5.前作と同じ脚本を使ったセルフリメイクだけあって微妙に変更点があるだけでほぼ忠実に前作をなぞっているので初めて見る映画なのに前作を再見してる気分になったが元の脚本がいいからか期待しなかったわりには楽しめた。(それでもやはり前作に比べてインパクトは半減してる。)市川崑監督の金田一ものですべての作品において刑事役を演じている加藤武が今回も刑事役、金田一を演じる石坂浩二同様前作と全く同じ役で出ている大滝秀治や前作で犬神竹子、梅子を演じた草笛光子と三条美紀が別の役で出ているなど、明らかにオールドファンを意識したようなキャスティングが嬉しい。(存命ならば高峰三枝子も出ていたかも。)柏屋の主人を演じている木久蔵もどこか三木のり平を思わせている。そういう部分も楽しめたので評価はちょっと甘め。それにしてもこの映画でいちばん思うことは96年に映画化した「八つ墓村」で石坂浩二を起用できなかったのが市川監督はよほど悔しかったのではないかということ。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 7点(2007-09-25 12:28:40) (良:2票) |
4.この映画は、旧作と比較してこそ意味があるものだと思う。誰々役は昔の女優と今の女優どっちが良いかだとか、石坂浩二が老けただとか、監督は現代の人にそういう比較をどんどんして欲しいと思ったのではないか。未だ衰えぬ監督の手腕によってスポットライトを浴びているのは、現代映画界を担う映画人だけではない。旧作に登場した往年の名俳優であり名女優もまた、本作の影の主役たちである。旧作と全く変わっていないからこそ感じられる全編にわたるノスタルジーと、旧作と唯一変わっているからこそ鮮烈な印象を焼き付けるラストシーン。映画館で見て、素直に良かったと思った。 |
3.映画監督・市川崑、91歳。 はっきり言って、ただそれだけで、日本の映画界における至宝であり、伝説である。 その大々巨匠が、再びメガフォンをとる(この言い方ももはや年季を感じる)。しかも撮るのは「犬神家の一族」、主演は30年前と同じ石坂浩二、否が応にも驚きと期待が膨らむというもの。
実際、映画の内容がどうであれ、齢90を越える“生ける伝説”が撮る映画である。それがすべてだと思わざるを得ない。 そうして生み出された稀代のリメイクは、30年前のそれと同じく、衰えを全く感じさせない日本のミステリーの礎とも言える物語の見事な“再現”だったと思う。
ストーリー構成、キャラクター造形、シーン設定などそのほとんどが30年前のそれと、ほぼ狂いなく描き出されていることは、新しさには欠け、物語としての驚きはあまりない。
が、それでも観客を引き付けるのが、この物語の魅力であり、描き出した市川崑という映画人の絶対的な“力量”だと思う。 【鉄腕麗人】さん [映画館(邦画)] 7点(2006-12-24 02:28:53) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 前作とどうしても比較しちゃうのは仕方ないと思います。ちなみに前作は4回くらいしか見たことがない一般人です。私は前作よりもはるかに分かり易い話になったなぁって思いました。脚本がとにかく丁寧かと。人物設定も分かり易いし、台詞も多くなってるし、全体の流れも良いです。前作だと「え?」って思うような強引な流れがあったり、説明不足で分からない場面もあったのですが、今回はそこら辺がとっても良く分かりました。それと・・年齢がなせる業でしょうか。石坂浩二さんがお父さんみたいな包容力を発揮してますよね。これも今だから出せる演技なのかなっと思いました。で。苦言としては・・キャスティングが悪い。特にフカキョン。可愛いだけでダメ~!坂口良子がもんぺをしょっちゅう直したり、スリッパを思いっきりパンパンはたいたり・・そういう下品さが欲しかったなぁ。そして、次女と三女。前作の方がはるかに良かったと思います。特に遺言状公開の掛け合いのところなんて迫力とスピード感が全く無くて、ちょっとがっかりしました。富司純子と松嶋菜々子は良かったです。特に富司純子。最後に「待っててくれますね?良かった。。。」ではからずも泣きそうになりました。奥菜恵も良かったですね。カエル抱えてるところとでんぐり返りに1点あげたいです!ってことで、富司さんに4点、石坂さん3点で合計7点献上です! 【ゆみっきぃ♪】さん [映画館(吹替)] 7点(2006-12-17 01:05:30) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 映画が始まり、藤司純子の松子が口を開いたとたん、思わずそれに合わせて「お父様、ご遺言を。みな、お父様のご遺言を・・・」と口をパクパクさせてました。それくらい前作は私の中に染み付いている映画ですし、そしてこの映画は前作との違いは殆どないという作品。もはや、役者以外はどこが違うのかの間違い探し状態。前作をよーく知っている人間にとってこれは、リメイクと言うよりもオリジナルのちょっと音痴な模作って感覚になってしまうんですよね。何が音痴か、と言えばやはり役者さん。それぞれの役者さんは悪くないんです。存在感は見事です。だけど発声、声と声の応酬によって高まってゆく場面、それがとても弱いかな、と。前作では役者さんが皆、パキッ!とした声を出していたのですが、今回は全体的にアンバランスなトーンでコンビネーションがいまひとつ、みたいな。それから、映像派の市川監督にしては、構図が全編やや頭づまりに感じたのが「あれ?」と。前作の東宝ワイド(1:1.5の特殊サイズ)に対して今回はビスタサイズ(1:1.85)でしたが、実は今作も東宝ワイドを前提とした撮影がされてるような事はありません? 前シリーズは東宝ワイドに非対応な劇場ではスタンダードサイズ(1:1.33)で映写できるよう撮影されていたのですが、今回は無理に上下切ってないですかねぇ? あとせっかく新作なのだから、前作で省略された湖から下半身が突き出している理由とか、お琴の師匠の正体とかを見せて欲しかったですし、笑いを取るシーンも前作と同じではなく新しいネタを仕込んで欲しかったです。とは言え、今の日本映画でこれだけちゃんと撮影されている映画ってなかなか見られないですし、なんと言っても極太明朝のカクカクっとしたクレジット見ただけで涙出てくる身としては、素直にこうして新作として見られて嬉しかったです。唯一前作と全く異なるラストシーンなんか、ただそれだけで嬉しかったですしね。 【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 7点(2006-12-16 14:20:09) (良:1票) |