11.どう転んでもニヤけて見えることの無いチョー無骨な役者の不朽の名作を、なんでわざわざ絶対にニヤけて見えてしまう腑抜けのような面構えの役者を使って大真面目にリメイクするのか!WHY織田裕二?ミスキャストなんていう次元の話じゃないでしょう。あれは 自己愛性人格障害系のちょっと あれな あんちゃんでしょうが、あれは 。製作に関わったみなさまがた、あんたら気は確かか、と言いたい。案の定織田三十郎には三船にあったむさ苦しさも奥ゆかしさも知性も威厳も重みも品格も何もかにもぜ~んぜん感じられない。特に女性に弱い照れ屋には 金・輪・際 絶対に見えない。織田の思いきり軽い雰囲気とシナリオとの齟齬は目を覆うばかりで気恥ずかしいことこのうえない。ついでに豊田悦司もまるで悪徳御殿医のようで剣豪には見えましぇん。ある意味驚くべき映像の連続。しかし!自分の中にわき起こる激しい拒絶反応を押さえつけて無理矢理見ていたら、どういうわけか半ば過ぎから得も言われぬ多幸感に包まれた。気持ち悪〜〜ぃのがなんとも心地いいのだ!なんなんだこれは?悪い冗談のような驚愕の映像を見続けて軽い精神崩壊が起こったのかもしれない。あるいは未知の脳内物質が合成されたのかもしれない。素晴らしい!よって、これは2作品を併せて上映して悪夢のような不条理感を味わうのがいいという結論に達した。監督が「オリジナルを観る呼び水に」的な発言をしているのだから “ 椿三十郎 - Light-”と銘打って無料配布するとよろしいのではないだろうか。 【皮マン】さん [CS・衛星(邦画)] 2点(2008-12-02 18:30:18) (良:2票) |
《改行表示》 10.《ネタバレ》 製作サイドに黒澤オリジナル版を超えようという意識は無かったと思う。映画関係者なら尚更わかると思うが黒澤版にはそれほど隙がない。 森田氏は「今の若い人にあの脚本の素晴らしさを知ってもらいたい」と言ったらしい。最初から白旗を上げてるようだけど、森田版を観終わった後に実感したのはまさにその点だった。中途半端に脚本に手が入っていないおかげで、自分は安心して役者の違いと演技の違いを楽しみ、役者が変わっても全く退屈しなかった脚本の出来の良さに改めて感心した。ちなみに織田裕二には「四番バッターではなく一番バッターの三十郎を演って欲しい」と言って口説いたらしい。三船敏郎のあの演技に比肩し得る役者がイメージできず、方向性を変えるしかなかったのだろう。そう考えると、菊井側の侍を大量に斬殺するシーンのもたつき方も頷けるし、三十郎初心者には筋の通ったキャラクターに見えたはずである。自分はこの映画を楽しんだ。黒澤版との違いも楽しめた。おそらく森田版は目的を達していると思う。 だから、改めて言っておきたい。この映画を観たからといって、黒澤版を観ずに「椿三十郎」を終わらせているとしたら、それは大間違いです。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2008-11-09 00:19:15) (良:2票) |
《改行表示》 9.《ネタバレ》 オリジナルは未見。“黒澤映画を知らない世代”である自分がオリジナルを観ずにリメイクを観ることで、他の人とは違う感じ方や、他の人とは異なったレビューができるのではないかと考えたため、鑑賞することとした。一言でいえば、“普通に面白い”というところか。角川映画の変なところにチカラが入った気合が、逆に新鮮に感じられる。 織田も相当気合が入りまくっており、彼のキャラクターには魅力を感じられた。 しかし、「ものわかりが良すぎる」のが欠点だろうか。 「鞘に収まらない刀」という設定の割には、彼は「いい人」過ぎる。 外見は粗暴であるが、中身はそれほど悪い人ではないというところまでは同意できる。 しかし、本質であるコアな部分は「鞘に収まらない刀」であるということをきちんと描いて欲しかった。 切りたくなくても人を切らざるを得ない性分、争いごとに巻き込まれて困惑するのではなく、争いごとにクビを突っ込まざるを得ない性分を描いてこそ、「鞘に収まらない刀」なのではないか。 残り9人に慕われるのではなく、最後の最後には残り9人から嫌悪されるようになってこそ、本作の深みが増すような気がする。 エンドクレジット中に背を向けて一人歩く彼の姿に、彼の孤独がみえない。 “狼”はいくら頑張っても“羊”や“兎”にはなれないという孤独があってもよかったのではないか。 単なるヒーローモノとしては“普通に面白い”が、“傑作”にはなり得ない作品だ。 気になったのは「織田と豊川の対決時の風の音」だ。 二人の対決時の効果音として、「風の音」「草木が揺らめく音」などが盛り込まれていた。 この演出自体は緊張感を高める効果としては悪くないと思うが、肝心の“風”がほとんど吹いていないのが問題だ。 なぜ“風の音”の演出が必要かというと、最大のクライマックス時に“まったく音がしない”という演出をしたいがためである。“まったく音がしない”という状況を効果的に描くためには、何かの“音”を立てる必要があった。そのため、何かの“音”を立てるという演出自体は、理にかなっていると思うが、プロとしてとことんこだわるのならば、きちんと“風を待つ”という姿勢が大事なのではないか。 人をいくら切っても血が出ないことにはまったく違和感を覚えないのだが、こういう部分には違和感を覚えてしまう。 【六本木ソルジャー】さん [映画館(邦画)] 6点(2008-01-05 17:38:57) (良:2票) |
《改行表示》 8.《ネタバレ》 黒澤信者で三船ファンであり良くなっている可能性などあるはずがないと先入観バリバリの私が観に行くのは、もはやオリジナルの評価を高めるためや血眼になって粗を探しケチョンケチョンにけなすためという不純な動機からではないかと思い、最も気になる一場面を除いては楽しむ気分満万で鑑賞したのですが…、残念ながらその場面がこういう風に撮られていたら面白くないだろうなぁと想像していた通りのシーンになっていました。それは人質となった若侍を助けるために三十郎が斬りまくる一連のシーンなのですが、黒澤版では三十郎が三人を追いかけ一瞬のうちに斬り伏せた後、走って屋敷に戻る一連の動作を長回しで撮り、さらに屋敷内で皆殺しにしてしまう場面では電光石火の早業で逃げ惑う門番すらもバッンバッンと(この効果音も凄い)たたっ斬ってしまいます。この迅速さに容赦の無さが化物三十郎の抜き身たる所以だと思っていたのですが、本作ではまるでスピード感に欠けるのです。もちろん同じ方向で勝負しても勝ち目はないわけですし、時代劇の現在の枯れた土壌を考慮すればもはや殺陣ができないのは仕方なく工夫した結果だと思いますが、血糊で斬れなくなる面白味の無い妙なリアリティや斬り合いの最中にすっ転ぶ必要性がどこにあるのかとツッコみたくなるのです。それとは逆に、最後の決闘の場面は一瞬で終わってしまうのでこれは練習すれば現在の役者さんでもイケルと思っていたのですが、スロー再生で見せ意味深に刀を鞘にしまわせるとは…。転ぶのと同じでそんなことする必要性がどこにあるのかと思ってしまうのです。まぁこれは最も有名なシーンですのでそこで独自色を出したいという作り手の心情があるのでしょうが。 それでも私のようなノスタルジーに浸る者のツッコみ覚悟でリメイクした勇気は賞賛に値しますし、個人的には?だった小林桂樹さんの押入れの捕虜がそれらしくなっていたのは良かったですね。 【ミスター・グレイ】さん [映画館(邦画)] 6点(2007-12-04 18:09:12) (良:2票) |
7.いや、何よりもまず黒澤作品をリメイクしようという森田芳光監督らを評価したいですね。ただでさえリメイクはオリジナルに絶対に適わないうえに、時代劇なんか誰も見向きもしない今の時代に(公開初日だというのにガラガラ、案の定観客の平均年齢は高かったです)黒澤作品をリメイクしようと言うのですから評価してあげたいですよ。叩かれることうけあいですしね。 で、問題の織田裕二ですが・・・思ったより悪くなかったと思います。三十郎が織田裕二と聞いたときは、ねーよと思いましたが観てみれば、そんなに酷くはありません。そりゃあやっぱり三十郎=三船というイメージが頭の中にあるので多少の違和感は感じずにはいられませんでしたが・・・。他にも2,3言いたいことはありますがこの辺にしておきましょう、この後は批判の嵐が続く予感がしますし・・。 まあ、何ですか、小難しい話は一切無い娯楽作品なんです。殺陣かっけええ!室戸との対決すげえ!押入れ侍おもしれえ!とかそんな簡単な感想でも抱ければそれで良いんじゃないでしょうか。 それとせっかくリメイクされたのですから、もっと多くの人に観て欲しいですね。日本人に生まれて「ラストサムライは知ってるけど黒澤時代劇は知らないよ」・・・そんなのはちょっと悲しいじゃないですか。モノクロは受け付けないって人もせめてこのリメイクぐらいは観てみてください。 【ケ66軍曹】さん [映画館(邦画)] 8点(2007-12-01 18:53:41) (良:2票) |
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《改行表示》 6.《ネタバレ》 どうして現場に血が流れるんだぁー!ねえ室戸さん?室戸さーん!! 前作を忠実に再現したコミカルかつテンポの良い活劇。 若侍たちの金魚のフン振り(加山雄三と田中邦衛と土屋嘉男以外マジで見分けが付かない)も見事に再現。 ただ、さとう珠緒は軽すぎた。 アレじゃあ、今作三十郎の優男の側面が強調されてしまう。 かといって鈴木あんが乗っても微妙であろう。 「早く行けデブ」と言うようなもんだ。 それじゃあ品が無い。 入江たか子さんには悪いが、やっぱり三十郎に「うっ」と言わせられるのは、あの人くらいのウエイトと年季が無いと。 「お歳をめした貴婦人なら仕方無いね」感が。 あと最後の決闘。 スローモーションにする意味は無かったな。 一瞬の「バッー!」って出来事だからこそ、あの場面は映えるしカッコイイ。 脚本が忠実なだけに、無駄なアップと同様にマイナス演出になってしまった。 実に惜しい。 そして特筆すべきは織田裕二。 その邪魔な前髪をむしれ(憤慨) 原作では凄まじい実力と凶悪な人相に対して、義侠心に厚く知能派浪人というギャップが魅力であったが、今作では織田裕二特有のコミカルで爽やか、心優しきチンピラ風味な三十郎像を楽しめる。 どうせならその個性をもっと押し出すべきだった。 せっかく脚本に忠実なんだから、その上で新たな三十郎像を見出すのがリメイクの目的のはず。 【すかあふえいす】さん [DVD(邦画)] 8点(2014-12-13 19:14:03) (笑:1票) |
5.ストーリーは面白かったんだけど、気になったのは不自然な話し方。『だぜぇ⤴︎』って、三船さんよりスギちゃんに近いわ。 【SIN】さん [DVD(邦画)] 6点(2014-01-20 00:07:29) (笑:1票) |
4.オリジナル版の話だが、『用心棒』の大成功によって東宝から「三十郎」を主人公にしたものをもう一本作って欲しいと依頼され、すでに出来上がっていたシナリオの主人公を「三十郎」に書き換えたものが『椿三十郎』。つまり三船を念頭に置いて書かれたシナリオである。いや、もちろん、役者というのは他人を演じるわけだから、仮に豪傑な三船を念頭に作られたキャラであってもそのキャラを演じるのが役者の仕事。なのだがその役者が個人的に受け付けない織田裕二ときた。まあ好みは置いといて、はたして織田がそのシナリオにあるキャラを演じることが出来たのかというと甚だ疑わしい。というと戦犯は織田と言い切りたいがそうとも言い切れない。そもそも織田を選んだのは森田。それに捕えられた若侍たちを助けるための無駄な殺生シーンの悪鬼のごとき非道ぶりを全くもって消し去ってしまい、そのうえ格好だけはいいというあり得ないオブラートの包み方はなんなのだ。あそこにこそ武士道を変に勘違いした若侍たちの強烈な戒めが描かれると同時に「抜き身」と評された主人公の怖さが描かれたシーンなのに。そっくりそのままリメイクするならちゃんと細部までそっくりそのままでいかんかい。 【R&A】さん [DVD(邦画)] 3点(2009-11-02 15:58:09) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 流石原作クラッシャー森田芳光、最後の砦である黒澤作品も何の躊躇いも無くリメイクして崩壊させてしまった。大体「模倣犯」の監督がのうのうとまだ監督をやれている時点でおかしい、邦画の質の低さの原因はこの馴れ合い体質に尽きる。更にシャブ中の角川春樹まで関っているのか、どうしようもないな。黒澤映画という最も重厚な映画に、軽い役者の代名詞である織田裕二を選ぶ神経が分からない。どう考えても織田自身が世間一般の感覚とズレているし、独特の喋り方のあの胡散臭さが生理的に受け付けない。世間では何割の方が支持しているのか一回投票でもすればいいと思う。豊川悦司の妙に高い声・ガッツポーズをとる鈴木杏・松山ケンイチ以下キャラの被った藩士・他の作品のイメージが強すぎる中村玉緒に藤田まことと他の出演者も微妙に違うと感じた。20年ぐらい前に観た時は面白かった記憶しかないのだが(付けるとしたら9点)、今回出演者が此れだから脚本のアラまで見えてしまった。最初の藩士の話だけでは筋道は分かりずらいし、誘拐したりやることが回りくどい。あとどう考えても1人だけ生き残った織田を疑うだろう。褒められるのは殺陣ぐらい。一番気になっていた最後の一騎打ちは、あれでもいいと思うが血が足りない。 【まさサイトー】さん [地上波(吹替)] 3点(2008-12-30 07:36:55) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 織田起用はさておきリメークの必要があったのか本当に疑問を感じてしまう。素浪人には程遠い爽やかな三十郎と声のトーンが高く凄みを感じぬ半兵衛、それはそれで許容範囲としても、オリジナルでの目的のためには躊躇なく敵を叩き斬る三十郎や半兵衛とは同じ脚本であっても全くの別人であるとしか思えない。それは鞘に収まる良い刀ではなく「抜身」と評されることへの整合性の有無ではないか。「抜身」ゆえに最後の血闘があり、惜しまれても去り行く三十郎がいるのである。森田監督は三十郎を織田でしか考えられなかったという。しかし、ギラつく抜身を表現できないのなら絶対に脚本を変え「織田版」を作るべきだったと思う。単純にこの作品は三船敏郎には似合わない。 【monteprince】さん [映画館(邦画)] 5点(2007-12-09 01:33:34) (良:1票) |
《改行表示》 1.《ネタバレ》 本作一番の難は織田裕二。「もうすぐ四十郎」にはとても見えないし、食い詰め浪人にも見えない。着物は綺麗だし肌はつやつや、歯並びの良い真白な歯だ。ぼさぼさの髷もカットの声がかかる度にメイクさんが丁寧に整えたのだなあと思える人工的な乱れ髪。 森田芳光は黒澤がこだわりにこだわったこういうリアリティには興味がないのだろうか。 そもそも彼のキャラクターづくりがオリジナル台本とずれているので、三十郎の行動全てが嘘くさくなってしまうのだ。 殺陣は頑張ってはいるが到底三船には及ばない。ハリウッド風の細かいカット割りでお茶を濁す。まあ仕方ないだろう。 そして最大の見せ場、最後の決闘。 これは新解釈で立ち会いそのものは評価できる。しかし・・・なぜ再現VTRよろしくスローで繰り返したりするのか。がっかりだ・・・。 スタッフロールをバックに三十郎が去っていくが、そんな歩き方侍じゃないよ。緊張感が足りない。 その他、技術面でも雑なドリーショットや信じられないフォーカスの甘いカットを発見した。これでOKを出してしまうのか? 役者は頑張ったと思うが、総合的にみて、とてもオリジナルには及ばない出来だった。これなら森田流にオリジナル脚本で、新しい椿三十郎をつくればよかったのだ。 【ロイ・ニアリー】さん [映画館(邦画)] 6点(2007-12-02 11:29:47) (良:1票) |