屋の看板に「TASUKETE!」と書いてあるのに気づいただろうか? 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 10点(2009-10-13 12:29:59) (良:2票) |
10.後味悪っ!!もう二度と見るか!! 【みかん星人】さん 0点(2001-08-09 07:44:06) (良:1票)(笑:1票) |
9. いやー…エクソシストを観終わった…。
しかし、もう何度くらい観ただろう? 幼少の頃……震えながら観てた時期から数えても、もう相当な回数だ。
それなのに、未だ新鮮な恐怖を得てるってのは、やっぱりこの映画が「本物」だからなんだろうと思う。
映画の中でメリン神父が言う。 「(彼女の)中に居る悪魔は多数を装っても一人だ。 決して悪魔に騙されてはならない。 会話をするな、必要以上の言葉を交わすな。 奴らは嘘に真実を織り交ぜて、我々を混乱させる。」
多数を装いつつも、実は悪魔は単独……なるほど。 嘘に真実を入れる…まさに詐欺やペテン師の極意だなぁと納得。
そして、この映画は「神秘主義」でありながらも「科学的」な側面を見せる。 ある意味この映画自体が「エクソシストに出てくる悪魔的」とも言える。 混乱させる、惑わせる「本物」であるがゆえに、両極端の視点を決して捨てないのだろう。
作品に、デミアン・カラス神父が居る。 年老いた母親を想い「何とかしてあげたい」との葛藤がある。 そして、精神も疲弊してるせいか信仰にも疑問を持ちだした。 いつも疲れた表情を見せているカラス神父。 そのデミアン・カラスが、ただただ切なく、そして悲しいのは…きっと俺の年齢が彼に近くなったのもあるのかもしれない。 母親の件も…職に対する信仰の件も…うん。 この年齢になって考えてない奴は、きっと居ないだろうから…彼の疲弊が痛いほどに伝わってくる。
そして冒頭から出てくる「シルバーのメダル」がある。 これは、カラス神父も付けていたんだが、紋章はイエスを抱くヨセフの姿だった。 たぶん、これは「父性」を表現してるのかな、と思えた。 悪魔に憑依されたリーガンも、カラス神父も母子家庭というのは同じだから、そこに「作品の根底となるテーマ」が隠れている気がしてならない。
いやー、やっぱりすごい。 年齢を重ねると、作品から受け取れる精神情緒も、日々の生活で得てた情報から新発見がある。 50代で新発見できるってのは、本当に凄い作品だなぁーと思う。
なんにせよ、この作品が如何に凄い「本物」なのか?…その監督に焦点を絞ろう。 そう、本物の中の本物…「ウィリアム・フリードキン」監督。 この「本物」の意味は、本当に「何かに、このオッサン憑依されてたんじゃないか?」って意味。 あの制作時って、現在と国交もまったく違ってたし、倫理概念やコンプラもまったく違ってて「制作したい」と思っても出来る状況、許される状況じゃなかったのに、それを押し通した精神性、執念は、計り知れないほどのクレイジーさ。
例えば、ざっと… 常に少女の部屋の室温を息が白くなるように、と氷点下にするとか、当時はアメリカと国交が無かったイラクで撮影するとか。 俳優に内緒でピアノ線で引きずり倒し大怪我をさせるとか…休憩中の俳優(カラス神父)の傍で実弾を発砲して驚く表情を捉える(撮影後フリードキンは爆笑してたらしいw)とか、更にはラストで…スタッフに隠し撮りをさせた上で、本物の神父に「ちゃんと演技せぇや!」とビンタを食らわせ、動揺して落ち込む姿を捉え苦悶のシーンにするとか、まさに鬼畜のごとき所業。 アンタ、カーちゃんに怒られるで!と言いたいw けどけどけど、これだけ凄い監督でも、ずーっと着いて来てるスタッフは居ないらしい。 そりゃそーだw
けど、俺は想うのだ。
確実に「映画を創る世界に狂人はいる」と。
そう、フリードキンにこそ悪魔が憑依していたのではないか?と。
ンなわきゃねーか……多分w 【映画の奴隷】さん [ブルーレイ(吹替)] 9点(2020-12-23 12:06:20) (良:1票) |
8.《ネタバレ》 何となく知ってたけどちゃんと観たことがなかったので、しっかり観てみた。とても良く出来た作品。張り詰めた緊迫感をよくここまで作ったなと思う。勿論、今観ると時代性を感じるような古い演出はあるが、そこは全く減点対象にはならない。後世に語り継がれる古典ホラーとして恥じることのない作品です。 【VNTS】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-01-10 19:54:32) (良:1票) |
7.《ネタバレ》 ディレクターズカットという触れ込みで再上映されたようで、
元の削除されているシーンを付け加えて完全版になっているのだから観てみようと。
いきなり冒頭から全く違和感ある砂漠の発掘現場から始まり、
違う映画を間違えて借りたのかとびっくりしましたが・・ サスペンスとしても1級品であり全く古さを感じません。
こんなに家族愛が細かく描かれていたなんて!
特に神父が母を救えなかったことがトラウマになるということと、
とりつかれた少女はいい子だけれど実は両親の言い争いを聞いていた・・
このふたつのトラウマが心に根付き後半に結ぶつく見事さ!
心の弱い優しい人間に悪魔はとりつくという恐怖・・
それを救うのは神ではありますが根本的には自己救済ではないでしょうか?
十字を切る神父にかっこいい~!と思いました。
見世物としての娯楽性も観ている最中に何度も「かっこいい」と思いました。
特に手品のように浮く少女はもう大きな画面でまた観てみたい。
「死霊のはらわた」のゾンビはこのメイクがもとだということがわかります。
最期の方で(元を忘れたのでわかりませんが)
階段から神父は落ち悪魔をやっつけたことはわかりますが、
そのあとまた別の知人が駆け寄り(彼も神父だったかな?)魂を救済させます。
このあとすぐ終わればどうなんでしょうか?
かなり重く怖く嫌な気分になるのではないかと思いました。
映画的にはここで終わってほしいとも思いながらそれは最悪なトラウマになりかねないとも・・
しかしよく考えたら、ここまで勧善懲悪を潔く映画化した作品は珍しい。
ということであそこの階段オチで終わらない方がこの映画の本質を現せています。
あそこで切ればただ後味の悪さだけが残りますから・・
この監督は階段を使うのがうまいんですね「フレンチコネクション」といい・・
この新たな追加版がどれだけ追加されたのかは元の古い劇場版を見直さなければわかりません。
フラッシュ映像も奇をてらった観にくいものではなくカメラワークも丁寧で素晴らしい。
音楽はもっと流してもいいくらい少なかったけれども効果的で、
「サスペリア2」とすごくよく似ていたのでまた比べてみようと思いました。
あと、俳優の演技が素晴らしくて見ほれてしまいました。
【アルメイダ】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-09-01 11:17:56) (良:1票) |
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6.私が勝手に想像していたホラーものとは少し違った感じだった。じわ~とくる怖さというか。普段ホラーはほとんど見ないので、勝手にホラーといえばゾンビだったりジェイソンだったり、とある意味無差別殺人鬼っぽいやつだと思っていたが、こういった見せ方もあるんだなあ、と思った。たぶんこれ子供の時見てたらやばいだろうなあ。大人になった今では、ただ怖いだけでなく色々考えさせらる映画でした。 【あしたかこ】さん 8点(2004-09-01 03:21:33) (良:1票) |
5.2000年の公開当時は「なんで今頃エクソシスト?」と思ったが、あらためてDVDで観直してみて、なんとなく監督の意図がわかった気がする。 冒頭の発掘シーンはフセイン政権前のイラクでの撮影だった。それ自体、今(2004年)の目で観ると非常にシニカルなものだ。ディレクターズカット版の製作当時にはイラク戦争の影もなかったはずだが、同時多発テロ以降のアメリカの覇権主義・武力威圧政策が顕著になっている時期であり、アフガニスタンへの武力攻撃などで多くの民間人が犠牲になった。そしてそれは今もイラクで続いている。 映画のテーマはキリスト教的な宗教観に基づいた「善と悪の対立」である。そして、監督及び原作者の意図は「最終的な善の勝利」であると私は確信している。古くから中東・北アフリカのいわゆるオリエントでは、善と悪の対立を根底に持つ宗教が普遍的だった。ゾロアスター教を出すまでもなく、それらの考え方は生活に根強く影響を与え、ユダヤ教やキリスト教やイスラム教の成立に影響を与えている。 ここで「悪」をどう定義づけるかで、映画の思想も大きく偏向したものになってしまう。具体的な「オサマ・ビン・ラディン」や「タリバン」などというものであるはずがない。まして「911のテロリスト」でもあるわけがない。彼らのやったことが好いはずないし、罪のない民間人を巻き込んだテロは憎むべきものである。しかし、もし映画の中で、それらを「悪」の正体と決めつけてしまった場合、結果的に、アメリカが主導したすべての戦争行為を正当化してしまうことになるのではないか? フリードキンはそんなために映画を再編集したのではあるまい。 それは、監督自身の解説で、「悪と戦うための武器は、小さな十字架と聖水とラテン語の聖書、そして、ことばや心である」という趣旨のことを語っている。決して軍隊による戦争を肯定しているとは思えない。穿った見方をすれば「信仰心をもって小さな爆弾を身にまとい自爆テロを敢行する人間」を肯定するかのように受け取れるかもしれないが、ことばや心を重視するのなら決してそんなことはありえない。 この映画は単なるオカルト映画ではない。善はどうあるべきか、悪と戦うにはどうあるべきか、心の平穏を取り戻すにはどうするべきかを観客に訴えているのではないだろうか。ぜひ、DVDで、一度ストーリーを鑑賞した後、再び監督の解説とともに観ることをおすすめする。 【オオカミ】さん 8点(2004-07-10 23:38:20) (良:1票) |
4.ある女の子とデートで見に行った映画。前の日、深夜バイト明けで行ったからか眠くて眠くて…。ごめん、俺ホラー大嫌いなんだ。。。案の定、自分にとっては見るに耐えない映画でした。。。 【T橋.COM】さん 0点(2004-01-21 23:37:10) (笑:1票) |
3.高校の時、友達がエクソシスト~!とか言って、逆ブリッジで歩いて遊んでいたが、2日後、体中がイテ~とかってもがいてた....。言わんこっちゃない。これもエクソシスト魔力か。 |
2.この映画を観ていつも思うのですが、悪魔に取り憑かれたら、首を一回転しても死なないのでしょうか? 【イマジン】さん 7点(2002-03-08 22:28:14) (良:1票) |
1.昔、兄に拷問のように何度も見せられ、あのフレーズを聞くたびにトラウマ少年になってました。とにかくこのR・ブレア嬢の演技。すんごいんですが、凄すぎて逆に心配になります。グリーンのゲロンパは吐くわ、強烈インパクトのメイクはさせられるわ、最後には首が回るわでもう人間扱いされてません。ディレクターズカットということで全体的に心理的怖さを追求されたようですが、ちらっちら出てくるサブリミナル効果が気になってそれどころじゃありませんでした。とりあえず、リンダ嬢(もう、おばさんかな)にはまっとうな人生を送っていただきたいです。なーむー。 【さかQ】さん 6点(2001-06-26 06:29:26) (良:1票) |