9.《ネタバレ》 ハリーハウゼン作品を大人になってきちんと観ることは初めてだった。 『30年前のファンタジー作品なんて見るに耐えないだろう』と鑑賞前に思っていたが、その考えは大きな誤りだったようだ。 ショボさがほとんど感じられず、むしろCGよりも興奮することができる。 大切なものは“技術”や“テクノロジー”ではなくて、“情熱”や“イマジネーション力の大切さ”ということを学ぶことができる最高の作品。 現在のCG作品よりも、こちらの方が迫力があり、優れているというのは、一体どういうことなのだろうか。 合成にも関わらず、違和感なく仕上げられている努力の賜物には頭が下がる。 映像だけではなくて、影や音声なども駆使して、総合的に盛り上げている。 神話の世界が見事に繰り広げられており、冒険心を掻き立てられた。 次から次へと登場する見たことのない創造物には興奮せざるを得ない。 メデューサ戦で、メデューサが姿を現す前にいきなり矢が吹っ飛んでくるという辺りもなかなか計算されたものとなっている。 二つの頭がある犬との戦いでは、きちんと血しぶきが上がっているところなどが見事だ(ただのヘビに邪魔されているペルセウスが残念だが)。 機械仕掛けのフクロウが出てくるという発想がなかったため、あの変化球も見事といえる。 緊張感のある作品だが、あのフクロウのおかげでその緊張を和らぐことができるので、映画にとっていい効果を与えている。 キャスティングもなかなかイメージとマッチしている。 ゼウス、ヘラ、テティスといった神々たちもよいが、ペルセウス、アンドロメダ、アモン役もよい。 特に、アンドロメダ役がマッチしており、ストーリーに説得力を与えている。 神々の姿もどこかユーモラスだ。 自分の息子を優遇し、自分の息子ではない者を冷遇し、争いが起きるというのは人間らしいところがある。 より人間らしく描いて、身近なものに感じて欲しいという趣旨でも込められているのだろうか。 【六本木ソルジャー】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-05-04 14:32:47) (良:2票) |
8.長男が「ギリシャ神話って何?」と尋ねてきたのをきっかけに、「タイタンの戦い」を見ました。
私はこの映画を、小学生の頃にテレビの洋画劇場で見て夢中になりました。レイ・ハリーハウゼンの人形を使った不思議な映像が面白くて、「シンドバッド黄金の航海」など、彼が手掛けた映画がテレビで放映される度に録画して見たものです。
今回、自分自身がもう一度見たい&子供にも是非見て欲しいと思い、CGを使った2010年版では無く、オリジナルの1981年版を借りてきました。
改めて見ましたが、約40年前の映画とは思えない特撮。映像から目が離せませんでした。CGでは全く比較にならない手作り感は何とも言葉になりません。「人間のアナログ的な手技でここまでのことが出来るのか」と驚かされます。やっぱりこの映画は凄いと思いました。
子供たちが映像の見事さを感じてくれていたかどうかは分かりませんが、三人の魔女、ペガサス、メデューサなど、子供が喜ぶ空想のキャラクターが次々と出て来て、それなりに楽しんでいたようです。 【wayfarer】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-06-14 02:28:41) (良:1票) |
7.《ネタバレ》 メデューサが怖え~。この映画と言えば、メデューサの斬首シーンが思い出される。 ストップモーションのほうが、CG描写よりも怖い。そう思わないか? |
6.《ネタバレ》 この作品は、私が中学生のときにロードショー公開されました。当時、配給会社は「スターウォーズをはじめとするコンピューターを使った特撮と対極にある、手作り特撮作品を作り続けてきたハリーハウゼンの集大成」と銘打って宣伝していたものです。残念ながら、往年のハリーハウゼン作品を見続けてきた人達からは「シンドバッド7回目の航海やアルゴ探検隊の大冒険のようなパワーが感じられない。ハリーハウゼンも老いたり」と、世間の評判はあまり良くありませんでした。しかし個人的には、①自分がギリシャ神話で一番大好きなペルセウスの冒険の映画化であること、②初めて映画館で見たハリーハウゼン作品であること、の2点から、特別な思い入れのある作品です。しかも、大画面で見たためでしょうか、コマ撮り特有のカクカクした動きが全く感じられず「こんなに動きが滑らかなのか!動きも緻密で、皆、本当に生きているみたいだ!」と感動しました。当作品最大の見せ場であるメデューサのシーンも、暗い映画館と相まって自分自身、逃げ場がないように感じ、ジワジワと近づいてくる演出に感情移入できました。また、フクロウのブーボーのコミカルな動きに対しては、その都度、劇場内から笑いが起こりました。ブーボーは「シリアスなストーリー展開の中、息抜き・ホッとさせる」という作り手の狙い通りのキャラクターとして活躍したのです。私にとって、一堂に会したお客が皆で楽しむという、映画館ならではの貴重な体験にもなりました。 そして現在…家でDVDを見るぶんには、当時の映画館のような体験はできませんが、新たな発見もありました。それは、画像処理についてです。公開当時、最後のクラーケンのシーンは、夕方であることを強調するためか、俳優さん達を撮影したカットも含めて、画面全体にオレンジ色の画像処理を施していました。そのため、他の色彩がつぶれ気味で、オレンジ一色の平板な画像の印象を受けました。この画像処理は、数年後にTV放映されたときも同様でした(録画もしてあり、確認済みです)。しかしDVD版は、この画像処理をしておらず、本来の色彩が蘇っていました。「ああ、やはり、こんなに綺麗だったんだな!」と安堵しました。 …と、かなり長々と書いてしまいましたが、採点については、今は亡きハリーハウゼン氏の最後の作品としての敬意と、個人的な思い出を加味し、思いきって10点を献上したいと思います。
平成28(2016)年8月30日(火)追記:テレビ東京で8/30(火)の昼に放送されたので、録画してみました。すると、約30年前の吹き替え音声はそのままで、映像はDVDと同様に画像処理をしていない色鮮やかなものに差し替えられていました。差し替えたスタッフさんの緻密な作業には恐れ入りました。こうなると、オレンジ色の画像処理を施した劇場公開版の映像はレア…ということはないでしょうが、当時のTV録画と見比べながら、これまでの年月に思いを巡らせました。年配者の呟きということでご勘弁を…。 【せんべい】さん [DVD(字幕)] 10点(2014-12-12 22:31:28) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 かなり昔にこの作品を観て感動し、ハリーハウゼンさんのファンになりました。 それから月日が経ち、この作品もすっかり忘れられていました。 このたびリメイク作品が出ると聞き、DVDの棚の奥からひっぱり出して鑑賞。
勝手とも思える神々の行いに翻弄される人間たち。 メズーサもクラーケンも両頭の犬も素晴らしい(うっとり) ペルセウスの真剣さもアンドロメダの純真さも良かったです。 神話の映画化には、作り手のロマンと情熱が大事なんだなと実感しました。
再見していたく感動しました。 【たんぽぽ】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-04-29 00:21:29) (良:1票) |
4.子供の頃にオヤジに連れられて初めて劇場で見た映画がコレなのですが、テレビの深夜放送でやってたので思わず観てしまいました。で、やはり幼少の記憶どおりメデューサ戦はハリーハウゼン作品としては屈指の出来栄えですね(思わず姿勢を正してしまいます)。目線が合うと石化してしまうという神話上での設定もさることながら、薄暗い地下迷宮をつんざく「ギュゥィィーーーンン!!」と言う弓矢の音がタマリマセン!!(ヤツは弓の名手でもあるのダ!!)。ん~~やっぱりこの頃のダイナメーションはいい味出してますね。特撮ありきの作品ではありますが、ああいった手作り感はやはり観ていてワクワクさせてくれます(と言うことで7点献上)。それはさておき主役のあんちゃん顔濃いいな~。なんかペルセウスと言うよりもバトルケニアって感じです(笑)。 【ぶらき】さん [地上波(字幕)] 7点(2005-06-18 16:23:49) (良:1票) |
3.ハリーハウゼンが手掛けた映画では、実質上これが最後の本作品。CGが主流の昨今、手作り感溢れるモデル・アニメーションという技法は、古き良き“特撮”そのもので、ある種の新鮮味さえ感じさせる。 この映画でのお気に入りは、やはり髪の毛が蛇というメドゥーサの登場シーン。見る者を石に化すというので、勇者ペルセウスはどんな戦法で闘うのかワクワクドキドキしたものだ。子供の頃から、ファンタジックな世界を楽しませてくれたレイ・ハリーハウゼンに「ありがとう! ! 」の意を込めて …8点。 【光りやまねこ】さん 8点(2003-07-12 20:47:23) (良:1票) |
2.ハリーハウゼン後期の傑作です。ダイナメーションも円熟というか、すごいです。この味わい深さは多くの人に味わって欲しい。相変わらず主役の人が若々しくなくて素敵。アンドロメダは彼の映画のヒロインの中では一番可愛い。一回目はストーリーを楽しみ、二回目以降は特撮を楽しむ、何回も見たい映画です。ファンならずとも必見。 【ぽんぽん】さん 9点(2003-06-09 22:53:54) (良:1票) |
1.レイ・ハリーハウゼンの特撮が見事。今時のCGより、1コマ1コマの特撮の方が、断然素晴らしいです。音楽も本当にいいですし、豪華なキャストもいいですね。キャストは渋いところを突いている俳優陣で、キャスティングした人に点数をあげたいです。出て来るギリシャ神話の怪物も迫力あって、すごいです。特に、メデューサは圧巻。このメデューサが登場したシーンで、物凄い恐怖感が感じられました。メデューサが首をはねられるシーンで、絶命する時の絶叫に似た悲鳴を上げる声が、非常に女性らしくて印象的でしたね。ギリシャ神話の悲しい話を娯楽大作にしたところが、素晴らしいです。 |