11.映画には二つの種類があると考えます。感情や気分や爽快感みたいなものを伝える『経験しておくべき作品』と、己が生きているこの今の世がどうあるのかというインフォメーションを『知っておくべき作品』。「ブラッド・ダイヤモンド」は後者です。これを観て、現在のアフリカの状況にたいしてあまりにも知識がなさすぎるのは、現代を生きる人間にとって”まずい”ことなのではと思いました。世の悲劇をすべて知れとはいいませんが、世にある大きな不正義は知っておくべきことだと思います。
【チビすけ】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-02-24 22:50:19) (良:2票) |
10.「ラスト・サムライ」では時代劇で日本人を感動させるというウルトラCをやってのけたエドワード・ズィックがまたしてもやりましたね。綿密な研究により極めてリアルにアフリカの問題を描いた良作です。ダイアモンド争奪戦を軸に、政府軍とゲリラ勢力の対立、虐殺、少年兵、先進国の無関心、貧困につけこむ大企業・傭兵とさまざまな要素をぶち込み、これを破綻させることなく上質なドラマにまとめ上げ、さらに娯楽作としても満足の仕上がりにしてみせる手腕は相変わらず見事としか言いようがありません。ロケーションにこだわった映像の説得力は抜群でアフリカの悲惨な現実を浮き彫りにするし、アクションも見ごたえ十分。少年兵のくだりなどは特に恐ろしかった。また、主人公3人がそれぞれの思惑を持ってダイアモンドを目指すあたりにも感心しました。なんだかよくわからない理由でアクションをやる主人公の映画が多い中、本作の登場人物たちはそれぞれにしっかりとした動機を持っているので、余計な疑問を持たずにドラマに集中できましたから。「アミスタッド」「グラディエーター」とアフリカ人役でおなじみジャイモン・フンスゥ、頭の良い美人をやらせたら天下一のジェニファー・コネリー、「ハムナプトラ」「24シーズンⅣ」など胡散臭いえらいさんにピッタリのアーノルド・ボスルー、各自よくハマっていました。ただし唯一残念だったのがディカプリオで、確かに彼はよく頑張っていました。超現実派のひねくれ者が次第に人間味を取り戻す過程を嫌みなく巧みに演じていたし、アクションも非常によかった。ただ、アフリカの内戦を戦い抜いた百戦錬磨の傭兵にはどうしても見えないという大きな弱点が。体の線が細いし、あの童顔ではヒゲを生やしてもあまり強そうには見えません。同世代の俳優であればマーク・ウォルバーグあたりの方がより傭兵らしく見えたと思います。こういうとこ、顔のいい俳優は損ですよね。本人がいくら頑張っても、ルックスのせいでできる役柄が相当限られてしまうので。トム・クルーズもブラッド・ピットも苦労しているところですが、ディカプリオは兄貴分のジョニー・デップのように演技とルックスを両立できる俳優になれるのか。とりあえず今は成長過程だと思います。 【ザ・チャンバラ】さん [映画館(字幕)] 7点(2007-04-13 01:41:28) (良:2票) |
9.ズウィック監督は紛争ダイヤモンドの話を広く世に知れ渡らせることが目的だったと思うので、その役目は十分に果たしたと思う。
ただただ悲惨な映画にもなりうる題材ですが、恋愛と更正と友情を絡ませて、切ないけど清々しい作品に仕上がっています。
この年代のアウトローな人物を演らせたら、レオ様の右に出る役者はいないのではなかろうか。 【めたもん】さん [インターネット(字幕)] 7点(2018-08-07 17:29:49) (良:1票) |
8.家族を救うため必死なソロモンとダイヤ密輸に暗躍する死の商人アーチャーの奇妙なコンビだが、不思議とどちらも応援したくなる。アーチャーがダイヤを欲しがった本当の理由は何なのだろうか?本当にアフリカを抜け出したかっただけなのだろうか?まだ別の理由がありそうな気がするが描かれなかったので想像するしかない。貴重な資源を巡るアフリカの悲しみやそれに振る舞わされる住民、食い物にしようとする欧米の思惑などが全編を悲しみで覆い尽くしている。どんなにいい結末でも、心が晴れるようなことはないと感じさせる映画であった。好み35/50、演出12/15、脚本12/15、演技9/10、技術6/10、合計74/100→7/10点 【chachabone】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-07-02 23:17:35) (良:1票) |
7.《ネタバレ》 紛争鉱物というのでしょうか、血塗られたダイヤモンドの話。生々しくてかなり訴えるものがあった。シエラレオネで起こった悲惨な事実に、ある程度のエンターテイメントが加えられて、鑑賞しやすかった。しかしレオナルド・ディカプリオは少し傲慢でやな奴の役がよく似合うな、、、。 【lalala】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-06-11 00:07:13) (良:1票) |
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6.《ネタバレ》 自分の知らない悲劇が今も世界の何処かで起こっている事を、エンターテイメント作品の形を借りて再認識させてくれる良作。 本作ではダイヤモンドが題材だが、こうしている今も世界中で題材を産廃物や希少金属に変えて同じ事が繰り返されている筈。 問題の根が深いだけに映画化は難しいのかも知れないが、下手なドキュメンタリー作品よりも世の中に知られる確率が高いだけに、もっとこの手の作品が増えてもいいと感じた。(実際、「ドキュメンタリー」というだけで観ない人は多い) ディカプリオは年齢を重ねてチャラチャラした所がぐっと減り良い役者になってきた。今後も期待したい。 【たくわん】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-03-23 17:42:40) (良:1票) |
5.ズウィックは「ラストサムライ」失った信用を取り戻しましたw 【Junker】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-02-14 02:01:50) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 RUFに攫われた子に教育を受けさせてる善人なおっちゃんが言ってましたね。人の善悪とは、おそらく行動で決まるんだろうって。まさしく悪人そのものであったディカプリオ扮するアーチャーが、最後の最後によい行いをする。あのシーン、ぐっときますなぁ。この作品のテーマは、「人間にとって本当に価値のあるものとはなにか?」であります。アーチャーにとってそれは宝石。しかし父ソロモンにとって最も大事なものは家族であり、息子はまさに宝石なのであります。二人の葛藤劇はそのまま「息子か?それとも宝石か?」のせめぎ合いであり、最終的にはアーチャーの行いによって、息子に軍配が上がる。ソロモンがロンドンで家族と再会した時、取引業者はその光景には目もくれず、ずっと石ころだけを見ていた、あのシーンが鮮烈です。そう、このテーマは普遍的なものです。アフリカという遠い遠い場所の出来事、全く関係がないよ、なんて思ってみても、この作品が投げかけるテーマはまさしく我々のような物質文明に生きる現代人に、そのまま大きく関わってくる根源的な問いなのです。 【あろえりーな】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-09-17 02:49:13) (良:1票) |
3.この映画を見終わって帰るとき、つくずく平和ボケでもなんでもいいけど日本人で良かったと思いました。!全編に漂うやりばのない虚無感。悲壮感。怒り!!ちょっと胸くそが悪くなりますね。どんな時でも大儀名分をかざして、いたいげない子供やか弱い女性を不幸のどん底へ引きずり込み、戦いは関係のないものを巻き込む。そんな中でいきぬかなければならなかった主人公をディカプリオが好演していますよ。ジェニフアーも久しぶりですね。すっかり大人の女になって、おじさんは嬉しいよ!!アフリカの土に根ざした人間は、やはり大地にまた戻っていく。ダイヤもそうあるべきだと決断してダニーはソロモンにダイヤを託します。アフリカを欲と金の戦場へとしむけているシンジケートを日の目にさらす。そして、ダニー自身も安らかに大地に眠りたかったのでしょう。 確かに重い題材です。でも私にはこの幸せな日本を見直す作品になりました。是非!見てほしいと思います。 【としべい】さん [映画館(字幕)] 7点(2007-04-15 21:45:04) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 すごく軽い気持ちで立場の違う人々がダイヤモンドを奪い合うアクション映画かと思って観に行った。ところがところがシリアスな社会派映画ではないですか。上映時間が140分と長いながらも短く感じるほどに映画の世界に引き込まれました。残酷なシーンも結構あるのですが、それは私達、平和で裕福な国の国民こそが目を逸らしてはいけない部分なのではないだろうか。今、たった今にもこの地球のどこかでは年端もいかない少年達が銃器を持って人を殺し、また殺されている。その事実に私達はなにもできないけど、その事実を知っていることは必要なことである。観て良かったと思える映画である。レオナルド・ディカプリオはさすがの演技。早くアカデミー賞を獲ってほしい。 【いっちぃ】さん [映画館(字幕)] 7点(2007-04-08 00:41:31) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 引っ張るなあ~、ディカプリオ!流石に2時間強は引っ張り過ぎだろ~w。うんうん、この監督はレオが「タイタニック」以来の、「自分を犠牲にして死地に赴く男」という十八番キャラが彼の魅力を一番際立たせる事をよ~く承知した上で演出してますね。「ディパーテッド」のスコセッシ監督とはそこが違う。実際しょっぱな登場するシーンから、いつ脳天に弾丸打ち込まれてもおかしくない、危機また危機のつるべ落ち状態のレオ氏、そりゃ眉間ジワがいつまで経っても取れないのは当たり前ですわ。キャンプでのジェニファーとの別れのシーンあたりからぐっとテンションは高まり、ラスト少年のような笑みを浮かべるレオの表情・・・映画がヒットすれば日本でのレオ人気再燃させる事必至。でも何故彼ら主役3人だけが銃撃戦をかいくぐり、殆ど痛手も負うことなく安全地帯に逃げのびられるのか?彼らが途中で死んだらハナシが進まないからという理由はあると思うけど、鑑賞中、何度も何度も観客にその疑問を差し挟ませてしまう所が唯一この映画の弱い部分だと思います。極力ロマンス色を排し、社会性とエンターテイメントをうまく両立させた佳作! 【放浪紳士チャーリー】さん [映画館(字幕)] 7点(2007-04-07 14:34:57) (良:1票) |