4.別れた男女だから分割画面なのか、二つの画面で見せたいから別れた男女の話にしたのか知らないけど、少なくとも男と女の思惑が両画面に捉えらるといったことはないように思われ、ただ分割されているだけの作品という印象。しかもお遊びではなく、そこに大いなる野心が見え隠れするところがイタイ。二つの画面は互いの視点映像というわけでもなく男と女に分けられているわけでもない。時折そんな映像もあるんだけど同じ画を少し角度を変えただけなんてのもあるので二画面に約束事はないらしい。そこはムリに二画面にする必要ないじゃんってのがいっぱいある。野心を持ってずっと二画面なら、二つの映像があってはじめて意味を成すくらいであってほしい。とはいえ、普通に撮るよりは労力がいるに決まってるのだからその二画面という思いつきを徹底してこなした努力は買う。あと、分割画面という特殊な設定に隠れがちだけど会話劇そのものには男と女の差異とか恋愛の不可解性とかよく描けていたし主演二人はなかなかにいい感じだったと思う。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 4点(2011-01-21 15:30:20) |
3.大型TVで観たけれど分割画面は窮屈で見づらかった。ほぼ2人だけの登場人物と過去の回想までも絡めて同時進行する分割画面が斬新ではあるが、個人的には映画が持つダイナミズムが失われていた気がしました。 【kaaaz】さん [DVD(字幕)] 5点(2008-03-16 09:49:57) |
2.青春時代から微妙な距離にある30代後半。やり直せそうな、もう遅すぎそうな。青春時代はもっと大胆で、行動にためらいがなかった。だけど30代後半の男女は、行動の代わりにカンバセーションで探り合わなければならない、なにしろ二人の間には縦にざっくりと画面を分割する境が生まれているから。男は太り、女の脚には知らない怪我の傷が残り、それぞれが互いに知らないヒストリーを刻んでいる。二つに切られた画面の片方に二人がうまく納まると、今度はもう一方に青春時代の記憶が入り込んできて、現在と過去との境を際立たせようとする。その記憶も、セーターの色が変わったりと不確かなのだが。分割画面という趣向、それがすべてで成功しているかどうかはおいても、目一杯使い切ろうとしたその姿勢を褒めたい。おそらくDVDで見た人は必ず、ラストシーンをもう一度目を皿のようにして見直したと思う。 【なんのかんの】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-01-26 12:19:59) (良:1票) |
1.デパルマもビックリな全編デュアルフレーム。しかも終始ほぼ二人の会話劇のみなので、実験作的な色合いも強いが、ただの実験作に留まらない魅力のある作品。心理戦のような大人の会話がなかなかに楽しい。「男はズルいロマンチスト、女は罪なリアリスト」っていう作品コピーも秀逸。情けないけれど、男ってやっぱこういうもんだよな~と同性の私も思わず同意してしまいました。 |