4.《ネタバレ》 一言で言ってしまえば「脱力系ロードムービー」なのだけれど、劇中小道具として出てくる「クリーニング店の針金ハンガー」のように、一本中身に芯が通っているのでダレル事なく一気にラストまで鑑賞出来ました。私はこの監督の作品初見なんですが、演出の呼吸というかセンスはかなり秀でていると思います。後半から出て来る小泉今日子の「(カレーの煮込み)ごく、弱火でも?(ダメ?)」という一言台詞に大爆笑。特に可笑しい台詞でもないのになんでだろ?私の笑いのツボに思いっきりはまってしまいました。こういう擬似家族があってもいいよねって思わせてくれる温かく得難い雰囲気が、世知辛いこの世の中、孤独に生きている人間にとってはたまらないと思います。もちろんオダギリの気持ちの変化も細かく丁寧に描かれていました。しかし何故に「ごく、弱火でも?」と岸部一徳氏の再登場シーンで私は爆笑してしまったのか・・・?謎だ。ふふみ役の吉高由里子嬢は只者ではないと見た。こりゃ「亀は~」も早いトコ観ないと。ちなみに東京散歩には携帯版地図片手に『東京の階段』(日本文芸社)っていう本がおすすめっす! 【放浪紳士チャーリー】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-09-22 11:01:06) (良:2票) |
3.《ネタバレ》 東京人にはロケ地のそれぞれに自分なりの思い出もあったりするので、このゆるいストーリー展開の合間にふと遠い目になったりして、一粒で2度おいしい映画(笑)。お堀端を歩くと目と鼻の先に警視庁があることを知っている者にとっては、そこを歩く二人の姿に「あ~あ、ついにここまで来ちゃったのか」という別れの予感を切なく感じとれるわけだが、知らない人には最後の別れがやたら唐突に思えたのではないかと思う。イケメン役をさせると妙にダサいのに、こういう役をすると俄然良い味出してくるオダギリジョーの不思議。 【lady wolf】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-03-13 13:05:01) (良:1票) |
2.小ネタが随所にちりばめられている。ストーリーと並行してそのお宝探しを満喫していく。三木作品は馴染めぬ人がいてもあまりにも当然すぎて論点が存在しないのかもしれない。たとえば辛口否定の人がいて、それが異なる意見であっても度量の大きさ?とも違い、反撃する力が入らぬ一種の懐の深さがあるのである。それがまさしく脱力系なる所以か。傑作「亀速」と同じく、あくまで裏面であるバカバカしさの表には良質な哀愁が存在しており、マニアにはたまらぬ仕上がりである。それにしても老けてからの三浦友和の素晴らしさはどうしたことか。 【monteprince】さん [映画館(邦画)] 8点(2008-09-28 00:32:56) (良:1票) |
《改行表示》 1.《ネタバレ》 原作既読ですが、原作から本筋とも言える最も映画的なストーリーをスコーンと抜いてしまうという未だかつてない程のアレンジを施した原作モノとなっています。奥さんを殺してしまった男が、最後に東京を散歩するいう切ないストーリーながら、余計な感傷をあたえず、東京の風景だけで語る手法はなんとも潔い。 ただ、いつもより抑えめながらどうでもいい小ネタ満載なのは、純粋にいい映画を撮ることに抵抗があるのか、三木監督の照れ隠しにも見えてしまって、この映画の見方を混乱させていると感じました。 内容を鑑みるとなんとも評価に困る作品ですが、あっという間に感じたことと、東京の風景をこんないい感じにゆるく撮った映画を見たのは初めてかもしれません、ってことで高得点。 【すべから】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-05-17 14:13:47) (良:1票) |