《改行表示》 6.《ネタバレ》 誘拐犯と人質、更には潜入捜査官までみんな記憶を失っちゃって、誰が誰だかわからないというぶっとんだストーリー。これはもうアイデア勝ち。 スタートの雰囲気や状況こそ『ソウ』に似ていますが、これは似て非なるもの。全く別ジャンルの、どちらかと言えば王道ミステリーサスペンスになるんじゃないかな。いや、これもソリッドシチュエーションなんですけどね。 途中までは、自分達が誰だかわからない。なぜここにいるのかもわからない。個々人に断片的に蘇る記憶。更にはトイレで見つかった新聞に書かれている『誘拐』の記事。とゆーことは、自分達は『人質』か『誘拐犯』のどちらかになるのか?っていう、かつてないほどスリリングなシチュエーション。『もし自分が誘拐犯のほうだったら』と、『あいつは絶対誘拐犯のほうだろう』と、それぞれが相手の印象を頼りに想像をめぐらすのが面白い。 また、最初に『誘拐犯』と『人質』の二択しかないと思わせる演出も上手です。これがラストのどんでん返しにつながっていくわけです。 『鏡の前で覆面をはずす自分』⇒『俺は誘拐犯か?』と思い愕然とする。ところが、実は潜入捜査官だったことが何気なく明かされて、見ているほうはサプライズに驚くとともに、ジム・カヴィーゼルがシロだったことにほっとするのです。 こーゆーどんでん返しは、痛快で好き。それに、この作品のプロット、アイデアを利用した展開が面白いです。『自分は真っ当な人間なんだ』とわかったときの安心感はなにものにも代えがたいのでしょう。 だから個人的にはその後のどんでん返しは不要でした。ストーリー的には面白いかもしれないし、そりゃ『ええ?』ってなるけど。『良いやつに見せかけて、実はお前がすべての黒幕なんだぜ。』って言われて、すっきり爽快だった気分が台無しです。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 8点(2018-02-28 15:20:04) (良:1票) |
《改行表示》 5.《ネタバレ》 記憶喪失プロットはすでにいくつもあるところを、あえて果敢に挑んだ監督のやる気はとても伝わります。 何しろ、大胆にも5人全員の記憶をとっぱらってしまう。それによって生じる互いの疑心暗鬼なドラマもなかなか見ごたえありましたし、「こいつが犯人でこっちが人質だろう」というワタシの読みは見事に外れたしで、けっこう面白かったです。 だけど、張り切りすぎて「もう一転」と欲張ったのが結果蛇足な感じになってしまいました。女が絡むくだりはやっぱりとってつけ感が大きいです。途中何度もバシャバシャと挿入される記憶映像にさらりとでもいればねえ、まだ。(いなかったよね?) 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-01-28 23:57:08) (良:1票) |
《改行表示》 4.《ネタバレ》 ハリウッドが得意とするソリッド・シチュエーション・スリラーの中でも、アイデアだけを取り出せば史上最高とも言える作品。「自分以外の誰が敵で誰が味方なのかが分からない」という定番のシチュエーションにさらに捻りを加え、「自分が被害者側なのか犯人側なのかすら分からない」という突拍子もない設定には恐れ入りました。監督はよくぞこんなアイデアを思いついたものです。。。 ただし、そんなインパクトある設定と比較すると、肝心の内容は今一つであると感じました。舞台に散りばめられたヒントをつなぎ合せて真相に辿り着くというのがこの手の映画の定石だと思うのですが、一方で本作は登場人物達に記憶が蘇ることで自然に謎が解消されていくという生温い進行となっており、知的な駆け引きを期待すると裏切られます。また、「自分以外の4人のうち、一体誰と組むべきか?」という心理戦にも魅力がないし、「自分は善人なのか?悪人なのか?」と自身の人間性と向かい合うドラマとしても、話がうまく広げられていません。優秀な俳優を多く揃えながらもこれを活かせておらず、設定に頼り切った内容となってしまったことは残念で仕方ありませんでした。。。 それでも、85分というコンパクトな作品としては充分に面白い映画ではあると思います。ラストにはきちんとサプライズも仕込まれており、水準を超えるサスペンス映画であることは確かです。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 6点(2012-10-09 01:18:04) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 錠に閉ざされた廃棄工場の中で意識を取り戻した5人の男たち。だが5人とも記憶を失っていた。分かっているのは、5人のうち2人が人質で3人が誘拐犯だということ…。展開が「SAW」に似ていますが、これはこれで面白かったです。一体誰が人質で誘拐犯なのか…。これがこの映画の見所で、心理的に自分が誘拐犯ではないと信じているのですが、断片的に記憶が戻るにつれて、自分が誘拐犯かもしれない…いや、あいつが誘拐犯だ…という疑心暗鬼に陥っていく課程がハラハラしました。展開も二転三転してオチが読めませんでした。だだ最後の一転が個人的に×。 【nyaramero】さん [DVD(字幕)] 6点(2012-04-25 19:01:10) (良:1票) |
《改行表示》 2.《ネタバレ》 素直に面白かったです。冒頭の「SAW」丸出しのシーンは、そりゃ当然制作者は承知の上でしょ。それはそれでいいんじゃないかなぁ? ある意味「CUBE」と「SAW」という作品は、ひとつの定型を創り上げてしまったんじゃないかと。追随する者は、冒頭の設定を酷似させながら、後に続く展開でオリジナリティを発揮すれば良いのですよ。 で、本作はというと、長編とは言いながら80分程度の作品。かなり無理して押し込んだ感はありますね。もう少し余裕を持って、せめて100分程度に仕上げれば、もっと深みのある作品になったような気がしてなりません。そのあたりがもったいないな。 でも、多少無理はあるとはいえ、全員が記憶喪失で誰が悪党で誰が被害者か判らないという設定は新鮮。キャスティングもいいし、テンポもいい。ラストの種明かしも良かったんじゃないかな? というわけで、私は大いに満足しました。この監督の次作に期待! 【タコ太(ぺいぺい)】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-10-08 23:24:26) (良:1票) |
1.ソウ級のシチュエーションスリラーを期待して観るとがっくりきます。冒頭はモロパクリですが、全体的な印象はそっち系ではなくて、B級サスペンスでした。ツメの甘さや、細かい設定のいい加減なところなど突っ込みだしたらキリがないです。でも、暇つぶしのゆるいテンションで観ていたからか、もともとB級でも気にならないせいか、俺は最後まで結構楽しめました。最後もとってつけたようなオチですけど、自分的には、とってつけたよーなオチが多分この映画ではよかった気がします。うわ!って思ってしまったから。人は物事の過程の記憶があるからこそ結果を受け入れる事ができるが、もし、その過程の記憶がすっぽり抜けたら、はたして今の状況は自分にとっていいのか、悪いのか、主人公の最後の心境を想像するだけで、鑑賞後1時間は暇つぶせました。 【なにわ君】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-09-07 19:41:53) (良:1票) |