5.《ネタバレ》 エヴァはテレビでも観たことなくて、今回映画になるということで本当に初めて観てみることにした。 何の勉強もせず行ったので、最初は「エヴァってガンダム的なものでしょ?」という程度の認識だった。 周りからは「ちゃんと予備知識いれとかないと絶対わからないよ」と言われたけれど、そんなの関係ねぇ! というか、初めて観る人に意味が伝わらないなら、わざわざ10年以上前の作品を映画化する価値がないと思うので、敢えて何の知識もいれずに観たのだけれど、これが予想に反して(?)、面白かった! 最初はシンジがナヨナヨしてるというか、アイツいつになったらバシッとするんだよって思っていたけど、何の変哲もない普通の中学生に、突然「人類を護るためにエヴァに乗りなさい」とか言われたって理解できなくて当たり前なんだよね。 こういう系の作品って、主人公が物分りが良すぎて、すぐにしっかりしちゃうけど、そんなことって多分ありえない。 「逃げちゃダメだ」ってまるで呪文のように繰り返すシーンがあったけど、そうでもしないと怖くて向き合えないのが普通なんだと思った。 「序」の終盤でもシンジはまだまだなヤツだけど、これから少しずつ成長していくのかなと思うと、次回も楽しみ。 最後のヤシマ作戦で、レイの「あなたは死なないわ わたしが護るもの」「さようなら」という言葉と実際に盾となってシンジを護りきったあと、「さよならなんて言うなよ」って泣くシンジに向かって、「わたしこういうときどんな顔すればいいかわからないの」って言うレイ、「笑えばいいと思うよ」と返すシンジ、そして微笑むレイ。 このシーンは最高すぎました。 予備知識がないから間違った認識もあるかもしれないけど、エヴァンゲリヲンが世の中の人に支持される、人気がある理由がわかるなぁと思った。 とりあえず、こうして映画化したことは、少なくとも私にとってはとても価値があると判断できた作品。 【みさえ】さん [映画館(邦画)] 7点(2007-11-11 13:10:29) (良:2票) |
4.《ネタバレ》 TVシリーズ放映から約20年になるんですね・・・・ 昔は、シンジ達の目線でエヴァを見ていたものですが、今回この作品を観ていると、現場を知らない本社の無謀な指示や厳しい上司の無茶振り命令の下で、まだ中学生でモチベーションも低く思うように働かないシンジ達を何とか動かそうとしているミサトさんの中間管理職としての苦労が非常に目に付きました。
まあ、この作品の内容自体はTVシリーズのダイジェストなので、評価はこんな感じです。
【TM】さん [地上波(邦画)] 6点(2014-08-16 07:52:42) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 最近になって庵野監督の奥様である安野モヨコさんの結婚生活マンガ(「監督不行届」)を読んだのですが、その後書きで、庵野監督が「大きな心境の変化」を吐露されていることを知ったこともあって、この劇場版「ヱヴァ」に興味が湧いた次第です。
ある程度TV版「エヴァ」の流れを踏まえた上でこの「ヱヴァ」を見返してみると、一番強く感じるのは劇場版の方がより「開かれた」ものになっている・・・と言うより「人と人の繋がり」と「その暖かみ」がより直接的に描かれている、という点です。この点、とかくシンジ君の孤独な心象が強調されるTV版「エヴァ」とは対照的だと思います(電信柱やビルはシンジ君には何の関係もなく突っ立っており、時にシンジ君はそこに無言の重圧を感じますし、街の喧騒やクラスメイトの暢気な軽口はますますシンジ君を追い詰めます)。
上記庵野監督の「心情の変化」というのもこういう所からうかがえるのかな、と僕自身は感じます。この「ヱヴァ」では、シンジ君の引き受ける「運命」は非常に重いものとして描かれ、それだけに彼のその「運命」を(暖かく、というのが大きなポイントなのでしょう)見守る周囲の人々の気持ちの変化も、TV版と比べて(さりげなくではあるものの)より鮮明に描かれているように感じます。鑑賞中に「『自分』と『外』を隔てる扉がふっと開かれる」ような、何か暖かい気持ちになる瞬間を何度か感じたのも、恐らくこのシンジ君の周囲の人々の心情に強く関係しているからなのだと、僕は思います。
そしてその重い運命を引き受けるシンジ君の主体性と強い意志が、この劇場版でははっきりと見て取る事ができました。正直言って僕は、この劇場版のシンジ君程に強い気持ちを持つ事ができるのか(あるいは今の時点で持っているのか)、自信がありません。それ程に、僕はこの劇場版の方のシンジ君に強く心引かれるのです(今の僕にとって、この劇場版のシンジ君は非常に眩しい、魅力的な少年に見えます)。
個人的な、そして極めて勝手な感想ですが、TV版のシンジ君は、この劇場版のシンジ君になる可能性を秘めた発展途上のシンジ君だったのではないかと、僕は思うのです。庵野監督は、小さくてか弱く、しかし極めて偉大な少年像を、もしかしたら生み出しているのかもしれません。 【マーチェンカ】さん [映画館(邦画)] 9点(2007-11-07 00:05:02) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 なんてーか、相変わらず説明不足というか、必要なプロセスが抜けたシナリオ。 テレビアニメの時にも思っていたが、伏線やら溜めやらが抜けている。 シナリオの文法がなっていない。 ネルフの連中が「自分が勝たなければ世界が滅びる」と言っても、観る側に「負けたら世界が滅びる」という前提が無いから、切迫感、緊張感が無い。確かに強く恐ろしい使徒だよ。しかし、使徒がエヴァに勝って街を破壊しても「この街は滅びても、世界滅びるの?」ってとこでしょう。(セカンドインパクトとか言われても、それがイマイチ何かわからん)ウルトラマンで怪獣が出ても、「所詮日本の一部が破滅したところで、それが世界が滅びることにつながらない」と思うのと同じ。 何の予備知識もない観客に、その映画を観て素直に怖がらせたり、感動させたりするのが映画ではないのか、と。 中学校の友人(名前忘れた)といつの間にか親友になっていたり(命を助けても、それで親友になるのが納得できる程のプロセスは踏まれていない)、その友だちの励ましにシンジが涙したり・・あんなに他人を拒否する人間が、そんな一朝一夕に感動すんのか、と。シンジが綾波レイに「寂しいこと言うなよ」と泣きながら言うのも、「泣いて寂しがるほど親しい相手なのか」と思う。シナリオの「転」の部分で、人を納得させる力が無いのだ。 つまるところ、今まで見たようなドラマを継ぎ足して、「なんとなく」勇気を出すことを決意する場面、「なんとなく」親しい友人になる場面、「なんとなく」友人の身を捨てる覚悟に感動する場面らしきものを作っている感じ。うわっすべりなんだよなあ。 シナリオはロジックだ。そのロジックを踏まえずに、今回もキャッチーなキャラ、デザイン、シナリオで力押ししました、という感じ。センスは一流です。でも、シナリオは大事な部分が抜けている。 映画評価は4点。でも、あのCGの街はすごい。そこで+1ってとこで。 全くエヴァの予備知識が無い友人は「主人公がヘタレでいらいらした」と。 【BEERGOGO】さん [映画館(邦画)] 5点(2007-09-17 00:31:35) (良:1票) |
1.この作品はエヴァ世代とヱヴァ世代を、共にヱヴァ世代として「破」へと向かわせるためのプロローグなのでしょう。そう捉えると前半のマイナーチェンジをすんなりと腑に落とすことができます。なんせ、旧作のリメイクであり、4部作の頭であるのだからそれほど大きな感動は得られると思ってはいけません。せいぜい、エヴァからヱヴァへの進化。すなわち予算とCGというものを使うとこうなるという、そして2部からの新要素を盛り込んだ煮なおしでもって、過去との決着をつけるための心の準備をすることが出来れば善しなのです。監督の「こうしたかったんだけど、もう一回聞いてくれる?」という要望に、着いて行くか行かないかを観た者が決めればいい。つまり決別となるか、随行となるかその分かれ目の作品なのでしょう。これで自分の中のエヴァがやっと終わるわけで、その為のシリーズだということでこの点数です。単品としての映画作品では、行列分の満足度はなかったですね。ちなみに私は最後まで監督のいいわけに付き合いますよw 【1δ3】さん [映画館(邦画)] 7点(2007-09-02 18:22:25) (良:1票) |