6.《ネタバレ》 「これからは、農家が自分作ったものを、自分で付加価値をつけて売らなきゃいけない」とか、「コメだけでは食べていけない。他の作物も作らなきゃ食べていけない」とか、よく分かったうえで作ってるよなあ、と思いました。日本の果物が、海外で高い評価を得ていること、とかもね。しかし、いまさら農家の嫁不足かぁ。確かに、その現状は今でもありますけど、結婚が遅くなってるのは、いまや他産業でもそうですよね。「きつくて汚い」という農業のイメージは、この映画が作られてから5年、大分変わってきてると思ってます。若い女性農業経営者も出てきてますし、ベジタブル&フルーツマイスターの資格を取って、直売所や地元のスーパーなどに、農産物やその加工品(ジャムとか、お菓子とか)を売り込んでる女性農業者も出てきてます。農業は、お天気に左右されるところがあって、確かに厳しい産業ですけど、他の仕事だって厳しいでしょ。この映画見た人には、その辺誤解しないようにしていただきたいです、と農家のはしくれとして言わせていただきたい。クリスは日本に来ないのが、正解だったでしょう。農業をモチーフにして、日本とフィリピンで生きること、家族のあり方がテーマだったとも思いますので。「やっぱり来ちゃった」富田靖子と末永く農業を続けるエンディングの方が良かったかな。でも、すばらしい大地康雄のために、これより低い点数はつけられません。 【なたね】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-04-29 19:07:53) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 日本の農家の厳しい事情、そしてフィリピン。そこで日本人は…。非常に重いテーマを描きながらも生きる希望や、家族愛とか、人間の真心とか、日頃忘れがちな沢山の大切なものを実に泥臭く美しく見せてくれた映画でした。フィリピンでの稲刈りのシーンでの生き生きとした大地康雄さんの笑顔に心に染みます。さらにラストシーンの大地さんの満開の笑顔にも観ていて心から嬉しくなりました。俳優の演技を観ていて「上手い」と思う事は多いけれど、本作の大地さんの人間臭さが滲み出る姿、その表情は上手いとかいう次元を超えてしまっていたかのように感じました。大地さん自らが手がけた温みのある脚本も素晴らしいものでした。こんないい映画こそ、もっと多くの人に知ってもらえて、もっと多くの人に観てもらえるようにしてほしいと思います。僕がまだ6人目のレビューであるのが実に惜しい素晴らしい映画でした。 【とらや】さん [DVD(邦画)] 10点(2009-12-05 20:23:05) (良:3票) |
《改行表示》 4.最初はコメディかと思ったけど、実際には農業の大切さを再認識させてくれる素晴らしい人間ドラマでした。 スコールの度にトマトは大丈夫かなとハラハラしたけど、実が赤く熟したのを見たら、ほっとして涙が溢れそうになった。 土と水と太陽に感謝したくなるような名作に仕上がっていますね。 なんだか美味しいトマトを食べたくなりましたよ。 【もとや】さん [DVD(邦画)] 9点(2008-02-01 17:39:46) |
3.フィリピンの現実を力強く切り取り、大地康夫の好演による画面の連鎖は、農業への情熱、人間に対する信頼の回復を、情熱と血潮の赤であるトマトの生育に重ね、熟れた映画となっている。 【彦馬】さん [映画館(邦画)] 8点(2006-09-30 09:49:16) |
《改行表示》 2.期間限定10点(サービス期間終了のため9点に変更)。 序盤の農村の、気の抜けた息苦しいカメラワークにすっかり騙されました。ラストシーンでは雲に霞んだ茨城の山の遠景がキレイに画面に納まってるから、これは確信犯ですね? 大地康雄&南部英夫、あんたら大詐欺師だ(笑)。中盤の圧し掛かるようなフィリピンのスラムな情景。ただ一回のキスシーンに至るまでの、黄金色の海辺の長回し。そして、とことん台詞を省いて動きで涙させる稲刈りシーン。あ~んな場面が出てくるなんて、予測不可能ですよ。絶対、絶対に前半で「つまらん」と失望させるように計算してるでしょ~! やられたっすよ全く…。 あまりにアタリマエ的に描かれているけど、これはとてつもない告発映画なんじゃないのか…と、中盤以降は悲しさ混じりで鑑賞してました。日本人の、否定しようのない嫌な面が露骨に出てくる映画でもあります。大地康雄はこういうのを演じさせると神業級ですね。見てる間はそれほど気にならなかったのに、いまごろ重た~く効いてきてます。少なくともオイラはもう、以前と同じ気持ちで外人パブには行けなくなりましたよ(いやシャレじゃなく本当に)。 ストーリー展開自体の物凄さで点が上昇した気が強いですから、内容については詳しくコメントしない事にします。多くの人に予備知識なしで見てひっくり返ってほしい映画です。 最後に…『深呼吸の必要』の影響を受けなかったとは言わせませんぜ(ニヤリ)。「無言農作業映画」という妙なジャンルが生まれるかもしれない、という予感を孕んだ作品でもありました。あっちより語り口の誠実さが増してるしね。 ●追記:あ、あと藤岡弘のキャスティングはサスガに濃すぎました…画面の端に立ってるだけで主役を食っちゃうのはどうかと思うっすぉ。富田靖子、ルビー・モレノはドはまり役でした。おかげで、アリス・ティクソンが登場するまでの流れがスムーズに受け入れられました。 【エスねこ】さん [映画館(邦画)] 9点(2006-07-23 05:44:32) (笑:1票) |
1.こういう映画こそ、大勢の人に見て欲しい。白スーツでジェットスキーなんぞやってるちっさい外人の映画じゃなくて、こういう映画を宣伝して下さいよマスコミの皆さん。観た後に、確実に「何か」残る映画です。グー。 【椿庵】さん [映画館(邦画)] 9点(2006-07-21 19:58:06) |