《改行表示》 5.「母親」という重いテーマの割には、気落ちすることなく最後まで見れる面白い映画だった。 子供にとって、母親というのは宇宙レベルに「全て」です。 自我が目覚めて自分の足で歩くようになって目で見る情報を正確に処理するようなるまでは。 でも母親にとっては、いつまでたっても子供が全てで「特別」です。 その母親の、平凡な子にはさせない、常に母親の愛情が側にあるように、私のようにはさせない、という気持ちが当の子供にとっても必ずしも良いものではないのだよね・・・・ そうなってしまったキーラが徐々に狂っていく過程はゾっとします。子供を育てることはおろか、子供を産みづらくなっていっている昨今、自分は果たして子を持つ覚悟を決めることが出来るか不安になった。 しかし考えさせられる内容の割りに苦しくないのは、幼少期の回想がコメディチックに描かれているからかもしれない。 しかもその回想が適度に説明的で、ちゃんと繋がるようになっていてまとまっている。 初監督にしては上出来だったと思う。自作も期待したい。 【耳】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-11-16 01:02:20) (良:2票) |
4.《ネタバレ》 子を持つ親ならきっと彼女に共感できるんじゃないかな、と思った。両親に愛されなかったエイミーが、自分を全て受け入れてくれる人間=自分の子供を作る。その子供も異常なまで愛す母。なぜ彼女が愛情をコントロールできなくなってしまったのか。見ていくうちに理解できる。育った環境から愛情が過剰になってしまったんだ。ラスト、ポールは助かって良かったと思う。子役の男の子がとってもCUTE。「LOVER BOY~あなたを生むためだけに生きてきた」なんて邦題はどうかしら? 【アンナ】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-10-17 21:10:02) (良:2票) |
《改行表示》 3.《ネタバレ》 まず大拍手をします! ベーコン家総出演のこの作品。並みの俳優ならつまらん自己満足で終わるところ。 ところがところが、このクォリティの高さ。本物です。 回想シーンというものは、単なる説明に終わってはいけないということが良く分かります。(「ホワイトライズ」がいかに芸が無かったか納得)また、単なる説明でない回想シーンであれば、数回入れても映画の雰囲気が損なわれるどころか、完成度を増すということですね。 2回目に見ると、両親を嫌いながら、愛する人と心中するという同じ方向に生きてしまうエミリー、子供時代と同じ失敗をするエミリーにはっとします。それとハーカー夫人はすごいね。10歳の子に、この世で女の子が最も知らねばならぬ秘密を教えるんだから。私なんかこの事に気がついたのは30もかなり過ぎてからだわ。(誰も教えてくれん!) なんといってもこの豪華キャスト陣を惜しみなく無駄遣いする贅沢さよ。 サンドラにしても、マット・ディロンにしても、10分と映っていないでしょう。ものすごくおいしそうな料理をちらっと垣間見せるだけのような心憎い見せ方です。こんな贅沢も、ケビン君の内輪力なくては有り得ない。俳優さんが監督に乗り出した作品には、こういう内輪ならではのごちそうが期待できるところがよいです。これで作品の出来も良ければ言うことなし。 ケビン君の演じたお父さんは一目見て大爆笑。はずしにはずしてこのファンキーなスタイル、突き抜けている。大変よいです。そしてサンドラの妖しさよ。やっぱり美人だ。ケビン君の奥さんキラと比べるとさらにそう思う。 キラ・セジウィック。魔女顔である。私の嫌いなタイプの顔だ。目が寄っているうえに激しい奥目、ワシ鼻、そして歯が短いので口の中が空洞に見えるところが怖い。サイコ女をやったら右に出る者がいないグレン・クローズの継承者といえましょう。 それから娘のソシエちゃん。この子ただものじゃないわー。そんなに可愛くもないのにこの存在感。いつもブスくれた顔しているのに、なぜかその心中が伝わってくるという、役者の条件を満たした逸材と思います。先が楽しみだ。 ケビン君たら「エコーズ」でせっせと穴を掘りながらこんなプランを練っていたとは。俳優さんの余芸ではビル・パクストンの「フレイルティ」にも感心したが、個人的には笑いのセンスがあるところが私の好みに激しく合っている。次作も楽しみです 【パブロン中毒】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-09-17 00:49:33) (良:2票) |
2.切なくなってもう見たくないのだけれど、ついつい映画のことを考えてしまう。。。深い内容でした。考えさせられます。それと、キラのセクシーさと子役のかわいさも忘れ難い。 【HRM36】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-05-18 08:24:15) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 わが子には苦労させたくない。誰からも虐められることなく、純粋な心で真っ直ぐ育って欲しい。母親は子を社会から隔離する道を選びます。何故なら、他人は息子を傷つける存在だから。息子を愛してやれるのは自分だけ。それが息子への愛だと信じています。でも勘違いだと思う。愛しているのは息子ではなく、彼女自身だったのではないか。母親は自分が傷つくことを恐れているだけだと感じました。それほどまでに、少女期に負った心の傷は重症だったのでしょう。傷を治療せずに大人になってしまったのが、悲劇の始まり。確かに人は人を傷つける。でも、かけがえの無い財産を与えてくれる存在でもある。きっと彼女も受け取ってきたと思う。(じゃなきゃ、大人になれない。)でも心の傷が忘れさせてしまったのでしょうか。忌み嫌ったであろう両親と同じ道を辿る母親。やるせない結末です。母親から教わった素敵なことは財産にして、息子には強く生きていって欲しいと願うばかりです。子供を強く育てたいなら、まず親が強くなること。子供の何倍も泣く覚悟がないと、親にはなれないのだと思いました。 【目隠シスト】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-01-13 19:56:15) (良:1票) |