4.素晴らしい。すっかり魂抜かれて帰ってきた。作中男性は蚊帳の外、何かを背負いそれでも日々を生き抜いていく女性が描かれている。その強さと優しさが画面を包み、ヘビーなシーンもなぜか悲壮にはならず、人肌の温もりを絶えず保っていて暖かい。物語への同調というよりも、自分の心の引き出しにある「私もこうありたい」という気持がふわっと沸き上がるような映画だった。いつもは登場人物の心の在処に迷ったりするアルモドバル作品だけれど、今作はそれもなく、コミカルなセリフもあって楽しく見やすい。多くの女性に観て欲しい。それにしてもこの女性を見る視点、女性を語る手腕、アルモドバルという人は侮れない。 【のはら】さん [映画館(字幕)] 10点(2007-07-05 00:22:19) (良:2票) |
3.面白かったの一言。
女優さんたちの演技がみな上手く、ストーリーもサスペンスありユーモアありで飽きさせず、色彩もキレイで食べ物もおいしそう。
ペネロペ・クルスは若いころよりも美しく、小さな華奢な体なのに原色の毒々しい大きな花を思わせる、主演女優にふさわしい存在感。もう目が釘づけです。
生きることは一番の苦しみかもしれないけど、それでも前へ前へ進もうという人生賛歌であり、大人のおとぎ話です。
へこんでいるときに見たら、どんなことだってたいしたことないと思えそう。 【まれみ】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2009-02-10 21:39:18) (良:1票) |
2.つきあいで見ました。登場する女性たちはもう笑うしかないほど山のように問題を抱えています。でもみんな、暖かい強風の中に様々な原色が散らばる、あのきらめくスペインの風景の中で腹をくくって生きていきます。こういう強靭な生き方って、今の日本人には絶対マネできないですね。道徳とか倫理とかでわあわあ言ってるようじゃ、まだ人間は半人前かな。 【きのう来た人】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-01-28 06:59:59) (良:1票) |
1.うーむ、女性上位な痛快映画でした。唯一の登場男性はサイテー野郎。結果、当然というべきか、哀れというべきか、娘に刺し殺され、妻に非合法に葬られます。赤と黒を基調にしたサイケな色調の画面がペネロペ・クルスの美しさを際立たせ、人生に絶望気味の女性が、それでもなおたくましく生きる力強さを感じさせます。「母と娘」が主たるテーマだと思いますが、女同士の親子というのは意外に厄介なもの。母親との確執にかなりのエネルギーを消耗した身としては、この映画は御伽噺に近いものがありますが、そこはそれ、まあ映画ということで夢や希望があった方がいいじゃない、と思います。いや~、生きるって大変・・・(嘆息)。 【すねこすり】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-01-13 14:45:05) (良:1票) |