4.《ネタバレ》 おそらく『ニュー・シネマ・パラダイス』が公開されるまで、本作は日本でもっとも観客を泣かせた洋画ではないでしょうか。自分もガキの頃ロードショウで観ましたが、周りの大人がぼろぼろ涙を流しているのにびっくりした記憶が残っています。 あまりにベタなストーリーは名匠デ・シーカのフィルモグラフィの中でも凡作の部類だとは思いますし海外での評価も高くないのですが、よっぽど当時の日本人の琴線に触れたんでしょうね。まああの地平線まで一面のひまわり畑は、日本人には決して想像できない風景なのは確かですが。ソ連でロケするのは色々苦労があったのは判りますが、ソ連の人は皆すごくいい人ばかりってのはちょっと臭すぎますね。 いくらイタリア男と言っても、命の恩人リュドミラ・サベリーエワを捨ててソフィア・ローレンのもとに帰ろうとするなんて、マストロヤンニよあんまりだ! 【S&S】さん [映画館(字幕)] 6点(2010-09-11 00:59:10) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 男と女が愛し合い、その仲が戦争によって引き裂かれ、待ち続け探し続けた末に会えたと思ったらかつての恋人には夫が…というお決まりのパターン。当時でこそ最新ファッションだったのかもしれないけれど、ソフィア・ローレンのボンバーヘッドはどう見たって美しいとは思えなかった。……子どもとベッドを見て自分の願いが叶わないことを予想し、駅のホームでそれは確信に変わる。そこで終わっていれば美しい別れだったのかもしれないが、未練がましく夫が訪ねてきたり、挙句の果てには自分の子どもも忘れて「一緒にいこう」なんて情けない台詞を吐いてみたり、その後の余計な引きずり方にはさっぱり共感できなかった。物語の筋書きは「シェルブールの雨傘」なんかと良く似ていると思うが、あの雪のエンディングの美しい「肯定の別れ」に対して、この映画の別れは(別にそんな別れ方を否定する訳ではないが)すべてに「否定で後ろ向き」で後味が悪い。……評判どおり音楽の美しいこと、かつての恋人を追い求める時に汽車の窓から見えるひまわり畑。線路にひどく揺れるカメラアングルの観辛いのが何とも味がある。 【six-coin】さん [映画館(字幕)] 6点(2006-09-23 20:05:37) (良:1票) |
2.ひまわり、というだけあって、ひまわりが主役である。どどどど~んとまっ黄黄。これでよいのだ。本当に人間は戦争ばかりしていて、バカだなあと思う。でもひまわりはなんのためらいもなく咲き誇る。泣いてもよいし、泣かずともよい。昔、○×名画座なんぞで、女の子が3人ほど並んでよく泣いていたものだ。みんなふつうのおばさんになっていることだろう。わたしならロシアの新しい奥さんのほうに肩入れするなあ。歴史には勝てないよ。ともかく一種の通過儀礼のような貴重な作品だと思う。 【バッテリ】さん 6点(2004-02-12 22:26:26) (笑:1票) |
1.《ネタバレ》 運命の大波にあらがいながらも結局は流されていく,ローレンとマストロヤンニの2人に共感できるかどうかがこの映画の鍵。私も残念ながら,プチみかんさんと同じ意見だ。あのロシア女性のひかえめさが際立つだけに,ローレンの溢れる愛情や逞しさ故の暴言が許せなくなる。恐らくあのウクライナ女性は,「いつかこの幸せも壊れてしまうのではないか」という予感に恐れおののきながら日々を過ごしたことだろう。また,再会の時にみせる彼女の毅然さからみて,彼を愛することにかけてもローレンに負けないほどの自信があったことをうかがわせるし,同時にローレンの気持ちを思いやる優しさもある。過酷な東部戦線からの帰還兵や,息子の無事を聞いてよろこぶ義母に対して一人よがりの暴言を吐き,何も言わない現地妻を思いやる気持ちさえ持ち合わせない身勝手なローレンと,かつての敵兵の命を救い,しかも彼を夫としたあの美しいサベーリエワとでは,どうひいき目にみても後者の方に私は共感を覚えるのである。 |