1.《ネタバレ》 この作品は速攻で撮影を行う事で有名な三池監督の作品であるが故に、多くのことを無視している。学校以外の世界の映写をせず、閉鎖的な世界にしており、まるで世の中に彼らしか存在していないような印象を受ける。理屈で考えれば、様々な事が理解出来ないし納得も出来ないが、それでもこの作品はこの世界でしっかり完結しており、違和感を覚えることはない。ストーリーと登場人物たちの設定がとても単純明快で、非常に理解しやすく、余計なことを考えなくてすむのがいい。この作品の主人公は一見小栗旬君のように見えるが、実際この作品の中で最も葛藤を抱え、最初と最後で大きく変化しているのは、小栗旬君のそばにいたヤクザのおじさんだろうと思う。大きな葛藤をいくつも抱え、それを解決しようとジタバタもがき、最終的にはヤクザの道からも足を洗う形になっている。最も弱く、不器用で、ダサい。そんな男だが、最も現実味があり、最も魅力的な人物として描かれている。僕はあの男の変化を見ているだけで、人間を見たという気持ちになった。それだけで十分良かった。 【ボビー】さん [映画館(邦画)] 8点(2007-11-12 02:07:14) (良:1票) |