11.ひとクセもふたクセもあるバラバラの家族が、美少女コンテストに出場が決まった娘のために、一路カリフォルニアまで“オンボロワゴン”で走り出す。 様々なトラブルが次々起こる“家族旅行”を通じて、崩壊寸前の家族の「再生」を、時にユニークに、時にシニカルに、そしてハートフルに描き出したスバラシイ映画だった。
崩壊寸前の家族像を描きながら、この映画は冒頭から愛らしさに溢れ、心をくすぐってくる。 それは、この家族が決して悲劇的にバラバラな状態ではないということに他ならない。それぞれの思いの中で、微妙な“すれ違い”は生じているが、根本的にはそれぞれが自身の家族を愛し、必要としている。そういうことが、鮮やかに映し出される映像美とキャストのさりげない表現力によって、映画の全編を通して伝わってくるのだ。
この映画は6人の家族そのものが主人公だと思うが、それを演じたキャスト陣がそれぞれとても素晴らしかった。 今作の強烈なおじいちゃん役でアカデミー助演男優賞を獲った名優アラン・アーキンや、父親役のグレッグ・ギニアの存在感は申し分なかったが、やはり印象的だったのは、ミスコンを目指す幼児体型の眼鏡少女をこの上なくチャーミングに演じて見せた小さな女優アビゲイル・ブレスリンだ。バラバラの家族を繋ぎとめる唯一の“かすがい”として天真爛漫さを振りまくオリーブ役を見事に演じきっていたと思う。
トラブル続きの“家族旅行”を終えた時、彼らをとりまく様々な物事は決してすべてがうまくいったわけではない。むしろ、客観的に見れば色々なものを失ったと言える。でも、彼らはみんな出発前にはなかった心からの笑顔に溢れている。 この家族が得たものは何にも代えがたく、その価値はこの映画そのものの価値だと思う。 【鉄腕麗人】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-06-03 17:51:07) (良:4票) |
10.《ネタバレ》 すばらしい!おすぎがこれイイっていいってて、初めてホントにいい映画に出会えました(笑)全編にわたって捨てるシーンは無いんですが、オリーブのダンス前の不安そうな表情、家族もやめたほうがイイって言っている状況の中、特に回想シーンとか無いんだけど、見ている人の心にはお爺ちゃんの言葉か響いてたはず。もちろんオリーブにも。そんな感じが堪らなくイイ。そして、あのクソ親父が踊り、家族が一体となったあの踊り!そりゃ会場の人たちはポカーンだけど、この意味がこれまで映画を見てきた人達なら解るはず。最高。見るのをためらった俺は負け犬。見てよかった 【マキーナ】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-12-07 22:28:49) (良:3票) |
9.《ネタバレ》 最初はどうかと思ったこの家族。旅を続けるにつれ、一人ひとりが好きになり、応援したくなり。最後のダンスシーンはもう泣き笑いで見ました。じーちゃんもまだその辺でさまよって孫たちの勇姿を誇らしく見、そして一緒に踊っていたことでしょう。 【ちゃか】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2011-03-04 17:46:42) (良:2票) |
8.脚本勝ち。なんといってもその設定が面白い。ひとりひとりのキャラクターが個性的で強く、見ていてグイグイ引き込まれる。誰一人として息の合っている人間がいないというのが見ていて可笑しい。しかし、それぞれがしっかりとした人生に対する信念を持っており、本作の根幹をなしている。それがダイレクトに強く表れるのがそれぞれの台詞で、一つ一つが胸にグサリと突き刺さる。特にアラン・アーキン演じるじいちゃんがオリーヴに言った「楽しめ!」と、息子のリチャードに言った「俺はチャレンジしたお前を誇りに思う」という台詞は印象的である。また、ドーウェーが母に「娘を守るのも母親の役目だろ!」と言っていたけれど、なるほどああいう守り方もあるのかぁと納得させられたし、そこに本物の家族愛を見ることができた。家族の支えがあって、オリーヴは名誉とは一切関係のないホンモノの『リトル・ミス・サンシャイン』になれたのだと思う。今の時代、家族が助け合い、協力し合うことなんてなかなかないし、格好悪く見えるのかもしれないけれど、本来の家族はこうあるべきなのだと思う。とても心地の良い余韻が残る素敵なファミリーロードムービーでした。 【こばやん】さん [映画館(字幕)] 9点(2007-02-26 01:45:08) (良:2票) |
7.《ネタバレ》 結局ラストは負け犬のままおわります。ただ登場人物たちの表情は非常に爽やかに笑顔がみれます。すごく感動とかすごく泣けたとかすごく切ないとかそんな感情ではなくなにかスーッと染み込んでくる心地よさ。なんだかわからないけど泣けてくる。 【とま】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2012-01-29 23:21:05) (良:1票) |
|
6.《ネタバレ》 勝ち組を目指す父、自閉症気味の長男、自殺願望の叔父、ヤク中毒のエロい祖父と負け犬感あふれる家族(まともそうなのは母親だけ)が可愛い娘のオリーブのためにミスコンにともに向かう。それぞれの夢は旅の途中で敗れていくのが明らかになり、絶望のふちに落ち込むもお互いに慰めあい、オリーブをミスコンに参加させることが唯一の希望(それでも優勝は無理そうだが)となって団結していく。なんとなく痛々しく悲しくも見えていくのだけど、必死に希望を失うまいとする姿には心を打たれます。暗くなりそうな旅の中で光るのはやはり祖父の存在でした。つらいときもユーモアや前向きな心は必要なんですよね。それに、幸せはおそらく他人に決めてもらうことではないんだなという風刺も効いていて小気味よかったです。 【飴おじさん】さん [DVD(字幕)] 9点(2008-05-25 16:18:56) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 いつも観る前に期待して観に行った映画は、イマイチだったというのが多いのですが、この映画は期待通り。というかそれ以上でした。全員の登場人物がそれぞれ個性的で、みんな何かしらの問題や悩みを抱えている。いつもは誰にも伝えることのない自分の考えや思いを、旅を通じることによって少しずつさらけ出していく。そのことによって起こる衝突も、突然起こるハプニングも、家族全員で乗り越え壊れかけていた絆が徐々に復活していく様子は、すごく見ごたえがありました。ラストでの家族全員でのダンスシーンは声を出して笑ってしまったし、泣きそうにもなりました。あの姿を見ていたら、この先どんな問題があっても、衝突しながら、喧嘩しながらもこの家族は乗り越えていけるんだろうなぁと感じました。また、台詞ではなく表情で考えていることがわかるところもとてもよかったです。個人的にはフランクの走り方が一番ツボでした 【ちゃじじ】さん [映画館(字幕)] 9点(2007-02-22 00:04:10) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 凄く良かった。こういう映画を待っていたんだ!久しぶりにアメリカ映画で心から良い映画を観たと思わせる何とも観終わった後の心地の良さ、それはこの映画の主役達と言える家族達がみんなして、感情移入せずにはいられないからである。今の世の中、勝ち組と負け組とにやたら分けられたりするけど、この映画を観て本当の勝ち組とは何か?てことが解った気がする。それは、けして、まともじゃない。世間から見ればどう考えてもおかしい、変人だらけの家庭に思われるかもしれないけど、それでも一人、一人が負けることを恐れず、最後まで戦い抜く姿は本当に感動せずにはいられない。この映画のタイトルにもなっているリトル・ミス・サンシャインコンテストでのあの周りからのブーイングの中、娘を応援し、一緒になって立ち上がり、そして、ダンスをする家族達の姿に私は泣けて泣けてヤバかった。途中、病気で亡くなってしまったおじいちゃんを病院から連れ出し、会場へと運ぶ家族達、何もかもが心が一つというものを見せてもらった思いで、こういう映画にこそ本当にアカデミー賞作品賞を与えたくなるし、与えるべきだ!おそらく今回もクリント・イーストウッド監督の作品が獲るとは思うが、私は断然、この映画に賞を与えたい。そして、最後にもう少しだけ言わせて欲しい!オリーヴ!あんた最高だよ! 周りのみんなが他の子にグランプリを与えても、私は絶対にオリーヴを選ぶ。 【青観】さん [映画館(字幕)] 9点(2007-02-11 21:11:38) (良:1票) |
3.オリーヴ最高、自分だったら彼女を選びますね。おじいちゃんの言葉もいいし、ダンスもいいし。素直にいい映画でした。 【アスモデウス】さん [映画館(字幕)] 9点(2007-01-28 01:06:28) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 最初の全員揃っての食事のシーンだけで、登場人物それぞれの駄目っぷりと、俳優陣の呼吸の合い具合に笑いが止まりません。全員が欠点まみれな割に不快感が起こらないのは、制作者の対象に対する愛情が満ちあふれているからでしょう。クライマックスの、ほかの人に比べて明らかに貧乏くさい服装の一家が、ちっとも揃ってない格好悪いダンスを嬉々として踊るシーンの何と素晴らしいことか!あと、アーキン爺さんやアビゲイル・オリーブちゃんのインパクトが若干目立つ感じですが、あえてこの作品の最大の功労者としては、トニ・コレット・ママを挙げたい。いろいろ変な人たちが集まっている中で、あのように一見して特徴のなさそうな人ほど、演じるのが難しいはずです。 【Olias】さん [映画館(字幕)] 9点(2007-01-08 22:31:45) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 本国で公開された当時から期待してたけど、そんな期待をも軽~く超え、僕の中ではかなり大ヒット!笑この映画を観て、今流行かのように流布してる「勝ち組」「負け組」っていう区別自体が馬鹿らしいもののように思えた。話は、俗に言う「負け組」一家が、娘の出場するミスコンを目指して「いざ、カルフォニアへ!」とロードトリップするという一見ありがちなストーリー。だけどフーヴァー一家がどうしようもないくらい強烈にクレイジー、なのに愛おしくもあるんだよね~。本当にフーヴァー一家こそ、サイテーでサイコーな家族って言えると思う。イラつく位にオンボロなミニバスでの旅を通して皆がそれぞれ、人生の底に落とされかねないような苦難に見舞われる。だけどどんな苦難に見舞われた時でも、(確かにアホ一家ではあるけど)家族が支えてくれ、乗り切っていく。そしてそういう過程があったからこそ、純真な娘だけには辛い思いをさせまいとコンテスト中、一家が捨て身でステージに上がる。たとえ会場にいた人間の97%に「コイツラ、頭おかしいんじゃないの?ホント、負け犬だよな」みたいに白い目で見られても、そんなのお構いなしに一緒に精一杯踊って思う存分に楽しんだ。こういう家族愛がどことなく可笑しく感じられ、笑いつつもそういう温かみに触れ、泣きたくもなる。そしてコンテスト後、「釈放する代わりに、もう二度と『リトル・ミス・サンシャイン』コンテストに出るな」って言われた時この映画観てる人はきっと同じ事を思うはず、「もうそんなコンテスト出る気ねーよ!!笑」って。だってプラスチックのティアラなんかより、みんなの経験と想いが詰まったオンボロなミニバスの方がよっぽど意味があるし魅力的だもん。 人生、勝ち負けなんかよりいかにチャレンジし続けるかに価値があることを教えてくれたミニバスちゃんに。 【たいがー】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-12-28 21:17:03) (良:1票) |