13.魂揺さぶられる映画でした。一発の銃弾から紡ぎ出される世界各地の物語を時間と場所を巧みに組み合わせ構成した脚本は見事と言うほかありません。 この物語は特殊なようでいて、実はこの世界の営みを象徴しているように感じました。 この世は不条理と人は嘆くけれども、それは愚かで浅はかな人間同士の出会いやすれ違い、偶然の連鎖が絡み合って絡み合ったその集大成、その混沌は自らが生み出したものなのだということを。 それでも世界はまわり、人々はその中で生きていく。そんなわずかな希望の光をのこして物語は終わります。 それを見つめる監督の目線は冷めているようで暖かい。この点は「21グラム」と同じ空気を感じました。 本作では菊池凛子のアカデミーノミネートが話題になりましたが、彼女だけでなく、どのキャストも素晴らしい存在感でした。 彼らが俳優であり、キャメラの前で演技しているのだと言うことをしばし忘れました。 誰もがスクリーンの向こうの世界で生々しく生きていました。 特にメキシコ人家政婦、アメリア役のアドリアナ・バラッザは素晴らしい。 【ロイ・ニアリー】さん [映画館(字幕)] 10点(2007-07-04 08:56:38) (良:2票) |
12.疲労感と共に“ものすごい映画を見てしまった”と鑑賞後は思いました。ただスクリーンの前に数時間いただけですが、映画を見るという作業だけなのに、ものすごく疲れました。ハラハラするし、痛いし、微笑ましかったりもするし、陽気にもなるし、でも最後の方はやっぱり終始心がチクチク痛くて痛くて、見終わった後も数日間ずっと余韻が残っていて。でもそれがなんだかだんだん心地よくなってきて、私は人間臭いこの映画大好きです。文化がまったく違う3つの場面で繰り広げられるドラマは本当に良く描かれているなと思いました。登場人物の奥に隠されたものをこの短時間で描くというのはすごいテクですよ。他の作品も見ましたが、この監督は天才なんじゃないですかね。音楽も編集も全部良かった。ひとりで見て良かった。はー、疲れた。 【未歩】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-07-04 08:14:48) (良:2票) |
11.私が観たいのは、現実では起こりそうにない不幸であって、現実に起こりうる不幸を現実そのままに描いたものではない。現実の不幸をそのままに描くことの困難と安易を、この監督ははき違え、それで良しとするのみならず、悦に浸る監督のにやにや笑いに反吐が出る。ニュース番組で事足りる何かを映画館で観させられる観客こそ不幸である。 【まぶぜたろう】さん [映画館(字幕)] 0点(2007-05-04 23:57:25) (良:2票) |
10.こういう作品がノミネートされるアカデミーに万歳。 後ろの席は中学生が5人くらいで観に来てたがR15指定にすべき。 【12times】さん [映画館(字幕)] 0点(2007-05-02 23:18:22) (良:2票) |
9.繋がりがあるようでないような小話の連作。すべてがどうでもいいような映画にするほどでもない話なので、それらの間から何か深いものを読み取るような気力もおきない。 【ぷろぐれめたる】さん [映画館(字幕)] 3点(2010-12-26 17:55:32) (良:1票) |
8.一度みてすぐにもう一度観ました。二回とも泣きました。この映画の云いたいことをまとめようと、途中まで考えてたんだけど、やめました。私はこの映画から確かに何かを受け取ったし、だからあとは、黙ってそれを抱きしめればいいのだ。そう思いました。最後に流れる教授の音楽は、やっぱり素晴らしい。ここまで魂の奥深く浸透する音楽作る人は、そうそういないと思います。 【air】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-08-03 13:27:09) (良:1票) |
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7.これは誰に見せたかったのか・・・・
話の内容が現実離れしすぎていて 完全に視聴者を置き去りにしている。
意図が全くわからないし、 伝わってくるものが何もない。。。
【ナラタージュ】さん [DVD(邦画)] 2点(2009-03-16 14:39:33) (良:1票) |
6.菊池凛子のこの映画での役回りがストーリーと逸脱しているように思えてなりませんでした。聾唖の方たちに失礼な映画ではないだろうか。肝心のストーリーもただ単調に進んで行くだけで面白みを感じませんでした。 【アルフォート】さん [映画館(字幕)] 2点(2008-12-09 22:32:41) (良:1票) |
5.こういうオムニバスっていう形式でよい作品に出会った試しがありません。能力のない製作陣が、それでも評論家・観客に高く評価して欲しいと言うセコイ気持ちから作っているように思えて仕方ありません。無理やりつなげて、2時間以上の作品にするなら一つのまともな1時間半の作品を作って欲しい。 【くろゆり】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2008-02-24 23:30:25) (良:1票) |
4.いいマンションに住んでるなぁ…。 【くまさん】さん [映画館(字幕)] 4点(2007-05-21 04:19:07) (笑:1票) |
3.「バベル」というタイトルの意味を、知って観るのと知らずに観るのでは、読み取れる内容が変わってしまうかもしれない。イニャリトゥ監督は、この悪意なき悲劇の連鎖の中で、あらゆる問題を、まるで針で布を縫い取るが如くすくいあげ提示する。我々が見過ごしていることの、なんと多いことか。言語が異なるがゆえのもどかしさと、言葉によらない心の交流。我々はそろそろ、この世界の格差や悲劇が、人為的なものである事を知らねばならない。 【豆治】さん [映画館(字幕)] 9点(2007-05-13 00:53:09) (良:1票) |
2.日本人俳優が出演、日本が舞台ということで鑑賞。しかし感動できる箇所が皆無に等しかったです。予想外の不愉快なシーンが多くて困りました。 【ジャッカルの目】さん [映画館(字幕)] 1点(2007-05-12 09:24:43) (良:1票) |
1.「言葉」をバラバラにされた不器用で愚かな人間の生む「混乱」。それはすなわち、この“世界”自体のそれに直結する。 鬱積する空気の中で、登場人物たちは、ひたすらにもがき苦しむ。一体、その先に見えるものは何なのだろうか。 この作品が顛末で伝えるものは、「光」なのか「闇」なのか。その答えは、きっと誰にも不確定で揺れ動くものだろう。
それにしても、映画として外国人が外国人を描き出すことは、やはり難しいものなのだろうということを、改めて実感した。 日本人なので、どうしても日本のシーンが気になるのは否めない。この監督の独特の毒々しさというものも多分に影響しているのだろうが、「混沌」ぶりがあまりに常軌を逸している印象を受けた。アカデミー賞にノミネートされた菊池凛子は確かにモノスゴイ演技をしていたと思うが、女子高生役というのは無理があった気がする。体を張った演技が必要だっただけに尚更にそう思ってしまった。(まあ外国人には日本人は総じて幼く見えるらしいから問題なかったのだろうが)
グローバルな人間の本質を描き出すテーマ性は、濃厚だったと思う。 が、全体的に毒々しすぎるというか、“おぞましさ”みたいなものを必要以上に感じさせる映画だったとも思う。 それこそこの映画で監督が伝え描きたかった部分なのだろうが、観客にとっての“不快感”に達するかどうかは微妙なラインだろう。 【鉄腕麗人】さん [映画館(字幕)] 5点(2007-04-30 01:28:57) (良:1票) |