12.久しぶりの鑑賞です。 やはり面白いことは間違いないです。上映長さ長いことに関してマイナス評を出してしておられる方がいましたが、時間を空けてもう一度見てください、そうは感じ無いと思います。ここまでスクリプトがしっかりしている作品は無いですよ。ストーリーの中で警察がマスコミを動かして偽情報を出す行為も今ではありえないかもしれませんがここでは正解です。そしてラストの近くの元町あたりの靴屋の店の前でショーケースを見ている権藤氏にタバコの火を借りに行く容疑者をまた車の中で見ている刑事という設定に今更ながら驚きました。今回気がついたこと。権藤氏の自宅はこの時代ですでに土足で居間まで入れる住宅です。香川京子は和服に草履履き、取締役員は革靴だった。まだ一般の道路は舗装されてない時代に土足だよ。それと丘の上の住宅であそこまでガラス面積が大きいところで空調が効いている居間のカーテンだけの断熱は熱効率は厳しいと思います。それと7cmのかばんをトイレの窓から投げたら拾われる前に落下したときにかばんが破壊されキューブリックの現ナマには・・のときのように紙幣は舞い上がってしまわないのでしょうか? 【仙台のチップ】さん [DVD(邦画)] 9点(2020-12-27 21:23:09) (良:2票) |
11.途中まではすごくおもしろい。企業の主導権争いによる誘拐犯罪かと思いきや、そうではなかった。よくあるような名刑事のあざやかな推理ドラマと違って、警察組織の分担された捜査の積み重ねによって、容疑者の範囲を狭めていく。それがあたかも現実の捜査のようで大変機興味深かったし、前半の犯人と警察の知恵比べもおもしろかった。 しかし後半の犯人が特定されてからはまったくおもしろくない。そのまま逮捕では刑が軽すぎるからといって、犯人を泳がせ新たな犯罪を起こさせ死刑に追い込むというのはいくら何でもひどすぎる。警察は犯罪を未然に防ぐことの方が優先しなければならないはずだ。 それに終盤の展開は、無理矢理「天国と地獄」というタイトルへのこじつけのようにさえ思う。これではなぜ犯人が誘拐を思い立ったのか、まったくわからない。 【ESPERANZA】さん [映画館(邦画)] 4点(2011-10-29 22:52:44) (良:2票) |
10.誘拐犯を追い詰めていくサスペンス感は素晴らしいけど、主犯を泳がせてからラストまでがしっくりこない。天国と地獄の格差社会が動機っていうのも分からなくはないけど、インターンがリスクを犯してまで駆り立てられる行動なのかな?黒沢作品を見る度に、問題提起のために心情リアリティをスル―しているような気がしてならない。 【ProPace】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2017-05-06 19:53:05) (良:1票) |
9.数年前に購入したクライテリオンのディスクチェックをするだけのつもりだったのに、作品の迫力に引き込まれて、結局、そのまま全部観てしまった。この映画を観るのは4回目くらいだと思う。初めて観たのは20年以上前の学生時代で、その時もとても面白いと思った。だが、当時はその迫力くらいしか理解できていなかったように思う。あれから20年以上生きてきて、あの頃よりはわずかではあるが、社会や人間、そして映像を理解できるようになった今の方が、この作品の偉大さがよく分かる。主人公の権藤邸をほとんど出ることがない前半の、カメラアングルを含めた舞台劇のような作りは、作り込み感が強くて僕好みではないものの、そのカッチリとした美しい構図は見事だ。中盤の、身代金受け渡しから誘拐された子供を迎えるシーンの臨場感とスピード感には、ここぞとばかりに盛大に使われた音楽の効果も相まって、涙が出そうになるほど心が震えた。犯人の捜索から特定、逮捕に至る後半は、極めて丁寧に作り込まれていて隙がない。最終シーンの、権藤と犯人である竹内の対決も見事で、竹内の虚勢を張りたいという気持ちと、そこからはみ出してしまった弱さは、人間的に未成熟な若者の姿を見事に表現している。さらに言えば、作品全体をシャープにしながら、同時に緊張感を持たせている大きな要素は、説明セリフを舞台や設定のために必要最小限に抑えながら、それぞれのシーンにおける人物の気持ちに関して、セリフではなく、その動きやカメラアングル、そして音で表現しきったというところだろう。使い古された表現だと思うが、こう思わずにはいられない。黒澤映画とは、映画が映像であるということを再認識させてくれる作品群である、と。 【はあ】さん [ブルーレイ(邦画)] 10点(2016-05-04 15:32:00) (良:1票) |
8. ケータイとネットが普及していれば1時間で解決する事件。今では考えられないほど練りに練った細かい構成と描写は芸術的だが、やっぱり2時間を超える映画は、よほどの場合を除いて私には合わないと実感。観終わって大切な娯楽の時間を無駄に潰した気分で一杯…。 【クロエ】さん [DVD(邦画)] 4点(2009-07-30 15:06:25) (良:1票) |
7.つまらなくはないのですが,動機が弱すぎるのと犯人が簡単に追い詰めれられ過ぎ.警察の連携プレーをPRするビデオかと思うほどでした. 【マー君】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-05-10 19:59:55) (笑:1票) |
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6.退屈してしまう所が多く、いまいちだった。2時間30分という長さにしなくても2時間くらいでもなんとかなったと思う。三船敏郎も時代劇の方がいい。でも衝撃的なラストはこの映画の一番のメッセージだと思う。最後はとてもよかった。 【Syuhei】さん 5点(2004-06-13 15:47:20) (良:1票) |
5.これをリアルタイムで見ていたら、もっと評価は高かったと思うけど、今見るとさすがに普通。内容的にも高度経済成長期における資本主義社会に対する警鐘なのか、主役の偽善性と犯人の独善性を含めた人間の不可解な深層心理に対する洞察なのか、どちらにしてもあまり深い含蓄は受け取れなかった。ラストで犯人が「自分がどんなに不幸だったか」みたいな事を得々と述べるけど、医学生というエリートが何を言ってんの?という感じ。十分勝ち組だと思うけどなあ。何があったかは知らんけど、そんな人に訳の分からない自己弁護的な泣き言を言われても、こっちは感情移入は出来ませんよ。しかも捕まってからだから余計にたちが悪い。完全に逆恨みでしょう。まるで自分ひとりがこの世の不幸をすべて背負っているかのような勘違い野郎としか思えない。まあそこら辺が、「誰でも加害者にも被害者にもなり得る」という現代的犯罪の開幕を看破した上での意図的な人物設定なのかも知れないが。 誘拐ミステリーとしてはきちんと纏まっているものの、これも今見ると「名探偵コナン」や「金田一少年の事件簿」レベルで、取り立てて特筆するような部分も無い。むしろ犯人の計算高さの割に、何をしでかすか分からない麻薬中毒患者を仲間にしたり、盗難車を普通に乗り捨てたり(完全犯罪を目指すなら、海に沈めるか、燃やすかすると思うけど)、子供を目隠しせずに連れ回したり、そのまま生きて帰したりと、妙に杜撰な部分が多いのが気になる。登場人物の妙に大げさな演技や、ラスト30分辺りのダラダラ感もマイナス。 【FSS】さん 6点(2004-05-26 10:12:19) (良:1票) |
4.はっきり言って見にくい。誰が誰だか区別がつきにくい。(特に刑事)題名にしっかりとした意味があり、それは観ていて面白かった。ミステリというよりは社会派ですな。ちょっとあざといかも。いい加減白黒でしんどいのに、ちょっと長いって。 【ぷりんぐるしゅ】さん 4点(2004-03-18 20:19:50) (良:1票) |
3.満点以外は考えられない作品。スピード感溢れる展開、ぐいぐい惹き込まれる構成……素晴らしいの一語に尽きる。人情味ある刑事やマスコミらもいい味を出していた。みんな漢だね~。 【K】さん 10点(2003-12-30 17:19:05) (良:1票) |
2.確か、ほとんど前振りもなく始まったようなイメージを持ってます。テンポがいいというか無駄が無いというか、どんどん引き込まれ最後まで一気に見せる。権藤、戸倉警部、犯人の心理描写にほとんど時間を取らず、それでいてきっちりとそれぞれの心理をストーリー上で描いているところが秀逸。残念なのは、権藤以外の役員連中の、まるで本宮ひろしの漫画に出てきそうなあからさまに情け容赦ない人間描写と警察がやたら権藤氏のためにと強調するところ。 【R&A】さん 8点(2003-10-23 18:27:55) (良:1票) |
1.時代劇そのものにあまり関心が高くないせいか、黒沢と言えばこれに落ち着いてしまう。黒沢に限らず当時の東宝映画は「庶民」の描き方がすごく上手かった。これってやっぱ大部屋社員俳優さん達のおかげでしょう。端役脇役通行人までもがプライドを持って映画に参加していた。「こりゃあ江ノ電でさァ」 【柿木坂 護】さん 10点(2003-09-29 20:01:00) (良:1票) |