《改行表示》 9.心地よいテンポと台詞の言い回しで、次々迫るハプニングにも淡々と接する二人の姿が印象的です。けじめをつけるために息子に会い、旅を通じお互いの心をほぐす。ブリーが平凡な夢をかなえるために力強く病院の廊下を歩くところが好きです。トビーと二人に幸あれ、です。 【HRM36】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-05-14 11:58:14) (良:1票) |
《改行表示》 8.《ネタバレ》 ある事情から初めて会うことになった性同一性障害の父と、義理の父から虐待を受けて育ち犯罪に手を染め始めていた息子の2人旅を描いたロードムービー。性同一性障害や虐待、他にも数多くの人種や宗教を抱えるアメリカらしい問題を挟みながら旅は進みますが、ゆったりとのんびりとしていて程よい軽さがあり予想以上に見やすい作品です。 心に傷を負った2人が少しずつ打ち解けていく過程、グレていた息子は少しずつ素直さを取り戻し、父は少しずつ親らしい言動になっていく過程の見せ方も無理が無く、淡々とした旅の道中に挿入される様々な出会いもいいし、互いの故郷を訪れながら2人の過去が少しずつ明らかになっていく見せ方も実によく練られています。 見渡す限り何も無い砂漠の風景に、野宿の夜の焚き火を囲んでの語らいに、ヒッチハイクに、途中からはトラックの荷台にカウボーイハットの地元のオッサンと一緒に揺られ、その合間に現われる小さな町・・・流れる音楽は勿論カントリーミュージックがよく似合う。のんびりとしたアメリカン・ロードムービーの良さを随所に見せてくれる旅の風景もとても良かったです。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-03-22 21:10:19) (良:1票) |
7.《ネタバレ》 地味だけど素晴らしい作品!主人公のブリーを演じているのは本当の女性だそうで。最後までずっと男性が演じていると思ってました。それぐらい自然な演技なのよね。お陰で違和感無く、この作品の世界に入り込めました。主人公の息子トビーを演じるケヴィン・ゼガーズ君の美少年ぶりも良かったわ~。性同一性障害というデリケートなテーマなので、苦手な方もいらっしゃるかもしれませんが、私の中では素晴らしい作品でした!作中でブリーのペニスと湖で泳ぐ少年達のペニスが映ってるんですが、全く嫌らしさを感じさせず、この作品のテーマを見事に表現してると感じました。(私が見たDVDでは両シーンともボカシ無しでした)誰かに教えたくなる作品と言うより、一人でこっそり楽しみたい、そんな作品です。 【ななのじ】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-06-03 21:10:19) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 性同一性障害は今や社会的に認知されてはいるが、到底、本当の苦労など実感できるわけがない。しかし、この映画を見ていると、主人公に共感できるのはぜだろう。主人公の数奇な境遇、義父から性的虐待を受けていた息子は、同性愛者に体を売ったりポルノ男優もこなす。今まで見た映画は、これだけのドロドロとした題材があると、泣いたり叫んだり怒ったりと、上っ面な悲劇を演出しがちだが、この映画は違う。静かな展開をベースに要所要所のみで感情表現をし、主人公の優しさ、悲しみ、生きる意味、を見事に描いている。脚本といい、それぞれの役者の演技といい、とても良質なものに仕上がっている。ゆえに主人公の胸中が切々と伝わってきた。納得できる作品である。ところで、映画の中盤で付いていた主人公のペニスが、終盤で無くなっていたのには驚いた。役作りのために20kg太ったとか歯を抜いたという話は聞いたことはあるが、この俳優はペニスを切除するとは凄い根性だ、と思ったら、女優だったとは。素晴らしい演技に脱帽。 【Gang10】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-10-18 12:39:56) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 「デスパレートな妻たち」のリネットがトランスセクシャルな男(ブリー!)役を見事に演じています。途中で野原で用を足すときにブリーがトビーにペニスがあるのを見られ男だとバレますが、そこではペニス(ハフマンは女性なのでもちろん作り物)をはっきりと表すのに、トビーたちが泳ぐシーンでボカシをいれまくるのは不自然でした。もしブリー役が男性の俳優だったら用を足すシーンでボカシを入れていると思います。物語に入りこんで見ていたのに、こういう意味不明なボカシをいれることで、作り物の映画を見ているんだなと現実に戻らされてしまいます。セックスシーンでもないのにはいるボカシは余計な嫌らしさをと感じてしまいます。 【omut】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-05-18 03:14:16) (良:1票) |
4.久々に涙が出た。主役が本物の女性とは驚き。なんでこの演技で賞が取れないんだ?自分も居場所を探している人間なんで気持ちが痛いほどに伝わってきた。やさしい映画を作ってくれてどうも有難う。明日も頑張ります。エンディングの「ただの旅では終わらせない 私というパズルを完成させるため」という歌詞がとても印象的。 【マリモ125cc】さん [DVD(字幕)] 9点(2008-01-31 03:50:35) (良:1票) |
《改行表示》 3.《ネタバレ》 男は男らしく、女は女らしくとは言いますが、人にはさまざまな生き方がある。と言いつつも実際に自分の父親や息子が、「男から女になりたい!」と言い出したら悪夢としかいいようがない。理解を示せる人は皆無でしょう。本作は性同一性障害を抱える主人公が高く評価されて主演女優賞にもノミネートされましたが、障害を抱える主人公よりもむしろ主人公の家族たちの苦悩や戸惑いのほうが印象に残りました。女性になったブリーをみて母親は泣き叫び、息子は怒って殴り飛ばす。理解しようとしない家族が悪いのではない。それは当然なのである。やはりブリーのやろうとしていることは家族にとっては絶対に許せない行為だ。他人事じゃなくて実際に自分の父親が女性になったことを想像してみればよく分かる。しかし許せない行為だけど、けっきょく最後には本人が決めることであり多くの人を傷つけても自分らしくあろうとする生き方を選ぶのは強い生き方だと思う。私たちはブリーのように「変態」ではない。しかし私たちはブリーのように自分を肯定して生きることはなかなかできない。すぐに自己嫌悪の襲われ、今の自分を否定しています。ラストシーンではブリーの息子がホモAV男優になることを、女性になった父親に告白します。異常なシュチエーションですが、2人とも今の自分に対して自己嫌悪の感情はなく、あるがままの自分を受け入れている。この映画は「変態となった自分」を他人に認めてもらうことが目的はない。いかに現状の自分を、自分自身が肯定できるかが問われているのだと思う。やさしい映画でした。やはり私だったらこの映画に10点をつけるしかない。 【花守湖】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-08-18 18:27:05) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 私にはブリーが男に見えなかった。妹の発言を聞くとそれで正解かもしれないけれど、やたら彼女を男っぽく映したり、逆に妙に女を意識した仕草で歩かせてみても、どうしてもその芯から女の匂いしか感じられなかった。本当に教会の人が恵まれない男の子を助けるお話のような気がした。だから性同一性障害や手術のシーンあたりはとってつけたように見えてしまう。しかしロードムービーとしてお手本のような楽しい作品。トビー役は近年まれに見る美少年、後半登場したグレアム・グリーンはいつになくロマンチックで、それを受けて立つフェリシティ・ハフマンは、ちょっと悲しい女性として全編見事な存在感だった。ハンバーガーとポテトと少し曲がった人たちがタイトルに活きている。プラス要因とマイナス要因のバランスでこの点数。 【のはら】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-04-28 13:10:10) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 ドレスアップしたブリーに嫌悪感を示すブリーの母。それをを慰めるように「きれいだ」と2人で写真に納まることを望むトビー。孤独の殻を破ってブリーの部屋を訪ねるトビーの心が切なかった。とはいえ、初めて愛しいと思った相手、心から「したい」と思った相手が女の格好をした実の父親だというのは、かなり辛い。愛情や欲望ってかなり理性に阻まれているのかも、とふと思った。都会の片隅で、2人、ささやかに再出発をするラストも秀逸。主演2人に最大級の拍手を送りたい。 【showrio】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-10-11 00:45:09) (良:1票) |