4.映画は時代を映す鏡でもある、ということで、↓そうそう、こんな時代もあ~ったねと♪(byみゆきさん)つい強調したくなる。この映画が作られた昭和37年というとまだ高度成長期前で大方の人が生活に余裕もなく貧しさも当たり前だった頃。 暮らしが大変だからこそ大人も子供も困難も多く頑張らざるを得ないのだけど、それが悲惨とか暗いというのではない。 そういう時代なんだしそういう中でも夢や希望もある。前向きで明るいジュンのようなしっかりものや逞しく頑張る子供たちの姿は時代が一変した今見るといっそう感動的。特に弟のタカユキと彼を「親分」と呼んで付き従う朝鮮人少年とエピソードの数々が生き生きとしてて素晴らしい。今なら北朝鮮へ帰ったあのサンキチや家族には過酷な運命が待っているだろうと分かるが、この当時はそんなことを知るはずもなく希望を持った帰郷だと誰もが信じてたわけで・・・ いろんなエピソードも登場人物の誰もが見事に調和し、前向きに一生懸命生きる素晴らしさを力強く訴えてくる。
【キリコ】さん 9点(2005-01-30 21:42:08) (良:2票) |
3.特にレビューするまでもなく推しも推されもしない名画なんだから、特別書くこともないんですがねえ。もう久しく見てなかったけど、DVDで見直してみました。吉永小百合の弟が、朝鮮に帰国する同級生に袋いっぱいのビーダマを渡して「北鮮は新国家建設中だからビーダマなんかねェだろう」って言うシーンは、時代を感じちゃってホロリと来ましたわ。この映画を作ってた当時は、誰一人こんな拉致問題の時代に突入するなんて想像しなかったんだろうなあ…個人的には担任の先生、通称「スーパーマン」の演技が好きです。東野英治郎の頑固オヤジぶりもイイすね。良くも悪しくも、お行儀のいい「よいこ映画」を脱する事ができないっていう欠点があるので、1点マイナス。気持ち的には10点ですが、殺伐とした昨今の世情にもまれながら見ると、「もう賞味期限が過ぎた映画なのかなあ」とか悲しく思えてきます。 【エスねこ】さん 9点(2004-02-21 23:30:57) |
2.舞台は鋳物の町で有名な昭和30年代の埼玉県川口市。健気でしっかり者の少女を演じる吉永小百合を中心に添え、貧乏だがしたたかにやりくりする彼女の一家の様子を、生活感溢れる演出で描いてゆく。時にはホロ苦く、時には涙を誘うヒューマンな作風は、監督浦山桐郎の庶民に対する温かい眼差しをも十二分に感じさせてくれた。個人的には、タカユキと朝鮮少年とのペーソス溢れる物語りが忘れられない。伝書鳩を飼育して競い合う(この当時、大規模な鳩小屋があちらこちらにあった)、ほったて小屋を見つけては自分達の秘密基地にする(未整備の荒れ地がまだまだあった)、新聞や牛乳を配達して少しでも家計を助ける…等々、ジーンと胸に染み入るエピソードばかり。ところでこういう映画って、下町に育ち多少なりとも生活苦を体験していないと、ピンと来ないのではないだろうか。私としては、昭和30年代から40年代にかけて都市近郊の下町に育ってきたこともあり、大いに共感を覚えノスタルジーを感じさせてくれた。日本映画史上、確かな位置付けにある名作です。 【光りやまねこ】さん 9点(2004-01-28 13:55:53) (良:3票) |
1.貧しかった頃の日本の姿、前向きに明るく生きる若者達。ほとんどの場面にいとおしさを感じました。今となっては欺瞞以外の何物でもないと判明してしまった北朝鮮帰国事業も当時の世相を示唆しており興味深い(ただしプロパガンダ映画の類ではないと思います)。清楚な瑞々しい吉永小百合を見るだけでも感動! 【JMSDF19】さん 9点(2003-01-03 00:01:22) |