4.《ネタバレ》 ここまでヘビーなゾンビ映画はついぞ観たことがない。冒頭の籠城戦から、一転して田園風景での死の「鬼ごっこ」と息つく暇のない展開。28週後、復興の兆しが見え始めたロンドンで、再びレイジ・ウィルスの脅威が襲う。ナパーム爆撃でロンドン市街を焼き尽くす圧巻のクライマックス。「感染者」と軍隊の両方から追われる恐怖。この緊張感は只者ではない。この映画の救いのなさは、「愛」や「希望」が全て裏目に出ること。人道的な立場から子供たちを救おうとする行為が、更なる悲劇を生み出す。英国から飛び火したウィルスは、あっという間にヨーロッパ全土に広まり、やがては世界中で猛威を振るうことだろう。衝撃の傑作。 【フライボーイ】さん [映画館(字幕)] 9点(2008-01-19 20:10:54) (良:3票) |
3.《ネタバレ》 ゾンビ映画として、これ以上ないくらいのクオリティ。ストーリー展開が抜群に良い。 最初のつかみがまずパーフェクト。暗い家の中で息を潜めての生活。前作からの続編なだけに、これだけで置かれている状況が瞬時にわかる。こーゆー『画』でみせる映画は好き。この終末感ばりばりの雰囲気こそゾンビ映画の醍醐味です。 逃げてきた子供。子供を追っかけてきたゾンビたち。つい、板を一枚はずして外の様子を見ちゃう女。そんなささいなことで、平穏な生活が一瞬にして崩れ去る恐怖。こんな薄氷を歩くような生活をずっとしてきたという世界を見せるプロローグが素晴らしすぎます。 2ndステージは28週後。ここからが本編。ゾンビは餓死。ちょっと斬新ですね。ありそうでなかった設定。復興が進んでいて、活気付く都市。願わくば、もう少し復興の様子、人々が再び幸せな生活を営む様子を見せてくれれば、その対比による後半の悲劇が際立ったのではないかと。復興が完璧であればあるほど、それがもろくも崩れ去るときの滅びの美しさを堪能できるってものです。その辺はロメロさんが上手でしたね。 感染が食い止められないと判断されたとき、市民を守るはずだった軍の銃口はその市民へと向けられる。無差別の殺戮がパニックに拍車をかけます。 パニックが始まってから、ストーリーを脱出1本に明瞭化したのも凄く良かったです。パニックムービーとしてもサバイバルムービーとしても文句なしの1本になったのではないでしょうか。 ラストでウイルスに免疫を持つ弟が、感染状態で国外へと脱出。更なる惨劇を予感させる余韻の残し方が嫌いではないです。 【たきたて】さん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2020-02-21 14:58:36) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 前作も良かったけど今作はそれ以上に良かった。あの惨劇からたった28週で復興を試みているけど結局のところ、『詳しいことは解ってない』わけで何事も調査してみないと解らない。 あのウィルスの怖いところは感染スピードが物凄く早いことだけど、人類にもあのウィルスを撲滅するチャンスは十分あった。一つ一つの判断を間違わずに下せれば・・・。 女研究員は抗体を持った女を調査するように進言し、仮に将軍がOKサインを出したとしても父親が先に女と接触して惨事は逃れられなかっただろう。 ならば父親と女の接触前に父親を止められたとたら。これも一歩間違えば研究員に感染する恐れやそもそも感染者を生かしておくこと自体が危険なので惨事の可能性は十分あった。 軍は感染者はもう居ないと決め付けていたのが大元のミスだったのだろう。空気感染はしないとはいえ何者かに噛まれた跡がある者を放置しようとした判断が全ての歯車を狂わせたのではないだろうか。 コードレッドは人道的な作戦ではないが人類の存亡を欠けて考慮するならば最優先しなければならないことだろう。たった一人の感染者も許すことができないのだから。しかし、コードレッドを完全に理解していない兵士によって軍による掃討戦も焼夷弾も毒ガスもかわされて感染者が大陸に渡るという最悪な事態を招いてしまった。 ウィルスの抗体の研究も原因もそんなものはどうだっていい。ただ撲滅さえすれば人類は助かったのだ。前作ではぶっ飛んだ状況下では人は理性を失うことを表現していた。殆どのゾンビ映画もそうだが、今作はさらに進んでそれを押さえ込むためには一切合切の良心を捨てて非常になりきらなければ救われないというメッセージが込められていたのではないだろうか。 女研究員が狙撃手に言った「この子は誰よりも大事」が皮肉に聞こえる。頼りになる狙撃種や人類のためを思って子供を守ろうとした女研究員、友情に生きたヘリの操縦手は両キャラで応援したくなるが彼らの頑張りが結果として人類滅亡の手助けとなったのも悲しい。次回作があるなら、是非期待したい。
【xxxsiro】さん [DVD(吹替)] 9点(2008-09-25 13:55:25) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 すさまじいゾンビ映画ですな。 一家族を中心に描いているので、家族愛ゆえの悲惨さがよく表現されています。 夫は妻を見捨てて逃げ出す、妻は感染するが抗体をもっており生き延びる、キスで妻から夫に感染、夫は妻を残虐に殺す、妻はナパーム弾で焼き払われる、父が息子を襲う、姉が父を殺す。 抗体をもっている人が発見されたところで、ああこれで最後は抗体ができてエンドだなと思っていたのですが、甘かったです。 子供を殺すことこそしませんが、姉弟を守ろうとした正義感あふれる兵士たちは殺されてしまうなど意表をつく展開です。 ヘリの羽根での残虐シーンは見ていられませんでした。 母親から受け継いだ珍しい眼と夫婦のキスという伏線が効いていました。 てぶれカメラと多カットによるゾンビ急襲シーンなど緊迫感があります。 でも家族で見る映画ではないのでヒットはしないでしょう。 救いようのないエンディングは次回作へのつなぎのためでしょうか。 人のいない町のシーンなど、ゾンビ映画にしては大金をかけた大作かもしれません。 【よしのぶ】さん [映画館(字幕)] 9点(2008-05-11 13:40:40) (良:1票) |