8.《ネタバレ》 偶然、同じ高校に入学した異母兄妹はお互いを強烈に意識しながらも会話できなかった。大人たちの都合を背負うには、若すぎたのでしょう。二人が通う高校の伝統行事「歩行祭」。1日かけて80キロを踏破するその行事は高校生活における非日常。合宿の夜や、体育祭後のキャンプファイヤーなどと同様に青春の匂いに満ちている。その行事が醸す空気と友人たちの協力を得て二人は高い壁を乗り越えた、って普通に話すだけなんだけどね。映画を一本使い、80キロを歩いて辿り着くの場所が極めてパーソナルな関係の正常化だけですが、そのチマチマ具合にとても大切な青春の断片を観せてもらいました。原作も読んでいますが視点の置き所が秀逸だと思います。■本作は特別な思いを持って接した作品でした。私が通った高校にも同様の行事があったから。そちらは真冬の夕方に出発し、徹夜で50キロを歩いて翌朝に校庭へ帰還する。特徴は折り返し点が山頂にあること。つまり、深夜の山登り付き。「歩行祭」じゃなく「夜行登山」ってネーミングでした。学校行事というより生徒会行事で2年生限定の自由参加だけど、7割くらいの生徒が参加していた。あの高校の出身者が本作を観たら、間違いなく母校の行事を思い出すでしょう。時間をかけて体力を削る行事って、個々がそれぞれに意味づけすることに意義があります。本作はその感触を再現してくれていて、なんだか嬉しかったです。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2011-06-19 23:47:23) (良:2票) |
《改行表示》 7.《ネタバレ》 長い。随分前に原作を読みましたが、これは原作を読んだことがなければ、退屈極まりないんじゃないかな。特に前半。 そもそもこの原作は登場人物、とりわけ貴子の心情描写がメインの作品。とても映画向きの題材とは思えないんですよね。これを映画=エンターテイメント作品にしようと思ったら、監督をはじめとしたスタッフの、『センス』『力量』『工夫』、あらゆるものがかなり高いレベルにないと面白くならないと思うのです。でないと、この作品の、特に前半のように、ただダラダラとしたイメージしか見えてこない結果になります。 それにこの内容で2時間は長いって。内容を見ても、必要な尺だったとは思えません。このストーリーであれば、どんなに長くても90分以内にはおさえて、その限られた時間の中で必要な回想シーンや、主要人物同士のコミュニケーションを上手く取り入れてほしいです。雰囲気作りに時間を無駄にかけすぎです。 とはゆっても、原作を読んでいると、味わい深い作品であることも確か。登場人物に思い入れがある分、映画の世界に入り込みやすいです。ですので、これは映画単体の評とは言えませんが、一見平坦に見える『夜のピクニック』にも盛り上がるポイントはいくつかあります。 『ラスト20kmの自由歩行スタートのシークエンス』 『回想シーンでの、貴子の母親の告白』 『杏奈の弟が終盤に落としていく爆弾発言』 などなどです。 ただこれらはすべて後半に集約されていますから、前半1時間はまじでだるいです。原作読んでいても、30分過ぎたあたりでもうだるいので、原作読んでいない人には苦痛でしょう。 ・・・せめて、もうちょっと早く歩いてくれないかな! 【たきたて】さん [DVD(邦画)] 6点(2018-05-05 11:53:58) (良:1票) |
《改行表示》 6.《ネタバレ》 題名の印象からしてよほど特殊な出来事かと思っていたら、要は水戸一高の年中行事の話なのだった。むかし知り合いだったデブの××やすらりと華奢な○○さんがこういうことをやっていたとは初めて知った。旧制中学校の時代だったら色気も何もない男ばかりの体力勝負になったろうが、今は告白の機会と捉えられているらしいのは世の中の軟弱化ということである。 映画としては序盤から羽目を外し加減なのが少し意外で、劇中提供される笑いにも同調しづらい状態で推移する。唐突にファンタジーアニメになったり役割不明な登場人物がいたりして戸惑い気味に見ていたが、しかし次第に何が問題なのかがわかって来て、最終的には疑惑の2人が似た者同士に見えて来たので、自分としてもそれなりにこの映画を受け取れたという気にはなった。 映画単体だとその程度だったが、その後に原作を読むと2人の心情が切ない青春小説で9点くらいつけたくなった。この原作を読んでいれば、この映画もその映像化版/簡略版として素直に受け取れるところが多いと思われる。これでこの物語の真価がわかってから、さらにサイドストーリー集「ピクニックの準備」を見ると劇中世界が広がって登場人物にも思い入れが生じ、そのまた後に再度本編を見るとコメディ部分も笑えるところが若干増え、2人の思いも素直に心に染みて来るようになる。ここまで気合いを入れて見てやっと全面的に受容できたが、同様のことをする人はそう多くないだろうとは思う。 なお自分の高校にこういう行事はなかったが、ちょっとした事情で夜間歩行をさせられて30kmくらい歩いたことはあり、それまで存在も知らなかった峠道や、車も通らなくなった海沿いの道など歩いて面白かった。そういうときの夜の異界感や高揚感がこの映画に感じられるかというとそれほどでもないが、仮眠所の灯りが眩しい様子などはよかったかと思う。 【かっぱ堰】さん [DVD(邦画)] 6点(2017-05-15 18:51:00) (良:1票) |
《改行表示》 5.《ネタバレ》 映画を観る前に恩田陸の原作小説を先に読むことを強く勧めます。 小説が非常に良く、残念ながら映画では、その内容の深さが10%くらいしか伝えられない。つまり、小説を読まないと、この映画の裏の、モロモロの登場人物の事情が判らないため、ストーリーが淡々と進んで、敬遠していた兄妹が会話出来たで終わってしまう。その中での、友達同士の絆とか、色々な内容が抜け落ちてしまうため、小説を先に読むことです。 小説を映画にするのは、なかなか難しいですね。 【cogito】さん [DVD(字幕)] 6点(2016-08-07 19:43:14) (良:1票) |
《改行表示》 4.《ネタバレ》 この映画と似たような夜行登山の行事があったので、なんだか懐かしい。 等身大の高校生を描いているので自身の学生時代と自然と重ねて見ることに。 派手な展開は一切なくまったりと高校生の一日を描いている。 そのためインパクトが弱く印象に残りにくいが、じんわりと来るものはある。 時々アニメなどギャグタッチの演出が挿入されるが、等身大のリアルな高校生という作品のトーンと合わず違和感あり。 口もきけなかった異母兄弟を中心にストーリーが展開するが、その会話でお互いを気にしてよく観察していたことがわかる。 空気を読まない暴露発言で周りを凍らせた杏奈の弟、夜通しハイテンションな高見、超打算的で男を惑わす亮子など、脇で登場するキャラもいい。 多部未華子が女子高生役にうまくハマっていてリアル感を増している。 恩田陸の原作小説は未読だが、読んでみたくなった。 【飛鳥】さん [DVD(邦画)] 6点(2013-06-02 00:45:40) (良:1票) |
3.素朴な映画だけど、こういう等身大ムービーは大好きです。もうおっさんとなった自分にも、こんな社会に出る前の学生生活はありました。(未だに卒業しきれてないですが・・)高校の修学旅行などで友情が育まれて、今でもその頃の友だちとはつきあい続いてます。誰もが自分より友だちを思いやる、こんな空気を映画にするって大切な事だと思うんです。青春進行形の若者にはこの映画の良さが分からないかもしれない。でも、この頃のありかたで後の人生も決まってくるんです。このような友だちは大事なんですよ。そして今の若者にもいい青春送ってほしいとみんな思ってるのですぞ。不良の映画、スポーツの映画など青春描く映画は多いけど、こんなまったりした映画はもっとあっていい。いじめ、卑怯、など青春の負の側面を描く映画が多すぎる! 【トント】さん [DVD(邦画)] 6点(2011-07-31 02:53:18) (良:1票) |
《改行表示》 2.《ネタバレ》 80kmをひたすら歩くロード・ムーヴィ。 前半は話が掴みづらく、やや難儀したが、後半がなかなか良い。 そして音楽がいいせいか、観終えた後の気分が意外と良い。 地味な作品だが、スピンオフ作品『ピクニックの準備』も観てみたい、と思わせる魅力があった。 そして本作のテーマとなっている「歩行祭」。 これって良いなぁ。 こんな高校祭が、自分が高校生の時にあったら、しんどいけど、さぞかし楽しいだろう。 一生の想い出もできそうだしね! 【にじばぶ】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-06-01 01:47:26) (良:1票) |
1.映画館で見たので、夜空を見上げて歩いている気分が味わえました。主役二人の顔が似ているのがよかった。 【はるこり】さん [試写会(字幕)] 6点(2006-12-27 01:04:35) (良:1票) |