5.《ネタバレ》 実話を基にフィクションで味付けしたようです。善人しか出てこない(笑)。爺さんがスピードに挑むだけで十分な映画的見応えがありますが、その挑戦が生を受けた意義や人生を意味づける営みに昇華されていて心地良いです。ユタ州の塩の平原で、同じくスピードに挑む者たちが主人公を讃えます。同じ地平に立つ者だけが分かる偉大さや勇気があるのだと思いました。 鑑賞中に「いい歳した大人が…」と云うたしなめの言葉が浮かびました。本作を観ていると、それは凡庸を肯定したツマラナイ言葉とも思えます(もちろんルールを外れて他人に迷惑をかけることは除く)。やりたいことがあるなら、真摯に、貪欲に、我儘に。年齢は関係無いのだと思います。世間体や常識に捉われているいい歳した大人たちに示唆と勇気をくれる映画です。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-04-09 21:12:00) (良:1票) |
4. こんな都合よく話が進むわけないべ、と思いつつも不愉快さはなかった。それはやっぱり主人公のバート・マンローさんの人柄によるところが大きいと思う。 とにかくキャラクターが魅力的。こういう自分のやりたいことが明確で、その実現のために周囲を振り回す人物はとんでもない中華思想の持ち主だったりするのが普通だけど、この爺さんは親切にされればきちんとお礼が言える。そして他人の好意は素直に受け取る。全く初対面の相手に心を開かせるだけのユーモアと包容力も持っている。 何より優しい。モーテルの受付嬢が「私、ヤローなの」とカミングアウトしても「これだけいい子ならどっちだっていいさ」。別れ際には「女の子にしか見えないのになぁ」なんてセリフを嫌味なく言ってのける。俺だってリアルで遭遇したら、この人のために何かしてやりたいって気になると思う。実話ということで関係者には申し訳ないけど、ストーリーは割とありふれたものだった。それでも最後まで嫌になることなく観れて、素直に観てよかったなぁと思えたのは、主人公がバート・マンローだったから…だと思う。 アンソニー・ホプキンスの凄さを再確認させられた。レクター博士のインパクトが強すぎたので心配していたけど、開始10分で不吉なイメージは吹っ飛んでしまった。レクターにしろバートにしろ、若者が恐れ入ってしまうような老人特有の「気品」みたいなものは共通していると思うし、それを演じることに関してこの人は超一級だと思う。いい映画だった。 |
3.《ネタバレ》 「グラン・トリノ」を思い出しましたね。ただ、この作品には悪人はいません。暴走族や融通の利かない審査員など、出てくるが最後には応援してくれるというハートフルドラマです。ラストの疾走感と達成感は素晴らしい。バイクへの一途な思いと、悔いを残さない生き方は尊敬します。余談ですが、お爺さんなのに女性絡みが多々ありましたが、実際はどうか知らないが、そっちの方でも元気なのに驚き!!バイク好きにはぜひ、見てもらいたい作品☆ 【マーク・ハント】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-02-06 12:41:09) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 病気、マシーンの不具合、出会う人に恵まれすぎていること等、伏線が沢山張られていたので最後のレースシーンは何かとんでもない事が起こるのではと冷や冷やしながら見てしまいました。レクターのイメージしかなかったので完全に負のオーラを消したホプキンスの演技はさすがだな、と思います。本当に心温まる物語ですね。ただ作品としては悪い人が一人も出てこないので教育テレビを見ているようなバランスの悪さを感じました。・・・自分の心が汚れてるだけかな? 【Kの紅茶】さん [地上波(字幕)] 7点(2009-08-21 19:12:18) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 愛すべき「クソジジイ」の実話。後ろから押してもらわないと発進すらできないバイクと同様、周囲の人々の善意によって、バート・モンローは夢を叶えられた。だが、彼の夢に一役買った人達もまた、勇気と感動を得ることができたのだ。名優アンソニー・ホプキンスならば、夢追い人の狂気を垣間見せることもできただろうに、そうはせず、世間知らずで人の良い老人を屈託なく演じることで、爽やかなファンタジーを完成させた。 【フライボーイ】さん [DVD(吹替)] 7点(2008-10-02 06:56:16) (良:1票) |