6.映画もよいが、伊東四朗の噺がたいへんうまい。一見の価値あり。 【わさび】さん [試写会(邦画)] 7点(2009-08-19 09:40:37) (良:2票) |
5.《ネタバレ》 ご大層なお題目を掲げているわけではないけど、とても気持ちがいい映画でした。無理のない範囲で、みんなが前に進んでいると思えるからでしょう。一門会での国分太一のしゃべりは熱が入っていて引き込まれました。気が付くと笑っていた。まるで宮田だ(←勝くんの宿敵)。香里奈もあそこで初めて微笑んでましたね…。人と接するのが苦手な人、います。子供のうちは人見知りで済むんだけど、大人になるとそうも言ってられない。かといって、性格は簡単には変わらないので悩む人は真剣に悩む。でも、逆説的だけど、あんまり無理することはないよと、この映画は言ってる気がする。ずーッと仏頂面だった香里奈が微笑むところでそんなことを感じました。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-01-08 00:09:20) (良:2票) |
4.《ネタバレ》 一人の若手落語家(国分太一)を主人公にした平山秀幸監督の映画。以前から気にはなっていたがなかなか食指が動かず、今になってようやく見たのだが、いかにも日本映画らしい雰囲気のよく出た映画になっていて、それに落語という題材がうまく合っていて生かされていてまさにこれぞ日本映画にしか出来ない映画といえる映画になっていて素直に面白かった。主人公である三つ葉(本名:外山達也)はなかなか真打に上がれないでいるが、それでも落語が好きで決してあきらめようとはしない姿勢が、見ていてつい応援したくなるし、彼の開いた落語教室に集まってくる三人がそれぞれ他人との会話が苦手な女性や、しゃべりが下手な野球解説者などコンプレックスを抱え、この三人と三つ葉の関りもちゃんとドラマとして面白くできていて、見始めてすぐは三つ葉が真打になるまでの話かと思っていたのだが、そうではなく三つ葉を含めた四人が自分のコンプレックスとそれぞれに向き合い、互いに一歩踏み出すまでが描かれていて、本作のテーマは落語そのものよりも他人との関り、自分の思いを伝えることの大切さ、これにあるのだと感じることができ、そうしたらとてもこの四人がとても身近な存在に思えてきた。三つ葉の元にやってくる三人の中でも、関西から引っ越してきた阪神ファンの少年がとくに良い味を出していて、この少年は本作の中でも特に印象に残った。その他の出演者でいうとやっぱり三つ葉の祖母を演じる八千草薫がなんともチャーミングで、落語の演目をつぶやきながら玄関先を掃いたりしている姿がなんとも言えないし、思わずこういうおばあちゃん、良いなあと感じさせてくれるのが嬉しい。落語が題材の映画とあって劇中に落語が披露されるシーンが多いのだが、三つ葉の師匠を演じる伊東四朗も、独演会における国分太一演じる三つ葉の落語も本当に自然な感じで、今まで一回もライブで落語を聞いたことがないのだが、思わずライブで落語を聞いてみたい、そんな気持ちになれたのも嬉しかった。物語としては、さっきも書いたように四人それぞれが一歩踏み出たところで終わっていて、明快にそれぞれの問題が解決したというところまでは描いていないが、それが逆に良かったし、この後のそれぞれの人生を想像してみるのも楽しい。なんだか見終わって久々に気持ちの良い映画を見た気がしたし、見て本当に良かった。平山監督は大作映画も手掛けているが、それよりもこういう地に足のついた映画のほうが持ち味が出ているように感じる。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 8点(2018-05-05 21:58:15) (良:1票) |
3.子供の方が上手いって… 【Yoshi】さん [DVD(邦画)] 5点(2008-03-21 00:37:44) (笑:1票) |
2.《ネタバレ》 おう!これはほんまに良いもん観させてもらいました。本当に心からそう思う。最近の日本映画の多くはアメリカの真似して安易な大作志向に走ってみたり、テレビドラマの映画化だの、漫画の実写だのと、そんなものばかり目立ち、腹が立つことのが多いが、そんな中でこの映画、いかにも日本的、古き良き昔の日本映画には多く見られた日常的な風情と人々による優しい一面、それでいて、厳しい現実と立ち向かいながらも生きようとしている人達の葛藤というものが上手く描かれていて素晴らしい。落語という日本ならではのテーマを上手い具合に生かしている。下町の風景の素晴らしいこと。素晴らしいこと。そんな素晴らしい風景の中でどの人物にしても悩みを持ちながら必死に戦っていて応援せずにはいられない。国分太一演じる落語家としては完全に二流としての駄目ぷり、師匠の伊東四郎にお前は駄目だと言われてもけして落語を捨てようとしない姿とまたそんな自分に弟子入りしてくる三人とのドラマがこれまた良い。中でも熱狂的阪神ファンの少年がこれまた素晴らしく、この少年の演技を見ているだけでも大いに楽しめる。他にも八千草薫のお婆ちゃん、これまた日本の良きお婆ちゃんて感じでとにかく出てくる人物、みんなが気持ちの良い雰囲気にしてくれる。色んな登場人物による人間の感情、その全てが見事にぶつかりあっていてこれぞ私の求めている映画なんだ!不器用だけど必死になって生きている人達はやはり好きだし、応援せずにはいられない。何か見ていて私の大好きな川島雄三監督の描く世界にどこか共通している気がして、とにかくこんな気持ちの良い映画は最近ではなかった。 【青観】さん [映画館(邦画)] 9点(2007-06-02 13:12:18) (良:1票) |
1.平山監督の演出っていうのは本当に危なげがないというか、ガッチリ腰が据わっていて安心して鑑賞出来ますね。TOKIO国分君単独初主演という事で、おいおい、彼には荷が重すぎやしないかい?って最初不安だったんですが全くの杞憂でした。彼も含めた出演者のアンサンブルが実に良い。決して大きなテーマを扱っている訳ではないけど、人間同士の心のふれあいが仰々しくなく、こと細かに綴られていきます。ツンデレ美人の香里奈もグッド。でも映画の根本をぐっと支えているのは伊東四郎、八千草薫のベテランご両人。笠智衆さんがまだご存命中の頃、一家に一人こんなおじいちゃんがいればって、どなたかエッセイで書かれているのを見た記憶がありますが、今なら自分は八千草薫みたいなおばあちゃんが一家に一人にいたら、って思いますね。チャキチャキの江戸っ子おばあちゃんっていう、本来の八千草さんの役どころではないかもしれないけど、画面に登場してくるだけでなんか嬉しくなる、そんな役者さんってなかなかいないですよ。ゆずの心地よい主題歌に見送られ劇場を出ると、空にはすがすがしい五月の青い空が広がってました。やわらかい初夏の日差しみたいな、この季節にぴったりな映画。おすすめっす! 【放浪紳士チャーリー】さん [映画館(邦画)] 7点(2007-05-26 15:14:56) (良:1票) |