4.《ネタバレ》 不満もなくはないが、期待していなかった分すごく楽しめたので満足。島田に対しての怒りや波多野以寧の卑しさが伝わり、感情移入が出来ました。不満と言えばスッキリしすぎている感があるところ。島田と加世のどろどろした肉体関係の描写や新之丞の荒れたシーンなんかを深く表現して欲しかったです。ようするに檀れいに脱げってことですよ。憎しみを最大限に表現してから決闘に挑んで頂きたかったです。ラストの完全な再開を表していたのが蛇足に感じなくもない。しかし、加世の存在を曖昧に表現しようがしまいが作品の評価にあまり支障がないと私は思います。 最後に言わせて頂くが、加世さんのような妻は男の理想であろう。私自身も例外ではない。 【マーク・ハント】さん [地上波(邦画)] 9点(2009-05-05 11:36:05) |
3.人間は「けじめ」をつけてやっと次の段階に進めるということがある。この「けじめ」が「一分」に近い言葉なのではないかと思う。僕は自分の気持ちなんて、いくらでもコントロールできると考えてきた。どんな状況だって見方を変えればどんな風にも価値判断することができる。これこそが精神の自由だなんて。でも、この「武士の一分」という作品を見て、人が生きるということはもっと「こだわり」に左右されているとわかった。「こだわり」が「けじめ」として機能するわけだけど、そういう生き方も悪くない。そういう生き方とは何か。自分の自然な気持ちに正直に生きるということだ。 キムタクの効果的な軽口が、閉塞感のある世界をユーモアで生き抜くという現代にも通じる知恵を象徴していて、まじめな妻役の壇さんと合わせ、すばらしいキャスティングだと感じた。小林念持があまりにも小うるさいので1点減点。すぐ出番終わっちゃうけど。 |
2.《ネタバレ》 この映画を作った山田洋次監督が、木村拓哉さんと檀れいさんを通して何を伝えたかったのか…それはまず間違いなく“愛”でした。目で見て確かめる事のできない形のないものを、様々な方法でこの映画を見ている者に伝えようとする、その山田洋次監督の熱い想いに深く感動しました。 【ボビー】さん [DVD(邦画)] 9点(2006-12-22 00:45:47) |
1.改めて書き直します。やはりと言いますか、予想していた通り、酷評が多いが、私からしたらこの作品が山田洋次監督の時代劇三本の中では一番の傑作であると言いたい。この際、キムタクのことはどうでもいいのだ!この映画では私には時代劇としての完成度など求めてはいない。山田洋次ファンである以上に寅さんファンである者にとって、この映画で描かれているのは人間味溢れる優しさ、家族の物語、そこにこそ山田洋次監督の持ち味がある。少なくとも私はそう思う。俳優にしても脇を固める俳優、桃井かおりは駄目(生理的に受け付けない)として、キムタクの相手役の檀れいの素晴らしさ、夫を愛するということはこういうことなんだと素直に見たいし、また笹野高史のあの人間味溢れる演技がなんと言っても素晴らしく、山田洋次監督らしい温かさを感じる。少なくとも冷たい雰囲気しか感じることの出来ない「たそがれ清兵衛」なんかよりはずっと良い。 【青観】さん [映画館(邦画)] 9点(2006-12-01 22:20:49) (良:1票) |