6.《ネタバレ》 何となくだけど相米監督のお引越しを思わせるような作品で、子役の自然な演技と竹内結子の自由奔放な感じが良い感じで見ることができた。2人が楽しそうしている場面、竹内結子の楽しそうな表情を見る度に竹内結子の死が何だか今でも信じられないぐらいに輝いている。この映画のヨーコの様に自由奔放でいられたらと思うと、本当に亡くなった事が悔やまれる。私自身、竹内結子と言えば朝ドラのあすかの印象が強くて、彼女の出ている映画はあまり見てないけど、きっとこの映画のヨーコの姿こそが竹内結子という女優像ではないだろうか?脇を固める俳優の中では古田新太が良いし、面白い。50円しか無かったら何をする?という答えが面白い。私もきっと同じでパックマンを選ぶかもしれない。何かこの映画、パックマンに麦チョコだのと昭和を生きて来た者としては分かるぐらい懐かしい。久しぶりにパックマンしたくなりました。テレビの中での犯人の真似して逃げる古田新太が面白すぎて笑える。そんな男の実の奥さんと竹内結子の喧嘩も見応え有り、竹内結子演じるヨーコが薫の本当の母親を頭突きでやっつけた瞬間の気持ち良さ、竹内結子がとにかく良い。竹内結子という女優の本来の女としての魅力ある姿がとにかく印象的です。何度も言いますが、竹内結子、竹内結子、竹内結子のヨーコの様に竹内結子自身が自由奔放に生きて行けたら今回の様な死は無かったんじゃないかと思うと本当に残念です。自由でいる事の難しさを改めて知らされた気がします。ヨーコと薫が本当に楽しそうにしてるだけで何だかホッとするそんな作品です。 【青観】さん [DVD(邦画)] 8点(2020-10-01 21:51:43) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 あまり期待はしていなかったし、淡々とした印象もあるのだが、だんだん引き込まれた。話自体は大人の視点から見ればけっこうなドロドロ系なのにあくまで小学4年生の少女・薫とヨーコさん(竹内結子)との交流に主題が置かれているためあまりそうは感じないし、純粋に小学生のひと夏の思い出を描いた作品としてよく出来た清涼感のある映画になっていて、ヨーコさんと自転車を一緒に練習したり、コーラを買ったり、一緒に旅行に行ったりといったエピソードや、そんなヨーコさんとの交流を通して少しずつ変わっていく少女が丁寧に描かれている。それがあるから、突然訪れるヨーコさんとの別れや、ラストの父に対する頭突きが切ない。ヨーコさんがとても魅力的で、演じる竹内結子もすごくハマっていた(とくにファンである女優というわけではなく、見た役柄で思い出すのは未だに15、6年前の朝ドラのヒロイン役だったのだが、それが少し変わるかも。)し、もちろん、主人公の少女を演じた松本花奈の演技の自然さも良い。同じく両親が離婚することになった小学生を描いた映画としては相米慎二監督の「お引越し」があり、見ながらつい思い出したが、あの映画とはまた違った良さがある。そして出番は少ないが、樹木希林のコミカルで強烈な演技はやっぱり面白く、シリアスな演技もいいが、やっぱりこの人にはこういう役がいちばん合っている気がする。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 7点(2015-10-17 23:21:36) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 人は環境が変わることで、成長することがある。慣れてしまった日常と違った世界観や価値観に接する機会が人を成長させる。実は堕落する場合もあるんだけど、それは本人次第。それを旅行しながら見せるのがロードムービーってやつですが、10歳の夏にご飯を作りに来たヨーコさんとの出会いは薫ちゃんにとって、さながら家に居ながらのロードムービーの始まりだった。両親との暮らしの中で見て来た家庭の習慣が、唯一の正解ではないことに気付かされる。カレー用の皿に麦チョコを入れても怒る人はいないし、コーラを飲んでも歯は溶けないのである。あの年齢の子供にとって、これは実は大事件だと思う。ヨーコさんは決して道徳的な人じゃないけど、自分に正直に、ある意味自由に、そして誠実に生きている。それを感じることは、100の道徳を諭されるより意味がある。薫ちゃんはヨーコさんとのコンタクトにそんな意義を本能的に感じとっていたのだと思う。目の当たりにした母とヨーコさんの肉弾戦は、良くも悪くも大人の女の世界を垣間見させ、ヨーコさんはいなくなった。自転車に乗れるようになった10歳の夏。それは爽やかな風のように通り過ぎ、ヨーコさんは薫ちゃんにとって特別な存在になった。最小限の表情変化で微妙な心情を表現していた松本花奈と、形容が難しい微妙な大人の女を演じきった竹内結子に拍手。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2008-12-15 23:23:05) (良:1票) |
3.女の子カオル(松本花奈)の表情がいい。大人に気をつかうのが習性になっていて、あまりしゃべらず、何かを言うとすぐに相手の反応をうかがう目になる。でも、怒られることを怖がってイジケてるって感じでもないんだな。彼女自身の中に“正しくありたい”という倫理観があって(サドルを盗まれた人への心配、テレビでの事件報道への感想)、それがあまり倫理的ではない現実社会へどう対応していいか戸惑っている感じ。社会へ待機中の子どもが感じるそういった普遍的な戸惑いが、寡黙な中に表現されていた。ヨーコさんもそれを分かっているから、“イジケた子をタフにする”って教育話ではなく、世代を越えて互いを認めあう友情の話になれていたと思う。ヨーコさんの言う「カオルってハードボイルドだね」は最大の誉め言葉だ。 【なんのかんの】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-03-30 12:18:23) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 甲斐性のない親父にヨーコさんのような愛人とは・・ 世の中年男性に一筋の希望の光を与えてくれる映画です。 【しろタマネギ】さん [DVD(邦画)] 4点(2008-01-21 13:30:18) (笑:1票) |
1.観終わった後の爽快感を与えてくれたのは、やはり竹内結子演ずるヨーコのキャラクターが爽やかで清々しい存在だったからでしょう。性格が実にシンプル。竹を切ったような、スパッとしたものを感じました。何事にも真剣に向かい合い、相手が子どもだろうが、下らない遊びだろうが関係なく、全てにことに真面目で堅実に向かう姿勢がとても素敵でした。とくに薫に名前を聞いた後の台詞、「美しい名前ね」という表現。綺麗だとか、素敵などという表現を使わず、あまり使わない美しいという言葉を使う彼女自身がとても美しい存在だとぼくは率直に感じました。ユーモアもあり、柔らかい表情がとても印象に残りました。薫にほんの小さな変化をさせた彼女。彼女に会いたいと思わずにはいられない。自由気侭な彼女に僕はあこがれました。 【ボビー】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-12-30 15:05:06) (良:1票) |