6.《ネタバレ》 テレビ放送でコレを初めて見たのは、高校生ぐらいだったと思うんですが、どの番組枠だったか、トンと思い出せません。ひっそりと深夜に放送されてたのかな。何せ、タイムトラベルもの、というSFネタの映画なのに、まあこの地味なこと。むしろ意識的にSF要素を排除して作られた映画のようにも思われます。 タイムスリップを起こす描写ですら、過去に行くのは「寝て、起きたら、到着」だし、現在に戻る場面に至っては、コインを手にしたクリストファー・リーヴがヘンな格好で固まるだけ、という描写で、まさに地味一直線(しかしこの彼が固まったヘンな格好が、妙に忘れられないんですけどね・・・)。しかも、“現在”の人間が過去に行くオハナシなのに、“現在”の知識なり道具なりを過去で活かすどころか、「“現在”を思い出してはいけない」という、およそSF的発想とは真逆の設定があって、主人公もひたすら過去の世界に自分を合わせようとする。アンチミステリ、ってのはよくあるけど、これは一種のアンチSF、ですな。 しかしコレ、主演がスーパーマンで良かったんですかねえ。不器用な感じがイイのかも知れないけれど、ちょっと不器用過ぎかな。映画が重たくなっちゃう。こんなメロドラマに出てるヒマがあったら、ニュークリアマンといつまでも戦っとけ、と言いたくなるのですが(いや、当時まだスーパーマンは2作目くらいですかね)。 その野暮ったい彼が、昔の女優の写真に一目ぼれし、タイムスリップを試みる。映画女優、ではなく、写真の中の女優。この時点ですでに、静的な雰囲気が漂います。 で、彼は野暮ったいまま、彼女にアタックし、どういう訳かウマく行ってしまう。それじゃ物語が盛り上がらずツマランので二人の仲を割こうと、クリストファー・プラマーが登場。恋を邪魔する人物の登場で、さらに恋が燃え上がる、だなんて、いやもう、何というシンプルな設定。そんな邪魔しているヒマがあったら、エーデルワイスをいつまでも歌っとけ、と言いたくなるのですが。 で、まあ結局、二人の恋は「時間」によって引き裂かれ、忸怩たる思いだけが後に残る。ちょっとしたミスが二人の別れに繋がるのだけど、人生、そういうもの。取返しがつかない過去を思い、ため息をつく。老いるとは、そういうこと。 【鱗歌】さん [CS・衛星(吹替)] 6点(2021-02-25 11:51:26) (良:2票) |
5.《ネタバレ》 1972年のある日、劇作家志望の学生が見知らぬ老婦人から金時計を贈られる。そこから始まるファンタジー恋愛劇。 1912年の情景はパステル調の色使いが印象的で、湖畔での出逢い、そして湖でボートを漕ぐシーンが秀逸。エリーズ(J・シーモア)は一際綺麗で衣装も洗練されており、壁に掛けられた肖像画(「モナ・リザ」のような)は今にも動き出しそうなほど生き生きしている。舞台劇で語られるリチャードへの真実の思いが切ない。 お気に入りはホテルの宿帳で自分のサインを確認するシーン。ハインラインの小説「夏への扉」(役所の結婚記録によるD・B・デイヴィス名のサイン)を連想させて面白い。幼いアーサーの存在とともに、タイムトラベル映画の妙味を味わう。 甘美な音楽は映像と融合し、幻想的なラストは余韻が残る。 【風小僧】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2018-10-20 21:46:07) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 とてもファンタジー先行な作品で、理屈でどうこう考えるとダメだなと思うんですけど、 そういうツッコミも野暮だなって思うくらい突き抜けて描き切ってくれてるわけですね。 申し分ない美男美女、露出過多の幻想的画作り。 辻褄がどうこうなんて関係ない。とにかく愛の甘美さを見せたかったんだよ、みたいな。 個人的には、ジョン・バリーの音楽が本当に素晴らしいなと思いました。 この愛の地平線を、見事なまでに音楽で表現してくれてましたね。 【あろえりーな】さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2017-05-23 23:05:10) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 おそらく今まで観たタイムスリップ作品の中でこれ以上にふわふわしたものはないだろう。ふわふわしたというのはタイムスリップの方法もそうだが劇中で繰り広げられる恋愛劇もそうだ。何か地に足が着いた心地がしない。まるで夢でも見ているかのよう。それを作り手が狙ったのだろうか。
多くの感想の中でこれは彼の妄想なのではないかという意見は興味深い。これが彼の妄想だったならこのふわふわしたものの辻褄が合ってくる。自己催眠というとんでもないタイムスリップの方法も、彼の一方的過ぎる情熱に彼女が驚くほどすんなり応えてくれることも、彼の想像の産物ならありえる。
個人的には現代に戻って来てからもう一展開あればとも思ったがこれはそういう映画ではないらしい。これは悲恋なのだ。あまりのショックに衰弱して死んでしまう彼も悲劇だが、彼がいなくなって数十年彼を探し続けていた彼女のことを想像すると気が遠くなるし切ない。
それにしてもクリストファー・リーヴはスーパーマンのイメージが強いが背が高くハンサムで笑顔もまぶしく素敵な俳優だったと再確認。ジェーン・シーモアはあまり知らなかったがとても美しくこれなら一目惚れも無理はないかなと思わせる。
ホテルの彼女の写真が撮られたシーン。素敵な瞬間だった。 【⑨】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-03-12 23:24:50) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 公開時からその存在だけは知っていて今まで観た事がなかったのですが…いやぁ、いかにもリチャードマシスンが書きそうな話すぎて。昔のSF少年としてなじんだ小説家だけにある意味違和感なく観る事ができました。 整合性とかを問う映画ではなく(わりとありふれた)ワンアイディアの雰囲気恋愛物として入り込んでみられるかどうかがすべて。 じっさい劇中のジェーンシーモアはとことん美しく、まさに「知る人ぞ知る佳作」ですね。
【あばれて万歳】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-07-14 20:52:28) (良:1票) |
1.この映画を見終ったあとの感覚は、真夜中に熱いラブレターを必死になって書いて、それを次の日に読んで、あぁ、やっちゃったなぁー、と思ってしまう、あの感覚。 【永遠】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2005-09-11 08:42:16) (笑:1票) |