5.ほんとに彼がアミンではないかと疑うくらい迫真の演技。 【きままな狐】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-05-22 18:45:25) |
4.《ネタバレ》 ウィッテカーの脂ぎった熱演が素晴らしい。役作りはウディ・アミンの人間性についての綿密な取材に基づいているそうで、心の弱い人間であれば確かに引きずられるだろうと思わせる力強さには、尋常じゃない説得力があった。その上演説は巧み、やろうと思えばユーモアのセンスまで発揮できるわけだから、一触即発の情勢を抱えた国であれば大衆が引き込まれたのも無理はないと思う。
映画を観ていく内に熱に浮かされていくような感覚があり、それがそのまま青年医師が半ば自覚的に(? たぶん)破滅に向かう姿に重なる。おぞましいのにどこか魅惑的な狂気の世界を、肌で感じることができた。昔読んだ原作がもっと長かったのでラストでは肩透かしを食らってしまったけれど、それがなければ普通に満足度の高い作品だったと思う。アフリカの土俗的な熱気を映像に封じ込めているという点だけとっても、稀有な作品といえるんじゃないだろうか。 【no one】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-04-12 22:47:30) |
3.ウガンダへ渡った若き白人医師が、大統領の主治医になって、とんでもないことになっていく恐ろしい伝記。若さゆえの不用意な浅はかさと純粋さで泥沼にはまっていく青年がなんとも哀れ。無知というのは罪で、無知を知らないってことは大罪ですな。虐殺反対。ウ ィテカー怖すぎ。陽気なラテンミュージックに乗った熱量の高い悲劇の映画です。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-03-19 18:42:47) |
2.《ネタバレ》 狂気をちらちらと見せながら、笑顔とジョークで本性を隠すアミン大統領。人が何かを怖いと感じるときは、怖いものが目の前に現れた瞬間ではなく、まだそれが見えないときではないでしょうか。想像力によって人は一番恐怖を感じる。ウィテカーの演技の巧さは、怖さを前面に出したものではなく、それを観客に暗示させるものでした。青年医師の視点からみたアミン大統領が描かれているおり、アミンを一人称にしなかったことで、この暴君の心の中は観客には分からない。それが一層不気味さを醸し出している。恐怖の演出がヒッチコックのように技巧的で秀逸でした。一方的にアミンが加害者で青年が被害者という図式にしているわけではなくて、青年をあえてモラルを持たない軽薄な白人の代表者として描くことで、勧善懲悪の色合いを暈し、客観性を取り入れている。「おまえたちにとってはゲームかもしれないが、おれたちにとってはリアルなんだ」というアミンの台詞が特に印象に残ります。この一言があったからこそ、アミンってこわかったね、で終わらない作品になっている。アフリカをつまみ食いしようとする白人たちと、アフリカの惨状がその台詞から炙り出されてくる。ウガンダの場合、日本の戦国時代のように下克上の世の中だから、機会があれば誰もが敵に報復しようと目論んでいる。憎しみが憎しみを生み、その連鎖は広がっていき、誰もが疑心暗鬼となっていく。そういう中でアミンは神経をすり減らし、モンスターへと変わっていったのでしょう。もしこの大統領がアフリカではなく、日本で生まれたならば、愛嬌のある気さくなおじさんとして人生を終えていたはずです。アミンという人間が特別な人間だったわけではなく、アフリカという大地が彼を生み出したのかもしれません。 【花守湖】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-02-02 10:51:46) (良:1票) |
1.自分で「王様」を名乗る輩に、ろくな奴はいない。自分で「名医」を気取る輩に、ろくな医者はいない。こんな困った数人のお陰で、何万人もの運命が狂ってしまう・・・。硬派社会派ストーリーに、サスペンスのスパイスを少し加えて、ちょっとだけ青年海外協○隊のイメージビデオちっくに撮ってみた、そんな感じの作品です。 【中山家】さん [映画館(字幕)] 8点(2007-04-07 08:53:41) |