8.花が咲いてたら「花が咲いてる」と言い、蛙が鳴けば「蛙が鳴いてる」と言う。暑いからと襖を開けた途端に、セミを鳴かせてみたり。壇れいが口づけするにも理由が要りやがる。しまいには盲目になった木村拓哉の目の前の庭で光るホタルに対し、壇れいに「ホタルはまだ出てない」と言わせてしまう。あるいは、市井の人々を描くという事を、慎ましさであったりささやかな生活へと安易に変換させる態度。それらが、何の視点も持たない画面が、まるで巨匠・山田洋次の得意技であるかのごとく、歯切れの悪いカット割りで次々と展開される。仮にそれらに目をつぶったとしても木村拓哉のクローズアップで行われる心理描写のウザさは如何ともしがたく、月9か何かで「ちょ、待てよ!」と言ってるキムタクの方がまだテレビだけに安心して見ることができる。時代劇映画が、山田洋次という別に一流でも何でもない監督によって、こういう形でずるずると延命させられているのを目の当たりにするのは何とも耐え難い。 【Qfwfq】さん [映画館(邦画)] 3点(2007-01-07 02:37:43) (良:3票) |
7.山田洋次監督の藤沢周平三部作完結篇。主演がキムタクということでかなり心配だった本作だが、いつもはテレビドラマやバラエティー番組などでかっこつけた印象のあるキムタクが全く違った一面を見せていて、アイドルではなくちゃんとした一俳優として素晴らしい演技をしているのが新鮮に思える。山田監督もこれまでの二本で相当こなれたようでキムタクに媚びることなく自分の作風を前面に押し出して夫婦愛を描いた傑作に仕上げているのはさすがと思う。キムタク以外の出演者で良かったのはなんといっても妻役の檀れい。初めて見る女優だったのだが、この3本の中のヒロイン役女優ではいちばん良かったと思う。キムタクの相手役女優といえば山口智子や常盤貴子、松たか子など既にテレビでお馴染みの人気女優がやることが多い中で、映画初出演の元宝塚女優というテレビではあまり知られてない女優を起用したのは正解だろう。笹野高史も大きな役はおそらく見たのは初めてと思うが、味のある抑えた演技でとても良かった。3本とも同じ点になったが、個人的には世間的評価の高い「たそがれ清兵衛」より「隠し剣 鬼の爪」や本作のほうが山田監督らしくて好きだな。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-10-11 07:01:48) (良:2票) |
6.ゴローちゃんが自身のランキング(月イチゴロー)でこの映画を1位にしてベタボメしていたので観てみた。 彼が過去「日本沈没(2006)」を1位にしてベタボメしていた事に気付くべきだった。 前半の切腹シーンが個人的にショック&トラウマすぎて、後の展開はぜんぜん頭に入ってこなかった… 【えむぁっ。】さん [映画館(邦画)] 6点(2006-12-30 00:56:41) (笑:2票) |
5.脇役にしっかり守られていましたでがんす。30石でお家を継いでいがねばな。。。 【HRM36】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2013-02-04 10:12:40) (良:1票) |
4.人物描写も美術関係も撮り方も、ガラスかプラスチックのように安っぽい。すべてにおいて、ひたすら無難に無難にと作ってしまったら、このようになります。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 3点(2012-12-28 02:12:32) (良:1票) |
3.山田監督の作品を初めて観た。いったいこの映画が描きたかったものは何なのだろう。私には監督のコマーシャリズムに迎合する姿勢しか伝わってこなかった。主役のアイドルには意味無く大仰な演技をさせてヒロイックに撮っておきながら、下男を(重要な狂言廻しであるにもかかわらず)魅力的に撮る気がぜんぜん無いことが全てを物語っているのでは。一度も推敲しなかったのではと思える脚本(例:罵倒には「糞○○」ばかり3度繰り返される)も気に入らない。大好きな作曲家である冨田勲氏の衰えを感じたのも寂しかった。 【皮マン】さん [DVD(邦画)] 1点(2010-10-11 19:07:20) (良:1票) |
2.「隠し剣鬼の爪」は「たそがれ清兵衛」の二番煎じでしかなかったので、キムタクを迎え、これまでと多少路線を変えた本作こそが真価を問う作品になると思いますが、今回は山田洋次の目指してる(らしい)「リアリティ」を感じられない仕上がりになってます。美術や下級武士の生活・所作等はこれまでの水準にありますが、キムタクは三村新之丞ではなく完全にキムタクのまま。そして、盲目の剣士が果し合いに臨むという設定以上にリアルさを感じられないのが、脚本から「めくら」という言葉がスッポリと抜け落ちている点。これは「リアリズム」よりも「地上波放送」を優先した為に他ならない。山田監督レベルの「巨匠」でも、こんな大人の事情に抗えない邦画界が情けない。やはり「たそがれ~」は奇跡的な作品でした、5点献上。 【sayzin】さん [映画館(邦画)] 5点(2007-01-04 00:05:15) (良:1票) |
1.改めて書き直します。やはりと言いますか、予想していた通り、酷評が多いが、私からしたらこの作品が山田洋次監督の時代劇三本の中では一番の傑作であると言いたい。この際、キムタクのことはどうでもいいのだ!この映画では私には時代劇としての完成度など求めてはいない。山田洋次ファンである以上に寅さんファンである者にとって、この映画で描かれているのは人間味溢れる優しさ、家族の物語、そこにこそ山田洋次監督の持ち味がある。少なくとも私はそう思う。俳優にしても脇を固める俳優、桃井かおりは駄目(生理的に受け付けない)として、キムタクの相手役の檀れいの素晴らしさ、夫を愛するということはこういうことなんだと素直に見たいし、また笹野高史のあの人間味溢れる演技がなんと言っても素晴らしく、山田洋次監督らしい温かさを感じる。少なくとも冷たい雰囲気しか感じることの出来ない「たそがれ清兵衛」なんかよりはずっと良い。 【青観】さん [映画館(邦画)] 9点(2006-12-01 22:20:49) (良:1票) |