5.三谷幸喜監督の前作「THE 有頂天ホテル」を劇場で見た時すごく面白かったのだが、後になってDVDやテレビで見返すとそれほどでもなかったので、最初からDVDで見る本作にはあまり期待してなかったのだが、そこそこ面白かった。でも、売れない俳優を偽者に仕立て上げるという設定が「合言葉は勇気」の使い回しのようでややネタ切れかなと感じたのは残念。ボス(西田敏行)のいる部屋が「ゴッド・ファーザー」のドンのいる部屋を明らかに意識した作り(でも、西田敏行はマーロン・ブランドのようにはいかないよなあ、やっぱり。)だったり、伊吹吾郎がバーテンを務めるバーの名前が「赤い靴」だったりするのは笑えるし、深津絵里に名前をたずねたあとの佐藤浩市のセリフに大笑いしてしまった。(少しマニアックかもしれないが。)ほかにも、劇中劇映画に登場する鈴木京香の劇中での役名が小夜子というのも「犬神家の一族」の小夜子(川口晶、奥菜恵)を意識してるようでなんか笑える。「犬神家の一族」といえばやはりこの人の事を書かなければいけない。リメイク版に三谷監督が出演している関係からか、本作には劇中劇映画「黒い101人の女」(「黒い十人の女」)の監督の役で市川崑監督が出演。「ヨーイ、スタート」のかけ声とともに撮影が始まるのだが、これが市川監督にとって最後の「ヨーイ、スタート」なのかと思うとやっぱり何か感慨深いものがあるし、ああ、これが映画監督 市川崑の最後の姿なのかと思うと少し辛くもある。また、市川監督が撮っている映画の主演俳優役が中井貴一というのも、実際に市川監督の後期作品の常連だっただけに、それを意識したキャスティングなのかもしれないが、これもなにか感慨深い。そういえば、鈴木京香もテレビドラマが中心だったが、市川作品に数回出ているなあとそんなことも思ってしまった。全体としては6点くらいが妥当かなあと思う映画なんだけど、市川監督の関わった最後の映画ということで少し甘めに7点。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-07-25 11:56:04) (良:1票) |
4.観客に媚びるような辻褄合わせ、善人しか登場しない舞台設定、映画界の裏側を「ね、楽しそうでしょ?」と徹底的に美化する姿勢…。この甘ったるい人工甘味料のような世界観が、私はどうも苦手。こんな作品に有名な役者がこぞって出演していることに、日本映画界の衰退と限界を感じます。「だってコメディじゃん」という反論に対しては、「それならもっと笑わせてくれよ」と言っておきます。 【眉山】さん [地上波(邦画)] 2点(2009-11-23 16:35:49) (良:1票) |
3.三谷作品は結局、「ラヂオの時間」が最高傑作だったようだ、少なくともこれまでところは。しかし、だんだん悪くなってきた。ますますお金がかかっていそうなのに、まるで反比例して......。この人の作は、映画というより、本質的にお芝居だ。著名な芝居演出家の撮る映画は、なぜかよくないことが多い。 それにくわえて、おそらくこの作家には、プロットの面白さだけがあって、なにかこれを世に問いたいというような、主張性がないのだ。この映画のつまらなさも、要はそこにあるのだ。 【goro】さん [DVD(邦画)] 3点(2009-03-15 03:20:01) (良:1票) |
2.映画館で涙が出るほど大笑いしたの、はじめてです。 デラ富樫が町に来てからというもの、もーずっと笑いっぱなし。 ほろりとする場面有り、胸躍るシーン有りでとにかくこの一言につきます。
あーおもしろかったー!!(T▽T)
封切り二日目だったこともあり、場内満員でしたが 会場全体でどわーっと笑いが起こって、手をたたいて笑うひと、 思わず突っ込み入れてしまうひと、のけぞってしまうひと、 みんなみんなで大笑い。みんなみんな、なんだかすごくハッピー。
これこそは映画館で観るべき一本です。 ぜひ、映画館でどうぞ。 【ミツバチ】さん [映画館(邦画)] 10点(2008-06-12 23:56:30) (良:1票) |
1.三谷幸喜が、「映画」そのものをパロディー化した「映画」を作った。 それは、今の日本を代表する喜劇作家が、辿り着いた一つの到達点かもしれない。
前作「THE 有頂天ホテル」ほどの娯楽映画としての煌めきはないが、それ以上に、「映画」そのものに対するあらゆる憧れと愛に溢れた映画だと思う。
ひたすらに銀幕での成功を夢見る売れない映画俳優を、今や日本映画界のトップ俳優と言っても決して過言ではない佐藤浩市が演じるという“面白さ”。 そしてその映画俳優の滑稽な様を、絶妙に演じて見せた佐藤浩市と、それを引き出した三谷幸喜。 この俳優と監督のコラボレーションの成功が、そのままこの映画の成功だと思う。
喜劇を、ただ喜劇で終わらせないことが、三谷幸喜という作家が優れた部分で、この映画の核心も、そういう要素が溢れる。
売れない映画俳優が、ギャングの抗争に巻き込まれ、騙されたままひたすらに演じ続ける。 そこには、作り込まれた笑いのエッセンスと共に、どこまでも自分の夢を真っすぐに追い求める不器用な男の愛すべき姿が表われる。
映画が好きな人、夢を追い求める人、または追い求めたことがある人にとって、その姿には、特に胸を締め付ける程の感慨深さが残る。
良い映画だったと思う。
【鉄腕麗人】さん [映画館(邦画)] 7点(2008-06-10 00:34:49) (良:1票) |