4.《ネタバレ》 古い映画ですが、これもまた掘り出し物でした。
退屈で固いんじゃないかと思っていただけに、予想を裏切る面白さでした。
笑えるところもきちんとあるし、見せ所のパニックアクションは、ジョーズをしのぐと・・
ジョーズは何度も見ていて評価をまだつけていないので、もう少しお待ちくださいね。
そのジョーズに匹敵する、いや時代からしたらしのぐんじゃないかと思いました。
まじめな文芸作品、でも単純でそして深いドラマです。
ただ単に仕返しの鯨退治じゃあないのです。
私はこの船長はもしかしたら白鯨、そして白鯨もまた船長と思います。
同じ敵同士でその時を待っていたかのように・・
この映画もまた他の洋画の例にもれず、キリスト教の教えがあります。
単純なストーリーですが深い深いものがあります。
途中に出てくる船員の言葉、「鯨を捕って油を売るのは人様のためになり神も喜ぶ」
「けれども復讐のために鯨を殺すのは神にそむく行為だ」こんなような言葉・・
うまいこと言ったものだと納得しました。
あの白鯨は守り神なのかもしれないし、殺された鯨の怨念かもしれない。
船長の言葉も「この船では私が神だ」のような言葉を言いますが、
あの驕りは前者の言葉とリンクしているような・・
最初に主人公が出会う預言者の言葉が怖いです。
ひとりを残してみんな死ぬ、船長は手招きして呼ぶ・・そんな風な言葉。
見終わるともう一度すぐ見たくなる。
すべて登場人物から言葉からつながっています。
あまり古い役者は知らないのですが、教会の牧師がオーソン・ウェルズだった。
とにかく暴れまくる白鯨のすごい迫力に圧倒されます。
たまに海が船と色があってなくて合成技術の甘さは感じるものの、
それでもこれだけの無駄のない面白い作品が作れるんですね。
今の映画のアラは気になりますが古い良質の映画のアラは気にならない。
ラストのあるモノが浮かび上がりたったひとり生き残った人物は・・
そのあるモノにも深い意味があるんですよ。
後味は普通悪いものなんですが救われました。
私はどの人間になれるのだろうかと少し怖かった。
ある意味宗教がかっていて、ホラー感覚も味わえます。
小説で読んだ人にも映像が迫力あるのでおすすめ!
【アルメイダ】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-05-20 04:38:07) (良:3票) |
3.今日のコンプライアンス重視の風潮をあざ笑うかのようなパワハラの嵐。よく言えば船長の夢と執念と冒険の物語ですが、裏返せば無謀と狂気と強制の連続。無理やり付き合わされる船員はお気の毒でしかありません。自分の上司には絶対なってほしくないそんな船長を、往年の好青年であるグレゴリー・ペックは見事に演じていたように思います。 ただし現実的なことを言えば、こういう狂気のリーダーがいてこそイチかバチかの大勝負ができて、ときにはそれが大きな成果をもたらすのかなと。実際、最終盤はすべての船員が一致団結するわけで。あまりコンプライアンスばかり気にしていると、小さな仕事しかできないんじゃないでしょうか。個人的には小さな仕事で十分ですが。 なお今日の「スターバックス」がこの作品の「スターバック」に由来するのは有名な話。たしかに唯一、船長にもの申す冷静な常識人の役回りでした。少なくとも「エイハブス」にしなくて正解かなと。 いずれにせよ、どうやって撮影したかは知りませんが、映像にはたいそうな迫力がありました。今日的なゴリゴリCGよりずっとリアルだったように思います。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2023-07-06 23:54:03) (良:1票) |
2.メルヴィルの『白鯨』と言えばもう、物語とも捕鯨論文ともつかない誠に壮大な小説で、壮大過ぎて、最初一人称で語っていた筈のイシュメールが途中で行方不明になってしまう不思議な話ですが、レイ・ブラッドベリとジョン・ヒューストンは、意外な程原作に沿って、脚本を組み立てています。小説は中学の頃に背伸びして読んだので苦心惨憺して読みましたが、後にこの映画を見た時、ウンそういや確かに、(うまく纏めると)こんな劇的な物語なんだよなあ、と改めて思わされました。でも、誰かもう一度映画化してくれないかなあ。可能な限り原作に忠実な、4時間くらいの退屈な映画に。 【鱗歌】さん 7点(2003-06-28 09:38:51) (笑:1票) |
1.まぁ~俺的には 現在40歳になる私が映画と言う魅力に引きずり込まれるきっかけとなった作品です。アメリカ文学史上最高傑作と言われるこの作品。確かに映像的に制作さらた当時の視点で見るか それとも今現在の視点で見るかと言う問題はあるとは思うのですが 「どんなにCGを駆使してもこれだけの迫力を出すのはまず無理なのではないだろうか」と思ってしまいます。ディ-プインパクトと言う映画のなかで、R・デュバルが目の見えない船員に向かって「モビー・ディック」を読み聞かせるワンシーンがあります。 彼は何が言いたかったのか? この映画を見ればきっと分かることと思います。 【東京JAP】さん 9点(2002-03-01 22:15:26) (良:1票) |