4.《ネタバレ》 人が死ぬと、肉体と一緒に精神も滅ぶ。あたりまえだ。主人公が夫を失った心の傷を癒せたたのは、それが取り返せないものと諦めたから。この映画の論点は、少年ショーンが本当に生まれ変わりだったのかと云うことより、愛しかった人の精神がこの世にあるならば、宿っているのが10歳の少年であっても、それに縋ってしまった事実にある。少年ショーンが夫ではないと認識した主人公は婚約者との関係を元に戻すが、その気持ちが二番煎じであることを自覚しているのがラストの途方に暮れた描写である。生まれ変わりの真偽は別にして、彼女にとってショーンが唯一絶対の存在だったことが証明されてしまった訳だ。特定の記憶が新しい生活へ踏み出せない枷になっているなら、それは確かに「棘」かもしれない。終わった恋愛が全て「棘」になるとは思わないが、彼女のそれはもはや抜くことが出来ない。超常現象に気を取られるが、喪失感を見据えた作品だと思う。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-05-20 22:07:23) (良:1票) |
3.この少年のようなりりしく引き締まった顔立ちの子が嘘をつくとはとうてい思えないところがミソでした。人は簡単に騙されやすいから悪質な詐欺が絶えないものです。この映画は、そんな悪意とは無縁ですが良くできた面白い映画でした。 【白い男】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-04-14 22:54:24) |
《改行表示》 2.《ネタバレ》 これは行間を読む物語というか、裏側を察する映画ではないだろうか、と思いました。終盤になっていろんな事が明らかにされていく。それは推理小説のような「謎」ではなく、人の心理。何故、この人はこんな行動をとっていたのか、という感情が明らかにされるので、そこを分かったうえでもう一度観賞すると奥深い。例えば、アナの母親が少年をうさんくさそうな目で始終見ているが、それは少年を疑っているのではなく、かつての婿が嫌いだったから、という理由が分かったりする。 ラストのアナのせつない感情の爆発が痛々しい。刺は決して抜ける事はないのだろう、と察せられる。彼は刺の刺さった彼女を愛さなければならないのだろう。自分では刺を抜く事は出来ないのだから。 【果月】さん [DVD(吹替)] 7点(2008-12-18 15:49:48) |
1.《ネタバレ》 二コール・キッドマンのベリーショートがよいです。あとは、この映画、性別が逆だったら映画にもできないのじゃないかと・・・。少年が大人な選択をする。この子が一番大人だ。 【しゃっくり】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-07-25 02:17:10) |